1. 企業情報
- 会社概要
東邦アセチレン株式会社は、1948年設立、宮城県多賀城市に本社を置く産業ガスメーカーです。主力は工業用ガス(アセチレン、酸素、窒素、アルゴン、二酸化炭素、水素など)で、関連機器・器材や、LPガス、石油関連燃料、医療用ガス、食品添加物なども幅広く展開。溶接・切断用ガスや産業用・家庭用LPG、機器・設備も取り扱い、東北地方を中心に事業を展開しています。東ソー、日本酸素HD系の資本関係があります。
– 主な事業セグメント(2024年度 売上構成比/営業利益率)
– ガス関連(59%/10%)
– エスプーマ関連(5%/27%)
– 器具器材関連(30%/5%)
– 自動車機器関連(2%/-1%)
– 製氷機関連(3%/10%)
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内ポジション
国内産業ガス業界の中堅。東北エリアに強みを持ち、東ソー・日本酸素HD系の支援も受けています。大手と比較すると規模は小さいものの、地域密着型で安定した顧客基盤があります。
– 競争優位性と課題
東北地盤の強みや多様な製品ラインナップで安定感がありますが、原材料価格高騰や円安、物流費増など外部環境の変動リスク、また業界再編や大手との競争激化が課題です。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン・戦略
既存事業の競争力強化と成長分野への積極投資、人的資本経営の推進を掲げています。
– 中期経営計画(2026年3月期が最終年度)
– 売上高350億円
– 営業利益19億円
– 経常利益20億円
– 親会社株主に帰属する当期純利益12億円
既存事業の深化と新分野への展開を両立させる方針です。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
産業ガスの安定供給を基盤とし、機器・器材、医療・食品分野にも事業を拡大。インフラ的な側面が強く、景気変動の影響を受けにくい特徴があります。
– 市場ニーズへの適応力
医療・環境・エネルギー分野など新たな市場ニーズへの対応も進めており、持続的な収益確保が期待されます。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発・独自性
冷凍バリ取り装置、低温反応制御システム、バイオガス関連機器など独自技術も有し、産業用・医療用ガスの高純度化や安全性向上に注力。
– 主力製品・サービス
工業用ガス(アセチレン等)、医療用ガス、LPガス供給、関連機器・器材が主力。近年はエコエネルギー関連(太陽光発電、燃料電池等)にも注力。
6. 株価の評価
- PER(予想): 10.37倍(業界平均20.4倍)
- PBR(実績): 0.68倍(業界平均1.1倍)
- EPS(予想): 34.51円
- BPS(実績): 526.33円
- 現在株価: 358.0円
バリュエーション比較
- 業界平均と比べてPER・PBRともに割安水準。BPSと比較しても株価は純資産の約68%にとどまります。
7. テクニカル分析
- 株価推移
- 年初来高値: 395円
- 年初来安値: 325円
- 直近株価: 358円
- 50日移動平均: 353.36円
- 200日移動平均: 356.05円
現状評価
- 株価は移動平均線付近で推移し、年初来高値からはやや下落した水準。直近は350~360円のレンジで推移し、安値圏ではないものの高値圏でもありません。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益推移(過去5年)
- 売上高: 29,826百万円(2021年)→34,804百万円(2025年)
- 営業利益: 1,189百万円(2021年)→1,914百万円(2025年)
- 純利益: 738百万円(2021年)→1,287百万円(2025年)
- 利益率
- 営業利益率: 5.5%(2025年)、6.0%(2024年)
- ROE: 7.19%(2025年)
- ROA: 3.56%(2025年)
- キャッシュフロー
- 営業CF: 2,231百万円(2025年)
- 投資CF: -993百万円(2025年)
- 財務CF: -730百万円(2025年)
- 自己資本比率: 54.4%(2025年)
- 財務の健全性
- 有利子負債比率は低く、自己資本比率も高水準で財務は安定。
- 成長性
- 売上・利益ともに中長期で増加傾向だが、2024~2025年はやや減収減益。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り(予想): 3.91%
- 1株配当(予想): 14.00円
- 配当性向: 30.89%
- 自社株買い: 自己株式保有あり(0.57%)
配当方針
- 安定配当を継続。2024年1月に5:1の株式分割を実施。配当性向も無理のない水準。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近の株価変動傾向
350~360円のレンジで推移し、出来高はやや減少傾向。信用買い残が多く、信用倍率は高い(4,378倍)。
– 投資家関心
– インサイダー保有率が高く(58.05%)、機関投資家の保有は少ない。
– ベータ値(0.49)から市場全体の変動に対して株価の変動は小さい傾向。
– 株価への影響要因
– 原材料価格や為替動向、設備投資、業績見通し、配当政策などが主な影響要因。
11. 総評
東邦アセチレンは、東北地盤の産業ガス中堅として安定した収益基盤と高い財務健全性を有しています。近年は売上・利益ともに堅調な推移を見せていましたが、2025年3月期は減収減益となりました。これはガス関連事業の大規模修理やコスト上昇の影響が主因です。
株価指標は業界平均と比較して割安水準にあり、配当利回りも相対的に高めです。中期経営計画では既存事業の強化と新分野への展開を掲げており、今後の成長余地も一定程度見込まれます。
一方で、原材料価格や為替動向など外部環境リスクには注意が必要です。財務面では自己資本比率が高く、安定した配当政策も特徴です。全体として、安定性と成長性のバランスが取れた企業といえます。
企業情報
銘柄コード | 4093 |
企業名 | 東邦アセチレン |
URL | http://www.toho-ace.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 素材・化学 – 化学 |
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