1. 企業情報
ＳＥＣカーボンは、独立系炭素製品の大手企業です。主な事業は、アルミ製錬用カソードブロック、黒鉛電極、特殊炭素製品、ファインパウダーなどの製造・販売です。特にアルミ製錬用電極では世界シェア4割超と高い競争力を持っています。海外売上高比率も高く、グローバルに事業を展開しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
ＳＥＣカーボンは、炭素製品業界において、独立系企業として高いプレゼンスを誇っています。特に、アルミ製錬用電極の分野では世界トップクラスのシェアを有しており、競争優位性を確立しています。
競争優位性:
- アルミ製錬用電極における高い世界シェア
- 多様な炭素製品ラインナップ
- 高い海外売上高比率
課題:
- 原材料価格の変動リスク
- 世界経済の動向による需要変動
- 競合他社との競争
3. 経営戦略と重点分野
経営ビジョン:
決算短信からは具体的な経営ビジョンは読み取れませんでしたが、持続的な成長に向けた成長投資、品質向上、製品の拡販等の経営体質強化に取り組んでいます。
中期経営計画:
中期経営計画に関する具体的な情報は開示されていません。
重点分野:
- 持続的成長に向けた成長投資
- 品質向上
- 製品の拡販
4. 事業モデルの持続可能性
ＳＥＣカーボンの事業モデルは、アルミ製錬や鉄鋼製造といった基幹産業向けの製品を供給しており、安定した需要が見込めます。しかし、原材料価格の変動や、世界経済の動向による需要変動の影響を受けやすい側面もあります。
収益モデル:
- アルミ製錬用カソードブロック、黒鉛電極、特殊炭素製品、ファインパウダーなどの販売
- 海外売上高比率が高く、為替変動の影響を受けやすい
市場ニーズの変化への適応力:
- 新製品の開発や、既存製品の改良による競争力維持が重要
- 脱炭素化の流れに対応した製品開発も求められる
5. 技術革新と主力製品
技術開発の動向と独自性:
技術開発に関する具体的な情報は開示されていません。
収益を牽引している製品やサービス:
- アルミ製錬用カソードブロック
- 人造黒鉛電極
6. 株価の評価
EPS、BPSに基づく計算:
- PER（会社予想）: 12.06倍 (業界平均: 7.3)
- PBR（実績）: 0.54倍 (業界平均: 0.7)
- EPS（会社予想）: 164.61円
- BPS（実績）: 3,680.64円
PERは業界平均よりも高く、割高感があります。PBRは業界平均を下回っており、割安感があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、株価は1986円近辺で推移しており、年初来安値1700円からは上昇していますが、年初来高値2280円からは下落しています。50日移動平均線1959.10円を上回っており、上昇トレンドにあると判断できます。
8. 財務諸表分析
売上高:
- 2024年3月期：311.79億円（前期比16.4%減）
- 過去5年間の売上高は増加傾向にありましたが、直近の2024年3月期は減少しました。
利益:
- 営業利益：68.23億円（前期比減益）
- 経常利益：77.16億円（前期比減益）
- 当期純利益：57.50億円（前期比減益）
- 利益は、円安による原材料価格上昇や設備投資による減価償却費増加により減少しました。
キャッシュフロー:
- 営業活動によるキャッシュ・フロー：45.48億円
ROE（実績）: 7.84%
ROA（過去12か月）: 5.04%
自己資本比率（実績）: 90.7%
自己資本比率が高く、財務体質は良好です。
9. 株主還元と配当方針
配当利回り（会社予想）: 5.04%
1株配当（会社予想）: 100.00円
配当性向は35.02%です。安定した配当を実施しており、高い配当利回りは魅力的です。
自社株買い:
自社株買いに関する情報は開示されていません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
株価の直近の変動傾向:
直近10日間の株価は、1980円～2020円の間で変動しており、やや不安定な動きとなっています。
株価への影響を与える要因:
- 世界経済の動向（特に中国経済）
- 原材料価格の変動
- 為替相場の変動（円安の影響を受けやすい）
- 米国の関税政策や金融政策
信用取引:
- 信用買残は増加傾向にあり、個人投資家の関心は高い。
- 信用倍率は123.13倍と高く、需給はやや悪化している。
11. 総評
ＳＥＣカーボンは、アルミ製錬用電極で高い世界シェアを持つ独立系炭素製品メーカーです。高い配当利回りや、良好な財務体質が魅力です。
ポジティブな点:
- 高い世界シェアと競争力
- 高い配当利回り
- 高い自己資本比率
ネガティブな点:
- 業績の減益
- PERは業界平均より高い
- 世界経済の動向や原材料価格の影響を受けやすい
総合的な見解:
ＳＥＣカーボンは、安定した事業基盤と高い配当利回りが魅力的な銘柄です。しかし、業績の減益や、世界経済の動向による影響を受けやすい点には注意が必要です。投資を検討する際には、今後の業績動向や、世界経済の動向を注視する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 5304 |
| 企業名 | SECカーボン |
| URL | http://sec-carbon.com/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 建設・資材 – ガラス・土石製品 |
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