1. 企業情報
三愛オブリは、石油製品とLPガスの卸売・小売を主な事業とする企業です。キグナス石油を傘下に持ち、羽田空港での給油施設運営も行っています。リコー三愛グループに属し、石油・LPガス業界で一定の地位を確立しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
三愛オブリは、石油・LPガス卸売業界において、一定の市場シェアを有しています。競争優位性としては、キグナス石油のブランド力と羽田空港での給油施設運営による安定的な収益基盤が挙げられます。課題としては、石油製品の需要減少や、再生可能エネルギーへのシフトといった業界全体の構造変化への対応が求められます。
3. 経営戦略と重点分野
三愛オブリは、中期経営計画「変貌する未来への挑戦 Challenge2030」を掲げ、事業戦略を実行し、成長投資を加速させる期間としています。2024年度から2026年度までを第2ステージと位置づけ、具体的な施策を展開しています。
4. 事業モデルの持続可能性
三愛オブリの収益モデルは、石油製品の販売に大きく依存しており、市場ニーズの変化に影響を受けやすい構造です。しかし、羽田空港での給油施設運営や、化学品、ガス関連事業など、多角的な事業展開を図ることで、リスク分散を図っています。
5. 技術革新と主力製品
三愛オブリは、技術革新に関する具体的な情報は開示されていません。主力製品は、石油製品とLPガスであり、航空燃料の供給も重要な収益源となっています。
6. 株価の評価
- 株価: 1,774.0円（2025年6月16日終値）
- EPS（会社予想）: 146.02
- PER（会社予想）: 12.15倍 (業界平均: 12.1)
- BPS（実績）: 1,821.80
- PBR（実績）: 0.97倍 (業界平均: 1.0)
- 配当利回り（会社予想）: 5.64%
PERは業界平均と同程度であり、PBRは1倍を下回っています。配当利回りは5%を超えており、高い水準です。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、株価は下落傾向にあります。年初来高値1,898円、年初来安値1,478円であり、現在の株価は年初来高値に近く、高値圏にあると判断できます。200日移動平均線1824.50を下回っています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2024年3月期は659,587百万円、2023年3月期は647,832百万円と、微増傾向です。
- 営業利益: 2024年3月期は16,873百万円、2023年3月期は15,211百万円と、増加傾向です。
- 当期純利益: 2024年3月期は11,217百万円、2023年3月期は10,901百万円と、増加傾向です。
- ROE（実績）: 7.49%
- 自己資本比率（実績）: 54.8%
売上高、利益ともに増加傾向にあり、財務体質は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 5.64%
- 1株配当（会社予想）: 100.00円
- 配当性向: 72.00%
- 自社株買い: 記載なし
高い配当利回りを維持しており、株主還元に積極的な姿勢を示しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は下落傾向にあり、モメンタムは弱いです。信用買い残は増加、信用売り残は減少しており、空売りのカバーが進んでいる可能性があります。
11. 総評
三愛オブリは、石油・LPガス卸売業界で一定の地位を確立し、安定した収益基盤を持っています。高い配当利回りも魅力です。しかし、石油製品の需要減少という業界構造の変化に対応する必要があります。直近の株価は下落傾向にあり、今後の業績動向と、中期経営計画の進捗に注目する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 8097 |
| 企業名 | 三愛オブリ |
| URL | https://www.san-ai-obbli.com/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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