1. 企業情報
天龍製鋸は、1909年創業の老舗の機械鋸メーカーです。「パス印」ブランドで知られ、木工用丸鋸で国内首位を誇ります。金属用チップソーなど、幅広い切削工具も製造・販売しており、海外展開も積極的に行っています。配当性向5割超と株主還元にも積極的です。
2. 業界のポジションと市場シェア
木工用丸鋸で国内首位という強固な地位を確立しています。金属用チップソーの分野でも拡大を図っており、幅広い製品ラインナップと長年の実績が競争優位性となっています。
課題としては、景気変動の影響を受けやすいこと、原材料価格の高騰、海外競合との競争などが挙げられます。
3. 経営戦略と重点分野
2024年度から2026年度までの中期経営計画を策定し、「環境負荷の低減に寄与する新製品の開発」、「既存技術の向上」を重点戦略としています。
具体的には、環境配慮型製品や高付加価値製品の拡販、脱炭素生産の確立、人的資本経営・ウェルビーイング経営の実現を目指しています。
4. 事業モデルの持続可能性
木工用丸鋸というニッチ市場での高いシェアと、金属用チップソーの成長戦略により、収益基盤の安定化を図っています。市場ニーズの変化への対応として、環境配慮型製品の開発や、高付加価値製品の拡販を進めています。
5. 技術革新と主力製品
木工用丸鋸、金属用チップソーなど、多様な切削工具を製造しており、長年の技術蓄積と品質の高さが強みです。
主力製品である木工用丸鋸は、安定した収益を支えています。
環境負荷低減に貢献する製品開発にも注力しており、今後の成長ドライバーとなる可能性があります。
6. 株価の評価
- 株価: 1,904円 (2025年6月11日終値)
- PER（会社予想）: 12.18倍 (業界平均:11.3)
- PBR（実績）: 0.47倍 (業界平均:0.5)
- EPS（会社予想）: 156.31円
- BPS（実績）: 4,047.29円
PERは業界平均をやや上回っていますが、PBRは業界平均を下回っており、割安感があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は1850円～1906円で推移しており、50日移動平均線（1838.54円）と200日移動平均線（1827.56円）を上回っています。
年初来高値（1950円）に近づいており、高値圏での推移となっています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2024年3月期は131億3100万円（前年同期比10.0%増）
- 営業利益: 2024年3月期は18億2600万円（前年同期比47.1%増）
- 経常利益: 2024年3月期は20億9900万円（前年同期比20.8%増）
- 当期純利益: 2024年3月期は15億600万円（前年同期比22.8%増）
- ROE（実績）: 4.24%
- 自己資本比率（実績）: 91.9%
売上高、利益ともに増加しており、好調な業績を示しています。自己資本比率も高く、財務体質は良好です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 4.15%
- 1株配当（会社予想）: 79.00円
- 配当性向5割超と、株主還元に積極的な姿勢を示しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は上昇傾向にあり、好調な業績を反映していると考えられます。
信用買残は増加傾向にあり、投資家の関心も高まっている可能性があります。
11. 総評
天龍製鋸は、木工用丸鋸で国内首位という強固な基盤を持ち、業績も好調に推移しています。株価は割安感があり、高い配当利回りも魅力的です。
中期経営計画に基づき、環境配慮型製品の開発や高付加価値製品の拡販を進めており、今後の成長にも期待できます。
ただし、景気変動や原材料価格の影響、海外競合との競争など、いくつかのリスク要因も存在します。
総合的に見て、長期的な視点での投資を検討する価値があると考えられます。
企業情報
| 銘柄コード | 5945 |
| 企業名 | 天龍製鋸 |
| URL | http://www.tenryu-saw.com/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 金属製品 |
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