1. 企業情報
フジテックは、エレベーター、エスカレーター、動く歩道などの昇降機を製造・販売・設置・保守する企業です。国内4位のシェアを持ち、アジア市場での展開を積極的に行っています。滋賀県彦根市に本社を置き、世界各地に拠点を展開しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
フジテックは、国内エレベーター市場で一定のシェアを占めています。業界内では、大手メーカーとの競争が激しく、技術力、価格競争力、サービス体制などが競争優位性を左右します。アジア市場での成長余地は大きく、今後の業績を左右する重要な要素となります。
3. 経営戦略と重点分野
フジテックは、2024年度を初年度とする5カ年の新中期経営計画「Move On 5」を策定し、売上高3,250億円、営業利益440億円、営業利益率13.5%を目指しています。
重点分野としては、
* 地域/事業ミックスの選択と集中
* 高品質と高収益性の両立
* 強靭な事業基盤の構築
を掲げています。
4. 事業モデルの持続可能性
昇降機は、新設需要だけでなく、既存設備の更新需要やメンテナンス需要も存在するため、安定した収益基盤を築きやすい事業モデルと言えます。市場ニーズの変化に対しては、省エネ性能の向上や、IoT技術を活用した遠隔監視・メンテナンスサービスの提供など、技術革新への対応が重要となります。
5. 技術革新と主力製品
フジテックは、エレベーターやエスカレーターの省エネ化、安全性向上、IoT技術を活用した遠隔監視システムなどの技術開発に注力しています。主力製品は、エレベーター、エスカレーター、動く歩道であり、新設・改修・メンテナンスを通じて収益を上げています。
6. 株価の評価
- 株価: 6,246.0円
- EPS（会社予想）: 217.82円
- PER（会社予想）: 28.68倍 (業界平均: 16.6倍)
- BPS（実績）: 1,994.06円
- PBR（実績）: 3.13倍 (業界平均: 1.4倍)
PERは業界平均を上回っており、割高感があります。PBRも業界平均を上回っています。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2025年6月17日に大きく上昇した後、高値圏で推移しています。年初来高値（6,472円）に近づいており、過熱感には注意が必要です。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去1年間で241,253百万円と、前期比5.2%増。
- 営業利益: 過去1年間で16,171百万円と、前期比11.0%増。
- 当期純利益: 過去1年間で14,514百万円と、前期比18.6%減。
- ROE（実績）: 7.47%
- ROA（過去12か月）: 3.90%
- 自己資本比率（実績）: 59.3%
売上高と営業利益は増加していますが、当期純利益は減少しています。自己資本比率は高く、財務体質は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 2.80%
- 1株配当（会社予想）: 175.00円
- 配当性向: 88.76%
- 自社株買い: なし
配当利回りは平均的な水準です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は上昇傾向にあり、モメンタムは強くなっています。
信用買い残は減少し、信用売り残は増加しており、今後の株価変動に注意が必要です。
機関投資家による保有割合が高く、個人投資家の関心も高いと考えられます。
11. 総評
フジテックは、エレベーター市場で一定の地位を確立し、アジア市場での成長を目指しています。
財務状況は安定していますが、PERは割高感があります。
直近の株価は上昇傾向にあり、高値圏に位置しているため、今後の株価の動向には注意が必要です。
中期経営計画の達成状況や、アジア市場での事業展開の進捗状況などを注視していく必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 6406 |
| 企業名 | フジテック |
| URL | http://www.fujitec.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 機械 – 機械 |
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