概要
ケル株式会社は、産業用コネクタの製造・販売を主要事業とする企業です。主要製品は、カメラ/ビデオ関連、FA機器、自動車、医療/ヘルスケア、インフラ/鉄道、アミューズメント関連に使用されるコネクタ、ラック、ソケットです。1962年に設立され、東京都多摩市に本社を置いています。
事業内容
- 連結事業: コネクタ88、ラック10、ソケット2、他0
- 海外事業: 40拠点（2024年3月）
基本情報
- 企業名: ケル株式会社
- 設立年月日: 1962年7月23日
- 代表者名: 春日 明
- 従業員数: 331人
- 平均年齢: 40.3歳
- 平均年収: 6,340万円
- 住所: 〒206-0025 東京都多摩市永山6-17-7
業界内での競争優位性や課題
ケルは小型・車載向けコネクタに強みを持ち、狭小タイプのコネクタ市場で大手です。しかし、競争が激しい業界であり、市場シェアの維持と新市場への拡大が課題です。
経営陣が掲げるビジョンや戦略
- KEL VISION 2030: 長期経営計画を策定し、2026年3月期から2028年3月期までの3年間を中期経営計画として、売上高155億円、営業利益率15%以上を目指す。
中期経営計画の具体的な施策や重点分野
- コネクタ事業の底上げ、ハーネス事業の強化・拡大
- フローティング/高速伝送/ハイパワー/防水機能の強化
- 欧州、中国、北米の販売体制強化
- 工業/車載/画像/医療/通信・5G市場への注力
- 製品供給力強化（海外生産拠点の新設検討、社外不具合撲滅）
収益モデルや市場ニーズの変化への適応力
ケルは新市場の開拓（5G、新エネルギー市場）と新製品開発に力を入れており、市場ニーズの変化に適応する持続可能な事業モデルを構築しています。
技術開発の動向や独自性
ケルは新製品開発を促進し、特長ある新製品を市場に投入しています。特にフローティング/高速伝送/ハイパワー/防水機能を強化しています。
収益を牽引している製品やサービス
車載機器向けコネクタ、医療機器向けハーフピッチコネクタなどが主力製品です。
EPSやBPSに基づく計算等を用いて、現在の株価との比較
- EPS（会社予想）: 59.14円
- BPS（実績）: 2,093.88円
- 株価: 1,303円
- PER（会社予想）: 22.12倍
現在の株価はEPSに対して割高な水準にあると評価できます。
株価推移を参照して、現在の株価が高値圏か安値圏か
- 50日移動平均線: 1,288.70円
- 200日移動平均線: 1,384.61円
- 52週高値: 1,800円
- 52週安値: 1,146円
現在の株価は52週高値から22.58%下落しており、安値圏に位置しています。
売上、利益、キャッシュフロー、ROE、ROAなどの指標を評価
- 売上高（過去12か月）: 118.7億円（前年比0.10%増）
- 営業利益（過去12か月）: 10.95億円（前年比45.5%減）
- 経常利益（過去12か月）: 10.95億円（前年比53.8%減）
- ROE（実績）: 2.62%
- ROA（実績）: 1.99%
財務状況は健全ですが、営業利益と経常利益が減少しています。
配当利回りや配当性向の分析
- 配当利回り（会社予想）: 6.12%
- 年間配当予想: 80円
- 配当性向: 131.84%
高配当性向であり、株主還元に力を入れています。
自社株買いなどの株主還元策
自己株式保有率が6.1%と高く、自社株買いも行っています。
株価の直近の変動傾向（上昇・下降の勢い）
直近10日間の株価は横ばいからわずかに下降傾向にあります。
株価への影響を与える要因など
国際的な貿易摩擦、地政学的リスク、急激な為替変動などがリスク要因となっています。
総評
ケルは産業用コネクタの主要メーカーであり、小型・車載向けコネクタに強みを持っています。新市場の開拓と新製品開発により持続可能な事業モデルを構築しています。しかし、営業利益と経常利益の減少が懸念されます。株価は安値圏に位置し、配当性向も高く、株主還元に力を入れています。投資判断は慎重に行う必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 6919 |
| 企業名 | ケル |
| URL | http://www.kel.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
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