1. 企業情報

概要

東テク株式会社は、空調機器・関連機器の専門商社として業界トップの地位を持つ企業です。主に空調設備や制御システム、計装機器の販売・設計・施工・保守を手掛けています。公共施設、商業施設、工場、住宅など幅広い分野において、空調機器や環境制御システムのトータルエンジニアリングを提供しています。また、再生可能エネルギー関連や電気設備工事にも事業を拡大しています。1955年設立、本社は東京都中央区。

主な事業構成(2025年3月期)

  • 商品販売:58%(営業利益率21%)
  • 工事:42%(営業利益率34%)
  • その他:0%(営業利益率58%)

2. 業界のポジションと市場シェア

東テクは空調・関連機器専門商社のパイオニアであり、商社専業として業界首位の地位を確立しています。ダイキン工業など大手メーカーとの強固な関係や、保守工事子会社の存在が競争優位性となっています。一方で、業界全体としては設備投資動向や建設需要、脱炭素化の流れなど外部環境の影響を受けやすい点が課題です。

3. 経営戦略と重点分野

経営陣は「環境ソリューション企業」としての地位確立をビジョンに掲げ、空調・環境制御分野のトータルサービス強化を推進しています。

重点分野

  • 工事部門の拡大(設計・施工・保守の一貫体制強化)
  • 再生可能エネルギー・省エネソリューションの拡充
  • IoT・自動制御システムの導入による差別化
  • サービス・保守事業の強化による安定収益基盤の構築

4. 事業モデルの持続可能性

商品販売と工事・保守を組み合わせた事業モデルにより、単発の販売だけでなく、長期的なメンテナンス需要も取り込んでいます。設備の省エネ化や脱炭素化需要の高まり、建築物のリニューアル需要など、今後も一定の市場ニーズが見込まれます。また、再生可能エネルギーやIoT化への対応力も強化しています。

5. 技術革新と主力製品

ダイキン工業など大手メーカー製品の販売・設計・施工に加え、自社でのシステムインテグレーションやIoT技術の導入を進めています。主力は空調機器・環境制御システムですが、近年は太陽光発電設備や省エネ制御システムなども伸長しています。保守・メンテナンスの自動化や遠隔監視など、技術革新によるサービス高度化が特徴です。

6. 株価の評価

  • 株価:2,809円
  • EPS(会社予想):259.99円
  • PER(会社予想):10.80倍(業界平均12.1倍よりやや割安)
  • BPS(実績):1,487.75円
  • PBR(実績):1.89倍(業界平均1.0倍より高い)

EPS・BPSからみて、現在の株価は利益成長や資本効率の高さをある程度織り込んだ水準となっています。

7. テクニカル分析

  • 年初来高値:2,985円
  • 年初来安値:1,940円
  • 50日移動平均:2,680.56円
  • 200日移動平均:2,572.17円
  • 直近株価推移:2,800円台で推移し、50日・200日移動平均を上回る水準。直近1週間はやや上値が重いものの、年初来高値圏に近い位置です。

8. 財務諸表分析

  • 売上高:140,732百万円(前年比+11.1%)
  • 営業利益:9,905百万円(前年比+28.1%)
  • 純利益:7,004百万円(前年比+34.0%)
  • ROE:19.53%(高水準)
  • ROA:8.93%
  • 自己資本比率:58.2%(財務健全)
  • 営業キャッシュフロー:13,880百万円(安定的)
  • 過去数年の傾向:売上・利益ともに着実な成長を継続。利益率・資本効率も向上傾向。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(会社予想):3.70%(5年平均3.48%よりやや高い)
  • 1株配当(会社予想):104円
  • 配当性向:33.38%(安定的な水準)
  • 自社株買い:自己株式保有あり(1.54%)
  • 配当方針:安定配当を基本としつつ、業績連動型の還元も実施

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 株価モメンタム:2024年以降、上昇基調が続き、年初来高値圏で推移。直近はやや調整局面。
  • 出来高:直近10日間の平均は約69,000株と流動性は安定。
  • 信用取引:信用買残はやや減少傾向、信用倍率5.94倍とやや買い長。
  • 投資家関心:インサイダー保有比率が高く、機関投資家も一定の保有。

11. 総評

東テクは、空調機器・関連機器商社として業界トップの地位を築き、継続的な成長と高い収益性、財務健全性を維持しています。工事・保守部門の拡大や再生可能エネルギー分野への対応、IoT技術の活用など、事業モデルの持続可能性も高いと考えられます。株主還元も安定しており、配当利回りは業界平均を上回る水準です。株価は年初来高値圏にあり、直近はやや調整も見られますが、全体としては堅調な推移となっています。今後は設備投資動向や脱炭素化の流れ、技術革新への対応が引き続き重要なポイントとなります。


企業情報

銘柄コード 9960
企業名 東テク
URL http://www.totech.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 商社・卸売 – 卸売業

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By シャーロット

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