1. 企業情報
企業概要
フジシールインターナショナルは、食品・飲料・日用品・医療用流動食向けを中心としたパッケージングソリューションを提供しています。主力製品は熱収縮性ラベル（シュリンクラベル）で、デザインから製造まで一貫体制を構築。加えて、自己粘着ラベルやソフトパウチ、関連包装機械の製造・販売、包装サービス、アフターサービスなども展開。日本・米州・欧州・アセアンにグローバル展開しています。
事業構成比（2024.3期）
- シュリンクラベル：62%
- タックラベル：8%
- ソフトパウチ：13%
- 機械：10%
- その他：7%
- 海外売上比率：51%
2. 業界のポジションと市場シェア
- 熱収縮性ラベルで国内外トップシェア（市場シェア50%以上）。
- 包装業界の中でも専業メーカーとして高い競争優位性を持つ。
- 食品・飲料向けを中心に、日用品や医療分野にも展開し、顧客基盤が広い。
- 課題としては、原材料価格の変動や環境規制強化への対応、グローバル競争の激化が挙げられる。
3. 経営戦略と重点分野
- 中期経営計画「FSG.30」
2031年3月期までの持続的成長を目指し、以下の3つを基本戦略とする。
– グローバル事業基盤の強化
– 新製品・新市場開拓（特にソフトパウチや環境対応型製品）
– サステナビリティ経営（環境負荷低減、循環型社会への貢献）
– 地域別戦略として、日本・米州・欧州・アセアンそれぞれでの最適化を進める。
4. 事業モデルの持続可能性
- 主力のシュリンクラベルは飲料・食品業界の需要に支えられ、安定した収益基盤。
- 環境対応型パッケージやソフトパウチなど、新市場・新製品への積極展開で成長を狙う。
- グローバル展開によるリスク分散と、サステナビリティ対応力が持続性を高めている。
5. 技術革新と主力製品
- 熱収縮性ラベルの技術開発で先行し、独自の製造・印刷技術を保有。
- ソフトパウチや自己粘着ラベルなど、多様なパッケージング技術を展開。
- 包装機械やサービスも含めたトータルソリューションで顧客ニーズに対応。
6. 株価の評価
- PER（予想）：7.88倍（業界平均14.5倍より割安）
- PBR（実績）：0.94倍（業界平均1.3倍より割安）
- EPS（予想）：322.49円、BPS（実績）：2,707.95円
- 現在株価（2,540円）は、BPSに対して0.94倍、EPSに対して7.88倍で推移。
7. テクニカル分析
- 直近株価は2,540円。年初来高値2,855円、安値2,212円。
- 50日移動平均：2,523.60円、200日移動平均：2,513.25円
- 直近10日間は2,500円台前半で推移し、やや底堅い動き。
- 高値圏からやや調整後、移動平均線近辺で安定。
8. 財務諸表分析
- 売上高：212,345百万円（前期比8.0%増）
- 営業利益：18,844百万円（前期比41.6%増）
- 純利益：12,199百万円（前期比18.7%増）
- 営業利益率：8.9%
- ROE：8.79%、ROA：5.82%
- 自己資本比率：69.2%（財務健全性高い）
- キャッシュフロー：営業CF 21,340百万円、フリーCF 10,410百万円
- 過去数年の傾向：売上・利益ともに増加基調、利益率も改善傾向
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（予想）：2.80%（5年平均2.07%より高い）
- 配当性向：30.23%
- 配当実績：2024年3月期60円 → 2025年68円 → 2026年予想71円
- 自己株式取得：実施実績あり（自己株口8.88%）
- 還元策：安定配当と自己株取得を組み合わせた株主還元方針
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近10日間は2,500円台で安定、出来高も安定的。
- 信用買残増加、信用倍率5.62倍とやや買い長。
- 機関投資家・外国人投資家の保有比率も一定水準（機関32.59%、インサイダー24.33%）。
- 配当増加や堅調な業績が株価下支え要因。
11. 総評
フジシールインターナショナルは、熱収縮性ラベルを中心に高い市場シェアと技術力を持つ包装専業メーカーです。安定した収益基盤とグローバル展開、サステナビリティ経営への注力により、今後も成長が期待される体制を構築しています。財務健全性も高く、配当利回りや株主還元策も充実。現在の株価は業界平均と比較して割安感が見られ、業績も増収増益基調です。今後は原材料価格や環境規制への対応、新市場開拓の進展が注目ポイントとなります。
本レポートは情報提供を目的とし、投資判断を推奨するものではありません。
企業情報
| 銘柄コード | 7864 |
| 企業名 | フジシールインターナショナル |
| URL | https://www.fujiseal.com/jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – その他製品 |
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