1. 企業情報
ベルーナは、カタログ通販を主力とする企業です。50～60代の女性向けアパレルが中心ですが、近年はホテル事業など多角化を進めています。事業セグメントは、アパレル・雑貨、化粧品・健康食品、グルメ、看護関連、呉服関連、プロパティ（不動産・ホテル）、データベース活用など多岐にわたります。
2. 業界のポジションと市場シェア
カタログ通販業界に属し、特にミセス向けアパレル分野で一定のシェアを持っています。近年は、少子高齢化や競合の激化により、カタログ通販市場は縮小傾向にあります。ベルーナは、ホテル事業などの多角化によって、この課題に対応しようとしています。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、プロパティ事業などのグロース領域への注力、化粧品・健康食品事業などのサステナブル領域の安定的な拡大、アパレル・雑貨事業のリピート率改善による黒字化を目指しています。中期経営計画の詳細は公開情報から確認する必要がありますが、多角化と既存事業の収益性改善が重要な戦略と考えられます。
4. 事業モデルの持続可能性
カタログ通販は、顧客の獲得と維持が重要です。ベルーナは、長年の顧客基盤とブランド力を持っていますが、インターネット通販の台頭や競合の激化により、顧客獲得コストの上昇や、顧客の囲い込みが課題となっています。ホテル事業などの多角化は、事業ポートフォリオを多様化し、リスク分散に繋がる可能性があります。
5. 技術革新と主力製品
ベルーナは、カタログ通販を主力としており、技術革新という観点では、Webサイトやアプリの利便性向上、データ分析による顧客ニーズの把握などが重要になります。主力製品は、ミセス向けアパレルですが、近年は、ホテル事業が成長を牽引しています。
6. 株価の評価
- 株価: 873.0円（2025年6月16日終値）
- PER（会社予想）: 8.84倍（業界平均：21.3）
- PBR（実績）: 0.59倍（業界平均：1.8）
- EPS（会社予想）: 98.72円
- BPS（実績）: 1,468.54円
PER、PBRともに業界平均を下回っており、割安感があります。ただし、業績や今後の成長性、市場環境などを総合的に判断する必要があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、870円から904円の間を変動しており、200日移動平均線（827.02円）を上回っています。年初来高値994円、年初来安値755円です。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去12ヶ月で2,082.98億円。前期比で微減。
- 営業利益: 過去12ヶ月で97.88億円。
- 当期純利益: 過去12ヶ月で58.39億円。
- ROE（実績）: 6.36%
- ROA（過去12か月）: 2.42%
- 自己資本比率（実績）: 45.2%
売上高は伸び悩んでいますが、営業利益、当期純利益は増加しています。ROEは6.36%と、特筆するほど高い水準ではありません。自己資本比率は45.2%と、財務体質は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 3.44%
- 1株配当（会社予想）: 30.00円
- 配当性向: 39.07%
配当利回りは3.44%と、ある程度の水準です。配当性向も40%弱と、無理のない範囲で配当を行っています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、上昇傾向にあります。信用買い残が多く、信用倍率は28.30倍と高い水準です。
11. 総評
ベルーナは、カタログ通販を主力とし、多角化を進めている企業です。財務状況は安定しており、配当も実施しています。株価は割安感がありますが、カタログ通販市場の縮小や、多角化事業の成否が今後の業績を左右する可能性があります。投資判断にあたっては、これらの点を考慮し、リスク許容度に合わせて慎重に検討する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 9997 |
| 企業名 | ベルーナ |
| URL | http://www.belluna.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 小売 – 小売業 |
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