1. 企業情報
理研計器株式会社は、産業用ガス検知警報機器および分析機器の研究開発・製造・販売・アフターサービスを国内外で展開する企業です。主力製品は、可搬型・定置型ガス検知器、ガス分析計、公害監視装置、防災関連機器など多岐にわたり、各種センサーを自社一貫生産しています。設立は1934年、本社は東京都板橋区に所在します。
2. 業界のポジションと市場シェア
理研計器は産業用ガス検知警報機器分野で国内最大手です。公害監視装置や防災関連機器にも強みを持ち、環境規制や安全意識の高まりを背景に安定した需要があります。競合は新コスモス電機やホーチキ等ですが、長年の実績・ブランド力・技術力で高い競争優位性を維持しています。一方で、海外展開の拡大や新興国メーカーとの競争が課題となっています。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は「安全・安心な社会の実現」を掲げ、環境・防災・産業インフラ分野への注力を強調しています。中期経営計画では、以下の施策が重点分野です。
– 海外市場の拡大（特にアジア・北米）
– 新技術・新製品の開発（IoT対応や高感度センサー等）
– サービス・メンテナンス体制の強化
– ESG（環境・社会・ガバナンス）経営の推進
4. 事業モデルの持続可能性
主力のガス検知警報機器は、法規制や安全基準の強化により安定した市場ニーズが見込まれます。定期的な保守・点検サービスによるストック型収益も特徴です。市場の変化に対しては、IoTやAI技術の導入により、リモート監視やデータ活用サービスの拡充を進めています。
5. 技術革新と主力製品
理研計器は高感度・高信頼性のセンサー技術に強みがあります。近年はIoT対応製品やスマート型ガス検知器、複合ガス検知器などを開発し、差別化を図っています。主力製品は定置型・可搬型ガス検知警報機器で、国内外の工場やインフラ施設で広く採用されています。
6. 株価の評価
- 株価: 2,933円
- EPS（会社予想）: 187.21円
- BPS（実績）: 1,687.03円
- PER（会社予想）: 15.67倍（業界平均21.1倍）
- PBR（実績）: 1.74倍（業界平均1.8倍）
株価は業界平均PER・PBRよりやや割安な水準に位置しています。
7. テクニカル分析
- 年初来高値: 3,830円
- 年初来安値: 2,160円
- 直近株価: 2,933円
- 50日移動平均: 2,761円
- 200日移動平均: 3,305円
年初来高値からは下落していますが、50日移動平均を上回り、安値圏からは反発傾向も見られます。直近10日間ではやや下落基調が続いています。
8. 財務諸表分析
- 売上高（2024/3期）: 455億円（前年比+1.3%）
- 営業利益: 115億円（営業利益率約25%）
- 純利益: 84億円（純利益率約18%）
- ROE: 10.68%
- ROA: 7.33%
- 自己資本比率: 83.5%
- 営業キャッシュフロー: 63億円
- フリーキャッシュフロー: 43億円
売上・利益ともに堅調に推移し、財務基盤は非常に健全です。自己資本比率が高く、キャッシュリッチな体質です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（予想）: 1.70%
- 1株配当（予想）: 50円
- 配当性向: 26.15%
- 自社株買い: 自己株式保有あり（1.57%）
安定配当を維持しつつ、配当性向も無理のない水準です。自己株式の取得も実施し、株主還元意識は高いといえます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近1年で株価は高値から下落（-23.92%）
- 直近出来高は増加傾向、信用倍率は1.55倍と落ち着いた水準
- インサイダー保有19%、機関投資家保有55%と安定株主が多い
株価は調整局面ですが、出来高増加や安定株主比率の高さから一定の投資家関心が維持されています。
11. 総評
理研計器は、産業用ガス検知警報機器分野で国内最大手として高い技術力とブランド力を有し、安定した財務基盤と収益性を維持しています。市場ニーズの変化や規制強化に適応しつつ、海外展開や新技術開発にも積極的です。株価は業界平均と比較してやや割安水準にあり、安定配当と株主還元策も特徴です。今後は海外市場の成長や新製品開発動向が注目されます。
企業情報
| 銘柄コード | 7734 |
| 企業名 | 理研計器 |
| URL | http://www.rikenkeiki.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 電機・精密 – 精密機器 |
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