1. 企業情報
住友電設は、住友電気工業を親会社とする建設会社です。主な事業は、ビルや工場などの電気設備工事、空調・給排水設備工事です。その他、電力、情報通信、環境エネルギー分野にも注力しており、海外展開も積極的に行っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
住友電設は、電設工事業界において、大手企業の一角を占めています。特に、住友電工グループとの連携による強固な顧客基盤が強みです。競争優位性としては、技術力、豊富な実績、安定した財務基盤が挙げられます。課題としては、建設業界全体が抱える人手不足や、資材価格の高騰などが挙げられます。
3. 経営戦略と重点分野
住友電設は、中期経営計画において、収益性の向上、事業ポートフォリオの最適化、海外事業の拡大などを重点戦略として掲げていると考えられます。具体的には、高付加価値案件への注力、省エネ・環境関連事業の強化、海外拠点の拡充などが推進される可能性があります。
4. 事業モデルの持続可能性
住友電設の事業モデルは、社会インフラや経済活動に不可欠な設備工事を基盤としており、安定した需要が見込めます。また、省エネ・環境関連事業への注力は、持続可能な社会への貢献という観点からも、長期的な成長を支える要因となり得ます。市場ニーズの変化に対しては、技術革新や事業多角化を通じて、柔軟に対応していくことが重要です。
5. 技術革新と主力製品
住友電設は、電気設備工事に関する高い技術力を有しています。近年では、再生可能エネルギー関連の設備工事や、BEMS（Building Energy Management System）などのスマートビル関連技術の開発にも注力していると考えられます。収益を牽引しているのは、ビルや工場などの電設工事であり、安定した収益基盤となっています。
6. 株価の評価
- PER（会社予想）: 17.02倍
- PBR（実績）: 1.95倍
- EPS（会社予想）: 369.57円
- BPS（実績）: 3,232.72円
PERは業界平均（14.0倍）と比較してやや割高ですが、PBRは業界平均（1.1倍）よりも高い水準です。EPSとBPSを考慮すると、現在の株価は割安とは言い切れません。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、6月3日以降、上昇傾向にあり、6月4日には年初来高値6,740円に近づいています。6月16日の終値は6,290円であり、高値圏での推移となっています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去12ヶ月で196,208百万円と、前期（185,524百万円）から増加しています。
- 営業利益: 過去12ヶ月で15,599百万円と、前期（12,548百万円）から増加しています。
- 当期純利益: 過去12ヶ月で12,018百万円と、前期（10,060百万円）から増加しています。
- ROE（実績）: 11.66%
- ROA（過去12か月）: 5.90%
- 自己資本比率（実績）: 57.6%
売上高、利益ともに増加傾向にあり、収益性は向上しています。ROE、ROAも良好な水準であり、財務体質は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 2.48%
- 1株配当（会社予想）: 156.00円
- 配当性向: 40.16%
配当利回りは、まずまずの水準です。配当性向も適度であり、安定した株主還元が期待できます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は上昇基調にあり、モメンタムは強いと言えます。52週高値に近づいており、投資家の関心も高まっている可能性があります。株価に影響を与える要因としては、業績動向、建設業界の動向、金利変動などが挙げられます。
11. 総評
住友電設は、安定した財務基盤と高い技術力を有する電設工事会社です。業績は好調に推移しており、株主還元も積極的に行っています。株価は高値圏に位置していますが、今後の業績拡大や、更なる株主還元への期待から、注目に値する銘柄と言えるでしょう。ただし、建設業界特有のリスク（人手不足、資材価格高騰など）や、株価の過熱感には注意が必要です。投資判断は、ご自身の責任において行ってください。
企業情報
| 銘柄コード | 1949 |
| 企業名 | 住友電設 |
| URL | https://www.sem.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 建設業 |
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