1. 企業情報
企業名: 株式会社サイバーエージェント
設立: 1998年3月18日
本社所在地: 東京都渋谷区宇田川町40-1 Abema Towers
代表者: 藤田 晋
従業員数: 7,790人（平均年齢33.7歳、平均年収8,820千円）
事業内容:
– インターネット広告代理業を主軸に、スマートフォンゲーム、ネットテレビ局「AbemaTV」などのメディア事業、マッチングアプリ、音楽配信、オンライン投票サービス、プログラミング教育など多岐に展開。
– 連結事業構成比（2024.9予想）：インターネット広告52%、ゲーム24%、メディア20%、投資育成1%、その他3%。
2. 業界のポジションと市場シェア
- インターネット広告分野で国内大手。デジタル広告市場の成長を背景に高いシェアを維持。
- ゲーム事業はスマホ向けタイトルで一定の存在感。
- メディア事業（AbemaTV）は新規メディアとして国内で注目されるが、黒字化・収益化が課題。
- 競争優位性: 広告×ゲーム×メディアのシナジー、AI・データ活用力。
- 課題: 広告市場の競争激化、ゲームタイトルのヒット依存、メディア事業の収益化遅延。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン: 「21世紀を代表する会社を創る」
- 重点分野:
- インターネット広告分野でのAI活用による効率化・高付加価値化
- ゲーム事業のヒットタイトル創出
- AbemaTVを中心としたメディア事業の拡大と収益化
- 新規事業・投資育成による成長領域の開拓
- 中期経営計画: 広告・ゲーム・メディアの三本柱での成長と、AI・DX領域を含む新規事業の収益化
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:
- 広告事業はストック型収益、ゲームはヒット型収益、メディアは将来的な広告・サブスク収益を志向。
- 市場ニーズ対応:
- デジタル広告市場の拡大、スマホゲーム市場の変化、動画メディア消費の増加に対応。
- リスク:
- 広告市場の景気連動性、ゲーム事業の不安定性、メディア事業の先行投資負担。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発:
- AI活用による広告配信最適化、ゲーム開発、AbemaTVの配信技術など独自性あり。
- 主力製品・サービス:
- インターネット広告代理・運用サービス
- スマートフォンゲーム（例：ウマ娘 プリティーダービー等）
- AbemaTV、Tapple、AWA、WinTicket など
6. 株価の評価
- 株価: 1,517.5円（2025/6/10終値）
- EPS（会社予想）: 41.47円
- BPS（実績）: 321.64円
- PER（会社予想）: 36.59倍（業界平均17.0倍）
- PBR（実績）: 4.72倍（業界平均1.8倍）
評価:
– 株価は業界平均PER・PBRと比較して割高な水準。
– 成長期待や新規事業への投資を織り込んだ評価と考えられる。
7. テクニカル分析
- 年初来高値: 1,538円
- 年初来安値: 1,000円
- 直近株価: 1,517.5円（高値圏）
- 50日移動平均: 1,269.86円
- 200日移動平均: 1,129.47円
分析:
– 株価は年初来高値圏で推移。移動平均線からも上昇トレンドが継続。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 増収傾向（2021: 666,460百万円 → 2024: 802,996百万円）
- 営業利益: 変動あり（2021: 104,382百万円 → 2024: 41,844百万円）
- 純利益: 変動大（2021: 41,553百万円 → 2024: 16,246百万円）
- 営業利益率: 2021年以降低下傾向
- ROE: 10.77%（2024年）、ROA: 5.16%
- 自己資本比率: 30.1%（やや低め）
- キャッシュフロー: 営業CFは安定、フリーCFも黒字
- 財務健全性: 現金保有額多いが、自己資本比率は低め
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り: 1.12%（会社予想）
- 配当性向: 37.66%
- 配当実績: 1株配当17円（予想）、5年平均利回り1.08%
- 自社株買い: 直近で大きな実施なし
- 配当方針: 安定配当を基本
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価モメンタム: 直近3か月で大幅上昇（52週変動+61.29%）、高値圏に位置
- 出来高: 直近10日間も高水準
- 信用買残/売残: 買い残増加、信用倍率3.58倍
- 投資家層: インサイダー・機関投資家比率高い
- 影響要因: 広告・ゲーム事業の業績動向、AbemaTVの収益化進捗、AI活用・新規事業への期待
11. 総評
サイバーエージェントは、インターネット広告、ゲーム、メディアの三本柱で成長を目指す総合IT企業です。広告事業は安定成長、ゲーム事業はヒットタイトル次第、メディア事業は先行投資負担が大きいものの将来の成長が期待されています。
株価は業界平均と比べて高いバリュエーションですが、成長期待や新規事業への投資を織り込んだ水準となっています。直近の株価は高値圏で推移しており、投資家の関心も高い状況です。
財務面では売上成長が続く一方、利益率や自己資本比率の低下、過年度決算の訂正など課題も見られます。株主還元は安定配当を基本としています。
今後は、AbemaTVなど新規事業の収益化進展や、広告・ゲーム事業の安定成長が注目されます。
本レポートは公開情報に基づき作成しており、投資判断を目的としたものではありません。
企業情報
| 銘柄コード | 4751 |
| 企業名 | サイバーエージェント |
| URL | http://www.cyberagent.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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