1. 企業情報
株式会社ドーンは、地理情報システム（GIS）の開発・販売を主力とする企業です。具体的には、地図情報ソフトの受託開発やライセンス販売、防災分野を中心としたクラウドサービスの提供を行っています。主なサービスには、クラウド型緊急通報サービス「NET119」、動画通報システム「Live110/Live119」、災害情報共有サービス「DMaCS」などがあります。
2. 業界のポジションと市場シェア
ドーンは、GIS（地理情報システム）分野において、公共分野、特に防災・減災、市民サービスの分野に強みを持っています。競合他社との比較や、具体的な市場シェアに関する情報は、公開情報からは明確に判断できません。しかし、防災分野におけるクラウドサービスの需要の高まりを背景に、一定の競争優位性を持っていると考えられます。
課題:
- 競合他社との差別化戦略の明確化
- 技術革新への対応
3. 経営戦略と重点分野
ドーンは、2022年度中期経営計画において「Gov-tech市場の深耕」を掲げています。これは、公共分野におけるテクノロジー活用をさらに推進していくことを意味します。具体的には、防災・減災、市民サービスの分野でのクラウドサービスの拡充、マイナンバーカード関連サービスの提供などが重点分野と考えられます。
4. 事業モデルの持続可能性
ドーンの事業モデルは、GISソフトウェアのライセンス販売、受託開発、クラウドサービスの利用料収入を組み合わせたものです。クラウドサービスの利用料収入は、安定的な収益源となる可能性があります。また、防災分野における社会的なニーズは高く、事業の持続可能性を支える要因となっています。
課題:
- 技術革新への対応
- 競合他社との差別化
5. 技術革新と主力製品
ドーンは、GIS関連の技術開発を継続的に行っています。主力製品としては、クラウド型緊急通報サービス「NET119」、動画通報システム「Live110/Live119」、災害情報共有サービス「DMaCS」などが挙げられます。これらのサービスは、防災・減災、市民サービスの分野で活用されており、収益を牽引する重要な要素となっています。
6. 株価の評価
- 株価: 2,297.0円
- PER（会社予想）: 17.87倍
- PBR（実績）: 2.66倍
- EPS（会社予想）: 128.53円
- BPS（実績）: 862.07円
PERは、業界平均（17.6倍）とほぼ同水準です。PBRは、2.66倍であり、割高感があるかどうかは、企業の成長性や将来性を考慮して判断する必要があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2,300円前後で推移しており、50日移動平均線（2220.34円）と200日移動平均線（2218.49円）を上回っています。2025年6月12日には年初来高値2,522円を記録しており、高値圏での推移となっています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去12ヶ月で1,500.66百万円と、過去数年で増加傾向にあります。
- 営業利益: 過去12ヶ月で533.12百万円と、売上高の増加に伴い増加しています。
- ROE（実績）: 16.49%と高い水準を維持しています。
- 自己資本比率（実績）: 88.1%と非常に高く、財務体質は良好です。
損益計算書（年度別比較）のポイント:
- 売上高、利益ともに増加傾向にあり、成長性が見られます。
- 高いROEは、効率的な資本運用を示唆しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 1.04%
- 1株配当（会社予想）: 24.00円
- 配当性向: 15.41%
配当利回りは、1%台であり、特筆するほど高くはありません。配当性向は15.41%と低く、今後の増配余地があると考えられます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、高値圏で推移しており、上昇トレンドが継続している可能性があります。信用買残は増加傾向にあり、投資家の関心も高いと考えられます。
株価への影響を与える要因:
- GIS市場の成長
- 防災関連のクラウドサービスの需要
- 業績の動向
- 中期経営計画の進捗
11. 総評
ドーンは、GIS分野、特に防災・減災、市民サービス分野に強みを持つ企業です。業績は堅調に推移しており、高いROEと良好な財務体質が特徴です。株価は高値圏にありますが、PERは業界平均並みであり、今後の成長余地を考慮すると、魅力的な投資対象となり得る可能性があります。ただし、今後の株価動向を注視し、リスク管理を徹底する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 2303 |
| 企業名 | ドーン |
| URL | http://www.dawn-corp.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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