1. 企業情報
ノーリツ鋼機は、多角化経営を経て、現在はペン先などの金属部材製造と、DJ機器を含む音響機器関連事業を主力とする企業です。JLabブランドでヘッドホンやオーディオ製品も展開しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内でのポジション: 精密機器業界に属し、音響機器関連事業で一定の存在感を示しています。
- 競争優位性: DJ機器などニッチ市場での製品展開が強みと考えられます。
- 課題: 部品・材料事業は、中国や国内の需要停滞の影響を受けており、業績への影響が懸念されます。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン: 詳細なビジョンは不明ですが、多角化から事業集約を進めていることから、音響機器関連事業への注力と、部品・材料事業の立て直しを図っていると考えられます。
- 中期経営計画: 2025年7月1日に株式分割を実施予定。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 音響機器関連事業におけるJLabブランドの成長と、部品・材料事業の需要回復が重要です。
- 市場ニーズへの適応力: DJ機器など、ニッチ市場への対応力はありますが、市場ニーズの変化への対応が課題となります。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発: ペン先などの金属部材製造技術や、音響機器関連製品の開発が中心です。
- 主力製品: DJ機器、JLabブランドのヘッドホンやオーディオ製品が収益を牽引しています。
6. 株価の評価
- PER（会社予想）: 14.66倍 (業界平均21.1)
- PBR（実績）: 0.74倍 (業界平均1.8)
- EPS（会社予想）: 300.14円
- BPS（実績）: 5,979.27円
PER、PBRともに業界平均を下回っており、割安感があります。
7. テクニカル分析
- 株価推移: 直近10日間の株価は、4,400円近辺で推移しています。
- 50日移動平均線: 4,383.60円
- 200日移動平均線: 4,498.77円
- 年初来高値: 5,210円
- 年初来安値: 3,620円
50日移動平均線を上回っており、底堅い動きと言えます。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去12ヶ月で106,539百万円と、堅調に推移しています。
- 営業利益: 過去12ヶ月で20,507百万円と、高い水準を維持しています。
- ROE（実績）: 7.54%
- 自己資本比率（実績）: 74.2%と、財務体質は良好です。
損益計算書（年度別比較）
売上高は増加傾向にあり、2024年12月期には過去最高を記録しています。営業利益も高い水準を維持しており、収益性は良好です。
直近四半期決算
- 売上収益: 27,200百万円 (前年同期比1.0%増)
- 営業利益: 4,315百万円 (前年同期比43.4%減)
- 純利益: 2,816百万円 (前年同期比46.3%減)
直近四半期では、売上高は増加したものの、営業利益、純利益は減少しており、今後の動向に注意が必要です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 5.02%
- 1株配当（会社予想）: 221.00円
- 配当性向: 46.64%
- 自社株買い: 2025年2月14日に自己株式の取得及び消却を決議しています。
高い配当利回りは魅力的です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価の変動: 直近10日間の株価は、4,400円近辺で推移しており、方向感は定まっていません。
- 信用取引: 信用買残は増加傾向にあり、個人投資家の関心は高いと考えられます。
11. 総評
ノーリツ鋼機は、高い配当利回りと割安な株価が魅力的な銘柄です。音響機器関連事業の成長と、部品・材料事業の立て直しが今後の業績を左右するでしょう。直近の四半期決算では減益となっているため、今後の業績推移に注意が必要です。テクニカル面では、50日移動平均線を上回っており、底堅い動きを見せています。投資判断にあたっては、事業の成長性、財務状況、株価の割安性などを総合的に考慮する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 7744 |
| 企業名 | ノーリツ鋼機 |
| URL | http://www.noritsu.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 電機・精密 – 精密機器 |
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