1. 企業情報
事業内容の説明
住友電設は、住友電工グループに属する総合設備工事会社です。主力事業はビルや工場の電気設備工事（内線工事）で、電力設備、情報通信、プラント・空調工事、環境・エネルギー関連工事も手掛けています。国内のみならず、東南アジアを中心とした海外展開にも積極的です。加えて、再生可能エネルギー（太陽光・風力・バイオマス発電設備等）や情報通信インフラ構築、ビルのエネルギーマネジメントシステム構築など、多様な分野に進出しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
業界内での競争優位性・課題
住友電設は、電気設備工事業界において大手の一角を占めています。住友電工グループのネットワークや信用力を背景に、安定した受注基盤を持つ点が強みです。加えて、再生可能エネルギーや情報通信インフラなど成長分野への対応力も評価されています。一方で、建設業界全体の人手不足や原材料価格の高騰、競合他社との価格競争が課題となっています。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣のビジョン・戦略
経営方針として「安全・品質・環境の確保」と「持続的成長」を掲げています。中期経営計画では、以下の施策が重点分野です。
– 再生可能エネルギー分野の拡大（太陽光・風力・バイオマス発電設備）
– 情報通信インフラ（データセンター、5G基地局等）の強化
– 海外事業の拡大（アジア圏での受注増加）
– DX（デジタルトランスフォーメーション）による業務効率化・生産性向上
4. 事業モデルの持続可能性
収益モデル・市場ニーズへの適応力
設備工事の受注型ビジネスを基盤としつつ、メンテナンスやリニューアル工事、エネルギー管理サービス等のストック型収益も拡大しています。再生可能エネルギーやデータセンター等の新規需要にも柔軟に対応しており、社会インフラの高度化・省エネ化といった長期トレンドに沿った事業展開が持続可能性を支えています。
5. 技術革新と主力製品
技術開発の動向・独自性
- 再生可能エネルギー発電設備（太陽光、風力、バイオマス、レドックスフロー電池等）の設計・施工
- 高度なビルエネルギーマネジメントシステム（BEMS）やファシリティマネジメント
- 工場・プラント向けの電気計装システム
- 情報通信インフラ（高速ネットワーク、データセンター設備）
これらの分野で、住友電工グループの技術力と連携した独自性が見られます。
6. 株価の評価
- EPS（会社予想）：369.57円
- BPS（実績）：3,232.72円
- PER（会社予想）：17.02倍（業界平均14.0倍より高め）
- PBR（実績）：1.95倍（業界平均1.1倍より高め）
- 株価：6,290円
【評価】
現在の株価はPER・PBRともに業界平均を上回っており、市場から成長性や安定性が一定程度評価されていることがうかがえます。
7. テクニカル分析
- 年初来高値：6,740円
- 年初来安値：4,065円
- 直近株価（6/16終値）：6,290円
- 50日移動平均：5,463.60円
- 200日移動平均：4,852.02円
【評価】
株価は直近で高値圏に位置しており、50日・200日移動平均を大きく上回っています。直近10日間ではやや調整気味ですが、依然として強いトレンドが継続しています。
8. 財務諸表分析
- 売上高：増加傾向（2021年3月期 1,540億円 → 2024年3月期 1,855億円）
- 営業利益率：12.55%（過去12か月）
- 純利益：増加傾向（2021年3月期 80億円 → 2024年3月期 100億円）
- ROE：11.66%（実績）
- ROA：5.90%（実績）
- 自己資本比率：57.6%
- キャッシュフロー：営業CF・フリーCFともにプラスで安定
- 有利子負債比率：低水準（2.13%）
【評価】
売上・利益ともに安定成長を維持しており、財務体質も良好です。高い自己資本比率と低い有利子負債比率が特徴です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）：2.48%
- 1株配当（会社予想）：156円
- 配当性向：40.16%
- 自社株買い：自己株式保有あり（1.29%）
【評価】
安定した配当方針を維持しており、配当性向も無理のない水準です。自社株買いも実施し、株主還元意識がうかがえます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週高値比：やや下落局面（高値6,740円→現値6,290円）
- 出来高：直近10日間で平均5万～8万株と流動性はまずまず
- 信用取引：信用買残減少傾向、信用倍率1.47倍（過熱感は低い）
- 株主構成：親会社（住友電工）による安定株主比率が高い
【評価】
株価は年初来高値圏で推移しており、直近はやや調整気味。信用取引の過熱感はなく、安定した株主構成も特徴です。
11. 総評
住友電設は、住友電工グループの信用力と技術力を背景に、電気設備工事分野で安定した事業基盤を持つ企業です。再生可能エネルギーや情報通信インフラなど成長分野への積極展開と、堅実な財務体質、安定した株主還元策が特徴です。株価は業界平均よりやや高めの水準で推移しており、成長性や安定性への評価が反映されています。今後も社会インフラの高度化や省エネ化などの需要を背景に、持続的な成長が期待される事業構造となっています。
企業情報
| 銘柄コード | 1949 |
| 企業名 | 住友電設 |
| URL | https://www.sem.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 建設業 |
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