1. 企業情報
イーエムシステムズは、主に調剤薬局、クリニック、介護・福祉事業者向けにITシステムを開発・販売・メンテナンスする企業です。調剤薬局向けシステムでは国内シェア3割超で首位を誇り、電子カルテや介護支援システムなども展開しています。主力事業は「調剤システム事業」で、売上の約8割を占めています。大阪市に本社を置き、1980年設立、従業員数は827人です。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 調剤薬局向けシステムで国内トップシェア（約30%以上）。
- 医科システム、介護・福祉システム分野にも展開し、事業拡大中。
- 業界内では、電子処方箋やオンライン資格確認など医療DX（デジタルトランスフォーメーション）対応が求められており、同社は早期対応を進めている点が競争優位性となっています。
- 競合他社も存在しますが、シェア・知名度・導入実績で優位性あり。
3. 経営戦略と重点分野
- 「医療DX令和ビジョン2030」等に沿い、医療機関・薬局のデジタル化支援を強化。
- 2024年に策定した中期経営計画（FY2025～FY2027）では、インサイドセールス強化、製品力や収益性向上、Webサイトリニューアル、MAツール活用、デジタルコンテンツ強化などマーケティングミックスの改善を推進。
- 医療機関・薬局・介護施設のDX需要拡大を背景に、案件創出と新規顧客獲得に注力。
4. 事業モデルの持続可能性
- サブスクリプション型や保守サービス、システムアップデート等、継続的な収益基盤を確立。
- 医療・介護現場のDX需要は今後も高い水準が見込まれるため、市場ニーズの変化にも柔軟に対応できる体制。
- 顧客基盤の厚さと高い継続率が強み。
5. 技術革新と主力製品
- オンライン資格確認システムや電子処方箋対応など、最新の医療DX技術を積極導入。
- 調剤薬局向け「MAPs for PHARMACY」、クリニック向け「MAPs for CLINIC」、介護向け「MAPs for NURSING CARE」など主力製品が堅調に推移。
- クラウド化・モバイル対応・データ連携強化など、時流に沿った技術開発を実施。
6. 株価の評価
- 株価：746円
- 予想EPS：26.82円
- 予想PER：27.82倍（業界平均23.2倍よりやや高め）
- 実績BPS：287.52円
- 実績PBR：2.59倍（業界平均2.3倍よりやや高め）
- 配当利回り（予想）：4.69%
- 配当性向：81.83%
- 株価は業界平均に比べやや割高な水準ですが、配当利回りは高い水準。
7. テクニカル分析
- 直近株価は年初来高値817円、安値644円の中間～やや高値圏（現在746円）。
- 50日移動平均：740.26円、200日移動平均：703.26円。現状は移動平均線よりやや上。
- 株価は直近1ヶ月横ばい～やや下落傾向。出来高は安定。
- ボラティリティは低め（β=0.37）。
8. 財務諸表分析
- 売上高（過去12か月）：25,980百万円（前年比+20.5%）
- 営業利益（過去12か月）：5,266百万円（前年比+99.5%）
- 純利益（過去12か月）：2,990百万円
- ROE（実績）：11.83～14.89%
- ROA（実績）：11.19%
- 自己資本比率：64.8～68.2%と高水準
- キャッシュリッチ（現金9,480百万円、総資産29,139百万円）
- 負債比率低く、財務健全性が高い
- 過去数年で売上・利益ともに大きく成長
9. 株主還元と配当方針
- 1株配当（予想・実績）：35円
- 配当利回り：4.69%（高水準）
- 配当性向：81.83%（やや高め）
- 自社株買い実績あり（自己株式保有1.96%）
- 5年平均配当利回り1.88%と比較し、直近は高い
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近の株価はやや下落傾向だが、底堅い動き。
- 信用買残は減少傾向、信用倍率は高め（13.86倍）。
- インサイダー保有率が高い（54.96%）、機関投資家も一定割合保有。
- 医療DX関連銘柄として注目度が高い。
11. 総評
イーエムシステムズは、調剤薬局向けITシステムで国内トップシェアを持ち、医療DX需要の高まりを背景に事業拡大が続いています。直近は売上・利益ともに大きく成長し、財務基盤も非常に健全です。株価は業界平均よりやや割高ですが、高い配当利回りが魅力となっています。今後も医療・介護現場のデジタル化推進とともに、安定した成長が期待される企業です。
企業情報
| 銘柄コード | 4820 |
| 企業名 | イーエムシステムズ |
| URL | http://www.emsystems.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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