1. 企業情報
- 概要
日本駐車場開発株式会社（NIPPON PARKING DEVELOPMENT Co.,Ltd.）は、駐車場のサブリース・運営受託を主軸に、スキー場・テーマパークの運営、商業施設の管理、健康関連施設の運営、再生可能エネルギー事業など多角的に事業を展開しています。国内外に事業基盤を持ち、コンサルティングや新規事業開発にも積極的です。1991年設立、大阪市に本社を構えています。
– 主な事業内容（2024年7月期 連結事業構成比）
– 駐車場事業：53%（営業利益率25%）
– スキー場事業：25%（営業利益率19%）
– テーマパーク事業：20%（営業利益率17%）
– その他：2%（営業利益率26%）
2. 業界のポジションと市場シェア
- 競争優位性
- 駐車場サブリースや運営受託に強みを持ち、商業施設や都市部での運営実績が豊富です。
- スキー場・テーマパーク事業も傘下企業を通じて展開し、レジャー・観光需要の回復を背景に成長。
- 近年はインバウンド需要の回復や都市回帰の流れを捉えた事業拡大が見られます。
- 課題
- 都市部の駐車場市場は競争が激化しており、価格競争や新規参入リスクが存在。
- スキー場・テーマパークは季節要因や天候、消費動向の影響を受けやすい。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営陣のビジョン
- 「社会課題の解決と持続的成長」を掲げ、駐車場・レジャー・健康・エネルギーなど多様な領域で社会インフラの提供を目指しています。
- 中期経営計画の重点施策
- 駐車場事業：検索サイトの品質向上、バレーサービスやエントランスドアサービスの拡大、組織体制の強化。
- スキー場事業：地域特性を活かした商品開発、インバウンド集客、子供向けプログラムの継続。
- テーマパーク事業：イベントやコラボ企画の展開、宿泊事業の強化。
- 新規分野：再生可能エネルギー事業（スマートグリーンエネルギー設立）、健康・医療関連サービスの拡充。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 駐車場のサブリース・運営受託による安定収益。
- スキー場・テーマパークの季節収益＋インバウンド需要の取り込み。
- 新規事業（再生エネ・健康関連）の成長余地。
- 市場ニーズへの適応
- 都市部の駐車場需要やレジャー需要の回復、脱炭素社会への対応など、社会変化に合わせた事業展開を実施。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の動向・独自性
- 駐車場検索サイトやIoT活用による運営効率化。
- バレーサービスや非接触決済など新サービスの導入。
- 再生可能エネルギーや健康管理サービスなど、新領域への進出。
- 収益を牽引する主力サービス
- 駐車場サブリース・運営受託
- スキー場・テーマパーク運営
- 新規の再エネ・健康関連サービス
6. 株価の評価
- 主要指標（2025年6月14日時点）
- 株価：251円
- 直近12か月EPS（希薄化後）：16.87円
- 直近BPS：57.07円
- PER：約14.88倍（251円÷16.87円）
- PBR：約4.40倍（251円÷57.07円）
- 業界平均PER：13.6倍、PBR：1.6倍
- 評価
- PERは業界平均をやや上回り、PBRは業界平均を大きく上回る水準。
- 成長期待や安定収益モデルが織り込まれている可能性。
7. テクニカル分析
- 株価推移
- 直近高値：259円（52週高値と同値）
- 直近安値：172円（52週安値）
- 50日移動平均：237.64円
- 200日移動平均：224.55円
- 現在値は直近高値圏で推移しており、上昇トレンドが継続。
- 出来高も増加傾向。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益
- 売上高：32,693百万円（2024年7月期）、前年同期比増加傾向
- 営業利益：6,461百万円、純利益：5,104百万円
- 営業利益率：約19.8%、純利益率：約15.6%
- 過去数年で売上・利益ともに安定成長
- キャッシュフロー・財務安全性
- 現金等：18,330百万円
- 総資産：46,114百万円、自己資本比率38.9%
- 有利子負債：16,490百万円、D/Eレシオ：75.93%
- 流動比率：2.60（健全水準）
- 収益性指標
- ROE：31.8%（高水準）
- ROA：11.18%
- 営業キャッシュフロー・フリーキャッシュフローは非開示
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績・予想
- 年間配当予想：8円（2025年7月期）
- 配当利回り：3.19%（8円÷251円）、Forward Yield：6.37%（16円ベース）
- 配当性向：約32.6%
- 過去5年平均配当利回り：3.0%
- 自社株買い：自己株式保有比率8.36%、株主還元策として機動的に実施
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価モメンタム
- 直近10日間で上昇基調、特に6月上旬から出来高増加とともに高値圏を更新。
- 信用買残増加、信用倍率4.67倍と個人投資家の関心も高い。
- 52週高値更新で、モメンタムは強い。
- 影響要因
- インバウンド需要回復やレジャー需要増加、再生可能エネルギー事業への期待。
- 配当利回りや株主還元策も株価を下支え。
11. 総評
- 日本駐車場開発は、駐車場サブリースを軸にスキー場・テーマパーク・再生エネ・健康関連など多角化を進め、安定した収益基盤と高い成長性を有しています。
- 財務体質は健全で、ROEや利益率も高水準。配当利回りや自社株買いなど株主還元にも積極的です。
- 株価は直近高値圏で推移し、モメンタムも強い状況です。
- 今後はインバウンド需要や新規事業の成長、社会課題への対応力が持続的成長のポイントとなります。
企業情報
| 銘柄コード | 2353 |
| 企業名 | 日本駐車場開発 |
| URL | http://www.n-p-d.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 不動産 – 不動産業 |
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