1. 企業情報
一正蒲鉾は、水産練り製品（カニ風味かまぼこで首位）、惣菜、きのこを製造・販売する食品メーカーです。特にカニ風味かまぼこは主力製品であり、全国展開を目指しています。新潟県を地盤とし、販売地域の拡大を図っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内でのポジション: 水産練り製品業界で2位、カニ風味かまぼこでは首位です。
- 競争優位性: カニ風味かまぼこにおける高いシェアと、自社ブランド「一正」の認知度が強みです。
- 課題: 原材料価格の高騰や、競合他社との価格競争、消費者の健康志向への対応などが課題として挙げられます。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン: ICHIMASA30ビジョン (2045年度のありたい姿)を目指し、2021年7月から2026年6月までの第二次中期経営計画を推進しています。
- 重点分野:
- 水産練製品・惣菜事業の強化（スティックタイプカニかまの販売促進、おせち商材の拡充）。
- きのこ事業の安定化（天候不順による影響を最小限に抑える対策）。
- コスト削減と効率化の推進。
- 販売チャネルの拡大。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 水産練り製品と惣菜が収益の大部分を占めており、カニ風味かまぼこが主要な収益源です。
- 市場ニーズへの適応力: 健康志向の高まりに対応するため、低カロリー・高タンパク質の商品開発や、多様な食のニーズに対応する商品展開が求められます。
- リスク: 原材料価格の変動、競合激化、消費者の嗜好変化などがリスク要因として挙げられます。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の動向: 製品の品質向上、製造プロセスの効率化、新商品の開発などが重要です。
- 主力製品: カニ風味かまぼこが収益を牽引しており、スティックタイプなどの商品が販売を伸ばしています。
6. 株価の評価
- PER（会社予想）: 14.88倍（業界平均：16.8倍）
- PBR（実績）: 0.95倍（業界平均：1.2倍）
- EPS（会社予想）: 52.22円
- BPS（実績）: 821.83円
- 現在の株価: 777.0円
- 評価: PER、PBRともに業界平均を下回っており、割安感があります。EPSとBPSから見ても、株価は割安と判断できます。
7. テクニカル分析
- 株価推移: 直近10日間の株価は770円から787円の間を推移しており、777円で取引されています。年初来高値は787円、年初来安値は705円です。
- 判断: 現在の株価は年初来高値に近く、高値圏にあると判断できます。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去12ヶ月で34,487百万円と、前期比で増加しています。
- 営業利益: 過去12ヶ月で1,271百万円と、前期比で減少しています。
- 当期純利益: 過去12ヶ月で957百万円と、前期に比べて減少しています。
- ROE（実績）: 6.82%
- ROA（過去12か月）: 1.95%
- 自己資本比率（実績）: 46.2%
- 分析: 過去12ヶ月の業績は、売上高は増加しているものの、利益は減少傾向にあります。ROE、ROAはまずまずの水準ですが、改善の余地があります。自己資本比率は46.2%と、財務体質は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 1.80%
- 1株配当（会社予想）: 14.00円
- 配当性向: 18.23%
- 株主還元策: 配当を実施しています。
- 分析: 配当利回りは平均的であり、配当性向は低く、今後の増配余地があると考えられます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価の変動: 直近10日間の株価は上昇傾向にあり、モメンタムは強いです。
- 株価への影響要因:
- 業績動向（売上高、利益の増減）。
- 原材料価格の変動。
- 競合他社の動向。
- 新商品の開発状況。
- 市場全体の動向。
- 信用取引: 信用買い残は減少、信用売り残は増加しており、売り圧力が強まっている可能性があります。
11. 総評
一正蒲鉾は、カニ風味かまぼこを主力とする水産練り製品メーカーであり、安定した事業基盤を持っています。株価は割安感があり、配当も実施しています。しかし、直近の業績は利益が減少傾向にあり、今後の成長戦略が重要です。株価は高値圏にあり、今後の業績動向や、原材料価格の変動、競合他社の動向などを注視する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 2904 |
| 企業名 | 一正蒲鉾 |
| URL | http://www.ichimasa.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 食品 – 食料品 |
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