1. 企業情報
住友ゴム工業は、タイヤ、スポーツ用品、産業用ゴム製品などを製造・販売する企業です。主力製品であるタイヤは、乗用車、トラック、バス、二輪車など幅広い車種向けに展開しており、国内シェア2位を誇ります。 「DUNLOP」と「FALKEN」のブランドで知られ、ゴルフ用品やテニス用品などのスポーツ用品、スポーツ施設運営も手掛けています。
2. 業界のポジションと市場シェア
住友ゴム工業は、国内タイヤ市場で2位のシェアを占めています。 業界内では、グローバル競争が激化しており、原材料価格の変動や、自動車業界の動向に業績が左右されやすいという課題があります。
3. 経営戦略と重点分野
2025年をターニングポイントとし、2035年に向けた長期経営戦略を発表しています。
2025年12月期の業績予想では、売上収益1兆2200億円（0.7%増）、事業利益950億円（8.0%増）を見込んでいます。
重点分野としては、タイヤ事業の強化、スポーツ事業の成長、産業品他事業の拡大が挙げられます。
4. 事業モデルの持続可能性
タイヤ事業は、自動車需要に大きく依存するため、市場ニーズの変化への対応が重要です。電気自動車（EV）の普及に伴うタイヤ需要の変化や、自動運転技術の進化に対応した製品開発が求められます。スポーツ事業は、健康志向の高まりを背景に、安定した需要が見込めます。
5. 技術革新と主力製品
技術革新においては、タイヤの低燃費性能、安全性、耐久性の向上を目指した研究開発が行われています。EV向けタイヤの開発も進められています。 主力製品は、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤであり、これらの製品が収益を牽引しています。
6. 株価の評価
- PER（会社予想）: 9.86倍（業界平均：10.3）
- PBR（実績）: 0.70倍（業界平均：0.9）
- EPS（会社予想）: 171.08円
- BPS（実績）: 2,399.73円
PERは業界平均を下回っており、割安感があります。PBRも1倍を割れており、割安と判断できます。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、下落傾向にあります。50日移動平均線（1727.45円）と200日移動平均線（1709.67円）を下回っており、弱気トレンドを示唆しています。年初来高値（1990円）からは大きく下落しており、現在は安値圏にあると判断できます。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去12ヶ月で1兆2118億円。
- 営業利益: 過去12ヶ月で111.86億円。2023年と比較して減少しています。
- 当期純利益: 過去12ヶ月で98.65億円。2023年と比較して減少しています。
- ROE（実績）: 1.54%
- ROA（過去12ヶ月）: 3.65%
- 自己資本比率（実績）: 48.9%
売上高は増加傾向にありますが、利益は減少傾向にあります。ROE、ROAは低く、収益性の改善が課題です。自己資本比率は高く、財務基盤は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 4.15%
- 1株配当（会社予想）: 70.00円
- 配当性向: 154.63%
- Ex-Dividend Date: 2025年6月27日
高い配当利回りは魅力的ですが、配当性向が高く、今後の業績によっては減配のリスクもあります。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は下落傾向にあり、モメンタムは弱いです。信用買残は増加、信用売残も増加しており、今後の株価の変動に注意が必要です。
11. 総評
住友ゴム工業は、国内タイヤ市場で高いシェアを持つ企業です。しかし、直近の業績は、原材料価格の高騰や市況の停滞により、減益となっています。株価は割安感がありますが、テクニカル面では弱気トレンドを示唆しています。配当利回りは魅力的ですが、業績の回復と持続的な成長が今後の株価上昇の鍵となります。
企業情報
| 銘柄コード | 5110 |
| 企業名 | 住友ゴム工業 |
| URL | http://www.srigroup.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 自動車・輸送機 – ゴム製品 |
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