1. 企業情報
株式会社イーエムシステムズ（4820）は、調剤薬局向けITシステムで国内トップシェアを誇る企業です。主な事業は、調剤薬局向けのレセコン（医療費の計算システム）や電子薬歴システムの開発・販売・メンテナンスです。近年では、医科向けシステムや介護・福祉分野にも事業を拡大しています。
* 事業内容: 調剤薬局向けシステム、医科向けシステム、介護・福祉システム等の開発・販売・保守
* 特徴: 国内調剤薬局向けシステムで高いシェアを誇り、医療DX関連の需要を取り込む
* 本社: 大阪府
2. 業界のポジションと市場シェア
イーエムシステムズは、調剤薬局向けITシステム市場において、国内トップシェアを維持しています。この高いシェアは、長年の実績と顧客からの信頼、そして充実したサポート体制によって支えられています。
* 競争優位性: 圧倒的なシェア、調剤薬局向けシステムにおける豊富なノウハウ、医療DXへの対応
* 課題: 医科・介護分野でのシェア拡大、競合他社との差別化
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、中期経営計画（FY2025~FY2027）に基づき、以下の分野に注力しています。
* 重点分野:
* 調剤システム事業の強化（電子処方箋対応、オンライン資格確認システム関連オプションソフトの導入促進）
* 医科システム事業の拡大（「MAPs for CLINIC」の販売強化）
* 介護・福祉システム事業の推進（「MAPs for NURSING CARE」へのリプレイス）
* インサイドセールス強化による案件創出の効率化
* マーケティングミックスの改善（Webサイトリニューアル、MAツール活用、デジタルコンテンツ強化）
* ビジョン: 医療DXを推進し、医療現場の効率化に貢献
4. 事業モデルの持続可能性
イーエムシステムズの事業モデルは、調剤薬局のIT化という構造的なニーズを背景としており、安定した収益基盤を築いています。また、医療DXの推進という追い風を受け、電子処方箋やオンライン資格確認システムへの対応など、市場ニーズの変化に柔軟に対応しています。
* 収益モデル: システム販売、保守・メンテナンス、関連サービスの提供
* 持続可能性: 医療IT化の進展、医療DXへの対応、ストック型ビジネスによる安定収益
5. 技術革新と主力製品
イーエムシステムズは、調剤薬局向けシステムを中心に、医療IT分野における技術開発を進めています。
* 技術開発: 医療DX、電子処方箋、オンライン資格確認システムへの対応
* 主力製品: 調剤システム、電子薬歴システム、医科向けシステム「MAPs for CLINIC」、介護・福祉システム「MAPs for NURSING CARE」
6. 株価の評価
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 株価 | 746.0円 |
| PER（会社予想） | 27.82倍 |
| PBR（実績） | 2.59倍 |
| 配当利回り | 4.69% |
| EPS（会社予想） | 26.82円 |
| BPS（実績） | 287.52円 |
- PER: 27.82倍は、業界平均PER23.2と比較してやや割高です。
- PBR: 2.59倍は、業界平均PBR2.3と比較してやや割高です。
- 配当利回り: 4.69%は、高い水準です。
- EPS: 26.82円
- BPS: 287.52円
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、741円から761円の間を変動しており、746円で取引されています。50日移動平均線（740.26円）と200日移動平均線（703.26円）を上回っており、上昇トレンドを示唆しています。年初来高値817円に近づきつつあり、高値圏にあると判断できます。
8. 財務諸表分析
| 指標 | 過去12ヶ月 (百万円) | 2024年12月期 (百万円) | 2023年12月期 (百万円) |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 24,837 | 24,837 | 20,355 |
| 営業利益 | 4,473 | 4,473 | 2,339 |
| 経常利益 | 3,694 | 3,694 | 2,750 |
| 当期純利益 | 2,425 | 2,425 | 1,962 |
| 売上高成長率 | 22.0% | 22.0% | 20.3% |
| 営業利益率 | 18.0% | 18.0% | 11.5% |
| ROE | 14.89% | – | – |
| ROA | 11.19% | – | – |
| 自己資本比率 | 64.8% | – | – |
- 売上高: 過去12ヶ月で24,837百万円と、前年同期比で増加しています。
- 営業利益: 4,473百万円と、大幅に増加しています。
- 当期純利益: 2,425百万円と、増加しています。
- ROE: 14.89%と高い水準です。
- ROA: 11.19%と高い水準です。
- 自己資本比率: 64.8%と財務体質は良好です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り: 4.69%（会社予想）と高い水準です。
- 配当性向: 81.83%
- 株主還元策: 年間35円の配当を実施しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価モメンタム: 直近10日間の株価は上昇傾向にあり、モメンタムは強いです。
- 株価への影響要因: 医療DXの推進、電子処方箋の普及、業績の好調さ、高い配当利回り
11. 総評
イーエムシステムズは、調剤薬局向けシステムで高いシェアを誇り、安定した収益基盤を持っています。医療DXの推進という追い風を受け、業績は好調に推移しており、高い配当利回りも魅力的です。株価は高値圏にありますが、今後の成長期待も高く、中長期的な投資対象として検討する価値があります。ただし、PERは業界平均よりやや高く、今後の株価の変動には注意が必要です。
企業情報
| 銘柄コード | 4820 |
| 企業名 | イーエムシステムズ |
| URL | http://www.emsystems.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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