1. 企業情報
企業名：ペプチドリーム株式会社
事業内容：
– 独自のペプチド創薬プラットフォーム「PDPS（Peptide Discovery Platform System）」を活用し、医薬品候補となる特殊ペプチドの探索・開発を行う創薬ベンチャー。
– ペプチド医薬品の研究・開発・製造・販売に加え、放射性医薬品事業にも参入。
– 海外大手製薬企業との共同開発・ライセンス契約多数。
– 近年は放射性医薬品分野にも事業を拡大。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内ポジション：東京大学発の創薬ベンチャーの代表格。ペプチド創薬分野では国内外で高い評価。
- 競争優位性：独自のPDPS技術による多様なペプチド候補の創出力、大手製薬企業との多数の提携実績が強み。
- 課題：創薬ベンチャー特有の開発リスクや、パイプラインの商業化までの期間の長さ、放射性医薬品事業の競争激化。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・戦略：PDPS技術を軸とした創薬活動の推進と、放射性医薬品分野での成長を掲げる。
- 中期経営計画の重点分野：
- 自社パイプラインの拡充・商業化
- 放射性医薬品事業の拡大
- グローバル製薬企業との戦略的提携強化
- 研究開発投資の継続
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル：共同研究・ライセンス収入、マイルストーン収入、製品販売（放射性医薬品）。
- 適応力：PDPS技術の多様な応用性により、新規疾患領域や診断薬への展開が可能。市場ニーズ変化にも柔軟に対応。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発動向：独自のPDPSを活用し、従来困難だった標的に対するペプチド医薬品の創出が可能。
- 主力製品・パイプライン：
- PD-L1阻害薬（がん領域、臨床第1相）
- CD38標的薬（多発性骨髄腫、臨床第1相）
- COVID-19治療薬（臨床第1相）
- 放射性医薬品（診断・治療用、事業拡大中）
6. 株価の評価
- PER（予想）：14.27倍（業界平均27.8倍より割安）
- PBR（実績）：3.92倍（業界平均1.4倍より高い）
- EPS（予想）：116.51円
- BPS（実績）：424.18円
- 株価：1,662.5円（2025/6/14終値）
- 評価：PERは業界平均より低く利益面では割安感、PBRは高水準で成長期待が株価に織り込まれている。
7. テクニカル分析
- 年初来高値：2,629円
- 年初来安値：1,652円
- 直近株価：1,662.5円（安値圏）
- 移動平均：50日＝1,810.73円、200日＝2,310.76円
- 傾向：年初来安値圏で推移しており、短期・長期移動平均を下回る水準。
8. 財務諸表分析
- 売上高：46,676百万円（過去12か月、前年比+62.6%）
- 営業利益：21,113百万円（過去12か月、前年比+211.8%）
- 純利益：15,014百万円（過去12か月、前年比+394.8%）
- ROE：30.92%（高水準）
- ROA：17.33%
- 自己資本比率：61.2%（財務健全）
- キャッシュフロー：営業CF 15,940百万円、フリーCF 9,530百万円
- 傾向：売上・利益ともに大幅増加。財務体質も良好。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り：0.00%（配当実績なし）
- 配当性向：0.00%
- 自社株買い：特段の実施なし
- 方針：成長投資を優先し、配当は未定。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価変動傾向：直近1年間で-26.34%と下落基調。直近10日間も下落傾向。
- 信用倍率：70.14倍（信用買い残高が多く、需給はやや偏りあり）
- 出来高：直近増加傾向、投資家の関心は高い。
11. 総評
ペプチドリームは独自の創薬プラットフォームと大手製薬企業との提携を強みに、ペプチド医薬品・放射性医薬品の両分野で成長を目指す企業です。売上・利益は近年大きく伸長し、財務体質も良好です。株価は年初来安値圏にあり、短期的には下落基調が続いています。配当は未実施で、株主還元よりも成長投資を重視する姿勢です。今後はパイプラインの商業化進展や放射性医薬品事業の拡大が注目されます。
企業情報
| 銘柄コード | 4587 |
| 企業名 | ペプチドリーム |
| URL | http://www.peptidream.com/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 医薬品 – 医薬品 |
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