1. 企業情報
株式会社トーヨーアサノは、静岡県沼津市に本社を置く、コンクリート二次製品メーカーです。 主力製品は中低層ビル向けの高支持力パイルで、建設業界向けに製造・販売を行っています。 基礎事業と不動産賃貸事業を展開しており、2023年にはセグメント子会社の譲渡を実施しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
トーヨーアサノは、コンクリートパイル市場において中堅企業として位置づけられています。 建設業界の需要に左右されやすく、特に主力商圏である関東地区の需要動向が業績に大きく影響します。 競合他社との差別化として、高支持力パイルの技術力や、不動産賃貸事業による安定収益の確保が重要となります。
3. 経営戦略と重点分野
2025年2月期の決算短信によると、経営陣はコンクリートパイル部門の需要低迷に対応するため、コスト削減や効率化を進めるとともに、不動産賃貸事業の安定性を活かしていく方針と考えられます。 今後の見通しとしては、売上高の増加を目指し、2026年2月期には152億円の売上高を予想しています。
4. 事業モデルの持続可能性
トーヨーアサノの収益モデルは、建設需要に大きく依存するため、景気変動の影響を受けやすいというリスクがあります。 しかし、不動産賃貸事業による安定的な収益基盤を持つことで、リスクを分散しています。 今後は、高支持力パイルの技術革新や、新たな顧客開拓など、市場ニーズの変化への対応が重要となります。
5. 技術革新と主力製品
トーヨーアサノの主力製品は、中低層ビル向けの高支持力パイルです。 技術的な優位性を維持し、顧客からの信頼を得ることが重要です。 また、新たな製品開発や、省エネ・環境配慮型の製品へのシフトも、今後の成長を左右する可能性があります。
6. 株価の評価
- 株価: 2,248.0円 (2025年6月13日終値)
- PER (会社予想): 9.39倍 (業界平均: 7.3)
- PBR (実績): 0.69倍 (業界平均: 0.7)
- EPS (会社予想): 239.31円
- BPS (実績): 3,240.40円
PERは業界平均を上回っていますが、PBRは業界平均と同程度です。 EPSとBPSを考慮すると、割安感があるとは言い切れません。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2,235円から2,334円の間を変動しており、2,248円で取引を終えています。 年初来高値2,475円、年初来安値1,812円と比較すると、現在は高値圏からやや下落した水準に位置しています。 50日移動平均線2,130.14円、200日移動平均線2,141.57円を上回っており、中期的なトレンドは上昇傾向にあると見られます。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2025年2月期は144億円で、前年同期比4.4%減。
- 営業利益: 2025年2月期は6.06億円で、前年同期比34.3%減。
- 当期純利益: 2025年2月期は3.63億円で、前年同期比39.8%減。
- ROE (実績): 8.93%
- 自己資本比率 (実績): 26.0%
2025年2月期は、売上高、利益ともに減少しており、厳しい状況です。 基礎事業の不振が主な要因と考えられます。 ROEは8.93%と、まずまずの水準ですが、今後の業績回復が重要です。 自己資本比率は26.0%と、財務体質は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り (会社予想): 3.78%
- 1株配当 (会社予想): 85.00円
- 配当性向: 30.30%
- Ex-Dividend Date: 2025年8月28日
配当利回りは3.78%と、ある程度の水準です。 今後の業績動向によっては、配当額が変動する可能性もあります。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、5月下旬から6月上旬にかけて上昇しましたが、その後はやや下落傾向にあります。 出来高は少なく、投資家の関心はそれほど高くないと考えられます。 信用倍率は0.00倍と、売り残がありません。
11. 総評
トーヨーアサノは、コンクリートパイルを主力とする中堅企業です。 2025年2月期は業績が低迷しましたが、不動産賃貸事業による安定的な収益基盤があります。 株価は、PERが業界平均を上回っているものの、PBRは同程度であり、割安感は限定的です。 今後の株価は、建設需要の回復、高支持力パイルの技術革新、コスト削減などの取り組み、そして2026年2月期の業績予想達成にかかっています。 投資判断にあたっては、今後の業績動向を注視し、リスクを十分に考慮する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 5271 |
| 企業名 | トーヨーアサノ |
| URL | http://www.toyoasano.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 建設・資材 – ガラス・土石製品 |
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