1. 企業情報
日本食品化工は、三菱商事の子会社であり、コーンスターチを主力とする食品加工会社です。コーンスターチ、タピオカ澱粉、糖化製品などを製造・販売しており、特にコーンスターチ分野では国内トップシェアを誇ります。事業は澱粉、糖化品、ファインケミカル、副産物に分かれています。
2. 業界のポジションと市場シェア
日本食品化工は、コーンスターチ分野で高い競争力を持っています。主力のコーンスターチは、食品、工業用、製紙会社向けなど幅広い用途があり、安定した需要が見込めます。しかし、糖化製品は飲料向けが中心であり、気象条件や競合他社の動向に業績が左右される可能性があります。
3. 経営戦略と重点分野
日本食品化工は、中期経営計画「中経2027」を発表し、事業戦略と財務・資本戦略を両輪として事業成長を目指しています。連結経常利益20億円(±3億円)、連結ROE5~6%を目標としています。
4. 事業モデルの持続可能性
日本食品化工の収益モデルは、コーンスターチなどの澱粉製品と糖化製品の販売に依存しています。食品業界の安定した需要に加え、工業用や製紙会社向けなど、多角的な用途があるため、事業の持続可能性は高いと考えられます。しかし、糖化製品は、原料価格や競合との競争、気象条件など外部環境の影響を受けやすい点が課題です。
5. 技術革新と主力製品
日本食品化工は、コーンスターチを主力製品とし、糖化製品、ファインケミカル製品も手掛けています。技術革新については、詳細な情報が不足していますが、澱粉や糖化技術を基盤とした製品開発が重要になると考えられます。
6. 株価の評価
- 株価: 3,240円
- EPS(会社予想): 284.65円
- PER(会社予想): 11.38倍(業界平均:16.8倍)
- BPS(実績): 5,779.32円
- PBR(実績): 0.56倍(業界平均:1.2倍)
- 配当利回り(会社予想): 4.48%
現在の株価は、予想EPS、実績BPSから見て割安な水準にあります。PER、PBRともに業界平均を下回っており、割安感があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、3,220円から3,760円の間を変動しており、200日移動平均線(2732.72円)を上回っています。2025年6月3日には一時3,735円まで上昇しましたが、その後は下落傾向にあります。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去12ヶ月で666.76億円と、前期(646.12億円)から増加しています。
- 営業利益: 過去12ヶ月で12億円と、前期(3.54億円)から減少しています。
- 当期純利益: 過去12ヶ月で15.27億円と、前期(26.05億円)から減少しています。
- ROE(実績): 5.37%
- 自己資本比率(実績): 56.7%
売上高は増加傾向にあるものの、利益は減少傾向にあります。ROEは5%台と、まずまずの水準です。自己資本比率は高く、財務体質は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り(会社予想): 4.48%
- 1株配当(会社予想): 145.00円
- 配当性向: 58.06%
高い配当利回りは魅力的です。配当性向も58.06%と、株主還元に積極的な姿勢を示しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は下落傾向にあり、モメンタムは弱まっています。信用買残は減少傾向にあり、信用倍率は0.00倍と、売り残がありません。
11. 総評
日本食品化工は、コーンスターチ分野で高い競争力を持つ安定企業です。財務体質も良好で、高い配当利回りも魅力的です。株価は割安な水準にあり、中長期的な投資対象として検討する価値があります。ただし、直近の業績は減益傾向であり、糖化製品の販売動向や原料価格の変動など、注視すべきリスク要因もあります。中期経営計画の達成状況にも注目し、今後の業績推移を見守る必要があります。
企業情報
銘柄コード | 2892 |
企業名 | 日本食品化工 |
URL | http://www.nisshoku.co.jp/ |
市場区分 | スタンダード市場 |
業種 | 食品 – 食料品 |
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