1. 企業情報
- 企業名: 株式会社CARTA HOLDINGS
- 設立: 1999年10月8日
- 所在地: 東京都港区虎ノ門2-6-1 虎ノ門ヒルズステーションタワー
- 代表者: 宇佐美 進典
- 従業員数: 1,242人（平均年齢41.8歳、平均年収1,300万円）
- 事業内容:
- デジタルマーケティング事業（広告会社・クライアント等のデジタル広告支援、メディアDX支援）
- インターネット関連サービス（メディア・コンテンツ提供、EC・人材領域サービス運営）
- 特徴:
- 電通グループ傘下（CCIと統合）、広告配信プラットフォームや販促支援サイトの運営
- メディアプランニングや広告配信システムが主力
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内ポジション:
- インターネット広告市場で国内有力企業の一角。電通グループ傘下の強みを活かし、広告主・媒体社双方に幅広いソリューションを提供。
- 競争優位性:
- 電通グループとの連携による大規模案件対応力、データ活用・DX支援のノウハウ
- 課題:
- 広告市場の競争激化（IT大手・新興勢力の台頭）、プラットフォーム依存度の高さ、広告主のROI志向強化
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン:
- 「新中期経営方針」（2023年2月発表）に基づき、デジタル領域の拡大と事業ポートフォリオの多様化を推進
- 重点施策:
- 直販領域（クライアント直取引）の強化
- 電通グループとの協業による大型案件獲得
- D2C（Direct to Consumer）事業の拡大
- メディア・プラットフォーム領域での新規事業創出
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:
- デジタル広告取扱高に応じた手数料収入、メディア運営・EC・人材サービス等の多角的収益源
- 市場ニーズ適応力:
- インターネット広告市場の成長継続、D2CやDX支援など新規領域への参入で変化に対応
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発動向:
- 広告配信システムの高度化、データドリブンマーケティング、AI活用による広告最適化
- 主力サービス:
- 広告配信プラットフォーム、メディアDX支援サービス、D2C関連サービス
- 独自性:
- 電通グループのネットワークと自社開発システムの融合
6. 株価の評価
- 株価: 1,560円（2025/6/12終値）
- EPS（会社予想）: 71.14円
- BPS（実績）: 948.06円
- PER（会社予想）: 21.86倍（業界平均23.2倍）
- PBR（実績）: 1.64倍（業界平均2.3倍）
- 評価:
- 業界平均と比較してPERはやや割安、PBRも平均を下回る水準。
7. テクニカル分析
- 株価推移:
- 年初来高値: 1,695円、年初来安値: 1,284円
- 直近株価は1,560円、50日移動平均1,512.92円、200日移動平均1,448.02円
- 直近10日間は1,540～1,580円台で推移し、ややもみ合い傾向
- 位置づけ:
- 高値圏と安値圏の中間付近。移動平均線よりやや上に位置。
8. 財務諸表分析
- 売上高:
- 2024年12月期予想: 25,000百万円（前期比+3.0%）
- 過去3年は横ばい～微減傾向だったが、直近は増加基調
- 営業利益:
- 2024年12月期予想: 2,400百万円（前期比+12.2%）
- 2023年に一時的な減益があったが、回復傾向
- 純利益:
- 2024年12月期予想: 1,800百万円（前期比+6.6%）
- 2023年に特別損失で赤字転落したが、2024年以降は黒字回復
- ROE: 7.08%（実績）、ROA: 2.82%
- 自己資本比率: 50.0%（財務健全性は高い水準）
- キャッシュフロー: 現金同等物は十分（現金16,560百万円、現金比率も高い）
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り: 3.73%（会社予想、業界平均を上回る）
- 1株配当: 58円（年間予想）
- 配当性向: 83.8%（利益の多くを配当に回す方針）
- 自社株買い: 特記事項なし
- 株主構成: 電通グループが過半数を保有、経営陣・社員持株会も一定割合
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価モメンタム:
- 直近10日間は1,540～1,580円台で安定推移、出来高も安定
- 信用倍率は0.16倍と売り長。信用売残が多く、株価上昇時の踏み上げリスクも存在
- 投資家関心:
- インサイダー保有比率が高く、機関投資家比率は低め
- 配当利回りの高さ、財務健全性から安定志向の投資家に注目されやすい
11. 総評
CARTA HOLDINGSは、電通グループ傘下のデジタル広告・インターネットサービス企業として、業界内で安定したポジションを維持しています。直近は売上・利益ともに回復基調で、財務の健全性や高い配当利回りも特徴です。市場環境の変化や競争激化への対応として、直販領域やD2C事業の強化、電通グループとの連携を進めている点が注目されます。株価は業界平均と比較して割安感があり、安定的な株主還元も魅力となっています。今後は新規事業の成長や収益性の更なる向上が課題となります。
企業情報
| 銘柄コード | 3688 |
| 企業名 | CARTA HOLDINGS |
| URL | https://cartaholdings.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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