1. 企業情報
NANO MRNA Co.,Ltd.は、mRNA技術を活用した医薬品の研究開発を行う創薬ベンチャー企業です。主に、がんや組織再生領域における治療薬の開発を目指しています。2023年6月に社名変更し、mRNA医薬品に特化して事業を展開しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
NANO MRNAは、mRNA医薬品という比較的新しい分野に特化しており、競合他社との差別化を図っています。しかし、mRNA医薬品市場は競争が激化しており、同社のパイプラインの進捗や、他社との協業などが、今後の競争優位性を左右する要因となります。
3. 経営戦略と重点分野
NANO MRNAは、mRNA医薬品の研究開発に注力しており、がん治療薬の開発に重点を置いています。具体的な中期経営計画は開示されていませんが、創薬シーズの発掘から非臨床開発までのプロセスを自社で行い、外部との協業も積極的に進めています。
4. 事業モデルの持続可能性
NANO MRNAの収益は、研究開発協力金収入等に依存しており、現時点では安定した収益基盤を確立できていません。mRNA医薬品の開発には多額の資金と長い時間が必要であり、今後のパイプラインの進捗や、資金調達が事業継続の鍵となります。市場ニーズの変化への対応としては、mRNA技術の応用範囲を広げ、様々な疾患領域への展開を目指しています。
5. 技術革新と主力製品
NANO MRNAは、mRNA技術を活用した医薬品開発を行っています。主力製品は、RUNX1 (mRNA)やNC-6100 PRDM14 (siRNA)など、がん治療を目的としたパイプラインです。また、Complexという抗菌点耳薬や、化粧品原料、PRP療法なども提供しています。
6. 株価の評価
- 株価: 128.0円 (2025年6月10日終値)
- EPS (会社予想): -12.18円 (2025年3月期)
- BPS (実績): 38.59円 (2024年3月期)
- PER: 算出不可 (赤字のため)
- PBR: 3.32倍 (実績)
EPSがマイナスであり、PERは算出できません。PBRは3.32倍であり、割高感があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、126円から134円の間を変動しており、200日移動平均線(153.99円)を下回っています。年初来安値(113円)から上昇していますが、52週高値(230円)からは大きく下落しています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2025年3月期は108百万円と、前期の135百万円から減少。
- 営業利益: 2025年3月期は-755百万円と、赤字幅が縮小。
- 当期純利益: 2025年3月期は-835百万円と、赤字。
- ROE: -27.24% (2024年3月期)
- 自己資本比率: 68.2% (2025年3月期)
売上高は減少傾向にあり、依然として赤字が続いています。自己資本比率は高いものの、赤字が続いているため、財務状況には注意が必要です。
9. 株主還元と配当方針
NANO MRNAは、配当を実施していません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、126円から134円の間を変動しており、方向感に欠けます。信用倍率は0.00倍と、売り残がありません。
11. 総評
NANO MRNAは、mRNA医薬品に特化した創薬ベンチャー企業であり、今後の成長に期待が持てます。しかし、現時点では赤字が続いており、事業の進捗や資金調達が重要です。株価は低迷しており、今後の業績改善と、パイプラインの進捗に注目する必要があります。投資判断は、リスクを十分に理解した上で、慎重に行う必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 4571 |
| 企業名 | NANO MRNA |
| URL | https://www.nanocarrier.co.jp/ |
| 市場区分 | グロース市場 |
| 業種 | 医薬品 – 医薬品 |
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