1. 企業情報

  • 概要

ハピネットは、バンダイナムコグループに属するエンターテインメント商社であり、玩具・ゲームの卸売最大手です。玩具、トレーディングカード、カプセル玩具、ビデオゲームソフト・ハード、映像・音楽ソフト等を製造・販売しています。また、アミューズメント機器やカプセル玩具自販機の設置・運営も手掛けています。1969年設立、東京都台東区に本社を構えています。
主な事業構成(2024年3月期)
– 玩具:43%
– 映像音楽:18%
– ビデオゲーム:27%
– アミューズメント:12%

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 玩具・ゲームの卸売分野で国内最大手。バンダイナムコグループの強力なネットワークを活用し、業界内で圧倒的な規模と取扱量を誇ります。
  • 競争優位性としては、取扱商品の幅広さ、流通網、グループシナジーが挙げられます。
  • 課題としては、少子化による玩具市場の縮小や、デジタル化による消費者ニーズの変化への対応が求められています。

3. 経営戦略と重点分野

  • 経営陣は「エンターテインメントの流通イノベーター」を掲げ、玩具・ゲーム・映像音楽の各事業を強化。
  • 近年は映像事業の拡大や、アミューズメント事業の収益力向上、グループ会社(例:ブロッコリー)の連結化による事業拡大を推進。
  • 具体的な中期経営計画の詳細は開示されていませんが、事業ポートフォリオの最適化と新規事業への投資が進められています。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデルは、玩具・ゲーム・映像等の卸売および一部製造・開発、アミューズメント機器の設置運営など多角化。
  • 市場ニーズの変化(デジタル化、キャラクターIPの多様化など)に対して、グループ連携や新規事業開発で適応を図っています。
  • 少子化リスクやコンテンツ消費形態の変化に対応するため、映像やデジタル領域へのシフトも進めています。

5. 技術革新と主力製品

  • 独自性としては、バンダイナムコグループのIPを活用した商品開発力、幅広い流通網、カプセル玩具の自販機展開などが挙げられます。
  • 収益を牽引しているのは、玩具事業(キャラクター玩具、トレーディングカード等)とアミューズメント事業(カプセル玩具自販機など)。
  • 映像・音楽事業は利益貢献度が低いものの、IPビジネスの拡大余地があります。

6. 株価の評価

  • 株価:5,130円(2025/6/13終値)
  • EPS(会社予想):328.08円
  • BPS(実績):2,518.49円
  • PER(会社予想):15.64倍(業界平均12.1倍よりやや高め)
  • PBR(実績):2.04倍(業界平均1.0倍より高め)

現在の株価は、業界平均と比較してやや高い評価となっています。

7. テクニカル分析

  • 直近10日間の株価は5,100円台~5,300円台で推移し、やや下落傾向。
  • 年初来高値:5,620円、年初来安値:4,125円
  • 50日移動平均:5,174.60円、200日移動平均:4,653.12円
  • 現在値は50日移動平均線付近で、年初来高値圏からやや調整が入っている状況。

8. 財務諸表分析

  • 売上高:350,461百万円(2024/3期)、364,418百万円(直近12か月)と増加傾向
  • 営業利益:8,686百万円(2024/3期)、11,677百万円(直近12か月)
  • 当期純利益:6,581百万円(2024/3期)、6,764百万円(直近12か月)
  • ROE:12.74%(実績)、ROA:6.22%
  • 自己資本比率:45.5%と財務健全性は良好
  • 営業キャッシュフロー:18,120百万円と安定的

ここ数年、売上・利益ともに増加基調。特に2024年3月期は大幅な増益。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り:0.97%(会社予想)、直近実績2.44%、5年平均3.34%
  • 配当性向:45.59%
  • 自社株買い:自己株式保有比率6.47%
  • 配当は安定しているものの、直近予想では利回りがやや低下傾向。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 直近1年で株価は36.44%上昇(TOPIXやS&P500を上回るパフォーマンス)。
  • 直近は高値圏からやや調整局面。
  • 信用買残は減少傾向、信用倍率2.97倍と需給はやや買い優勢。
  • インサイダー保有比率が高く、安定株主構成。

11. 総評

ハピネットは、バンダイナムコグループの強みを活かし、玩具・ゲーム卸売で国内最大手の地位を確立しています。近年は売上・利益ともに増加基調で、財務体質も良好です。株価は業界平均と比較してやや高めの評価ですが、安定した収益基盤と多角化した事業モデルが特徴です。配当利回りはやや低下傾向にあるものの、安定した株主還元姿勢が見られます。今後は、少子化やデジタル化等の市場変化にどう対応するかが注目されます。
本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資助言を行うものではありません。


企業情報

銘柄コード 7552
企業名 ハピネット
URL http://www.happinet.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 商社・卸売 – 卸売業

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By シャーロット

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