1. 企業情報
日本精蝋は、石油系ワックスの製造・販売を主軸とする企業です。国内シェアトップであり、キャンドル、タイヤ、包装材料など幅広い用途向けに製品を提供しています。また、重油の販売も行っています。伊藤忠商事との資本業務提携も特徴です。
2. 業界のポジションと市場シェア
日本精蝋は、石油系ワックス分野で国内首位の地位を確立しており、競争優位性を持っています。しかし、ワックス市場は、代替品の出現や、原料価格の変動、需要の変動など、様々な外部要因の影響を受けやすいという課題があります。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、中期経営計画（2023-2027）において、高付加価値品の販売、脱重油、財務体質の改善（在庫削減）を重点分野としています。
4. 事業モデルの持続可能性
日本精蝋の収益モデルは、ワックス製品の需要に大きく依存しています。市場ニーズの変化に対応するため、高付加価値製品の開発や、脱重油など、事業ポートフォリオの多様化を図っています。
5. 技術革新と主力製品
日本精蝋は、様々な用途に対応するワックス製品を提供しています。具体的な技術革新に関する情報は、現時点では詳細に開示されていません。主力製品は、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなど多岐にわたります。
6. 株価の評価
- PER（会社予想）: 4.95倍
- PBR（実績）: 0.68倍
- EPS（会社予想）: 40.00円
- BPS（実績）: 291.40円
PERは業界平均12.1と比較して低く、割安感があります。PBRも業界平均0.7を下回っています。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は184円から204円の間を変動しており、200円近辺で推移しています。年初来高値は276円、年初来安値は142円です。50日移動平均線は181.60円、200日移動平均線は238.18円です。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去12ヶ月で220.45億円。2024年12月期は217.04億円、2023年12月期は384.57億円。
- 営業利益: 過去12ヶ月で22.46億円。2023年12月期は-5.53億円、2022年12月期は-20.43億円。
- 当期純利益: 過去12ヶ月で17.76億円。2023年12月期は-12.21億円、2022年12月期は-23.68億円。
- ROE（実績）: 37.56%
- ROA（過去12か月）: 4.48%
- 自己資本比率（実績）: 19.1%
2023年12月期、2022年12月期は赤字でしたが、過去12ヶ月では黒字に転換しています。ROEは高い水準ですが、自己資本比率は低い点に注意が必要です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 0.00%
- 1株配当（会社予想）: 0.00円
- 配当性向: 0.00%
現時点では無配です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、180円台から200円台で推移しており、方向感は定まっていません。出来高は、直近10日平均で76,390株と、それほど多くありません。信用買い残は多く、信用倍率は0.00倍と低い水準です。
11. 総評
日本精蝋は、石油系ワックス分野で国内首位の地位を確立しており、高いROEを誇っています。しかし、足元の業績は、売上高、利益ともに減少傾向にあり、今後の市場動向や、高付加価値製品の開発、脱重油といった経営戦略の進捗が重要となります。株価は割安感があるものの、配当がないこと、自己資本比率が低いこと、直近の業績悪化などを考慮すると、今後の動向を注視する必要があると考えられます。
企業情報
| 銘柄コード | 5010 |
| 企業名 | 日本精蝋 |
| URL | http://www.seiro.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | エネルギー資源 – 石油・石炭製品 |
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