1. 企業情報

  • 企業名: 北國フィナンシャルホールディングス(Hokkoku Financial Holdings, Inc.)
  • 本社所在地: 石川県金沢市広岡2-12-6
  • 設立: 2021年10月1日(前身の北國銀行は1943年創業)
  • 従業員数: 1,891人
  • 事業内容: 北國銀行を中核とする金融持株会社。主に銀行業(預金、貸出、クレジットカード、信用保証、事業再生ファンド運営、サービサー事業等)とリース業を展開。石川県を中心に、富山県にも注力。県内融資シェアは約45%と圧倒的な地位を持つ。その他、債権管理回収、投資助言サービスも提供。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 業界区分: 地方銀行(地銀中位)
  • 地域シェア: 石川県で圧倒的(融資シェア4割半ば)、富山県でも存在感を強化中。
  • 競争優位性: 地元密着型の営業基盤、長年の取引関係、地域経済との結びつきが強み。
  • 課題: 地域経済の人口減少や産業構造変化による成長性の制約、低金利環境下での収益力維持、デジタル化対応など。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン・戦略: 持株会社化(2021年10月)により、グループ全体での総合金融サービス強化と経営効率化を推進。地域密着型金融の深化と、非金利収益(手数料ビジネス等)の拡大を目指す。
  • 中期経営計画: 具体的な施策は開示されていないが、株式分割や自己株式消却・取得など資本政策の機動的な運用を実施。地域経済活性化やデジタルサービスの拡充も重点分野と考えられる。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル: 主に預金・貸出による利鞘収益が中心。中小企業向け融資が73%、住宅・消費者向けが36%と、地域企業・個人双方にバランスよく展開。
  • 市場ニーズへの適応力: 地域経済の変化に応じた新サービス(事業再生、投資助言等)を拡大。デジタル化や非金利収益の強化が今後のカギ。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発の動向: 決算短信等に詳細記載はないが、金融デジタル化(ネットバンキング、キャッシュレス等)への対応が進んでいると推察。
  • 主力サービス: 地域密着型の銀行業務、リース事業、クレジットカード、信用保証、事業再生ファンド運営など。

6. 株価の評価

  • 株価: 4,745円(2025/6/20終値)
  • EPS(会社予想): 484.50円
  • BPS(実績): 9,338.59円
  • PER(会社予想): 9.79倍(業界平均10.7倍と比較してやや割安)
  • PBR(実績): 0.51倍(業界平均0.4倍より高いが、依然として1倍未満)
  • 時価総額: 1,087億円

7. テクニカル分析

  • 年初来高値: 6,230円
  • 年初来安値: 4,280円
  • 50日移動平均: 4,934.5円
  • 200日移動平均: 5,025.33円
  • 直近の株価推移: ここ10日間は4,700円台後半~4,800円台で推移し、やや下落傾向。移動平均線より下に位置しており、安値圏にあると考えられる。

8. 財務諸表分析

  • 売上高: 89,576百万円(2025年3月期、前年比減少傾向)
  • 純利益: 8,120百万円(2025年3月期、前年比減少)
  • 営業キャッシュフロー: 4,899億円(安定的な資金流入)
  • ROE: 3.56%(やや低水準)
  • ROA: 0.14%
  • 自己資本比率: 3.3%(銀行業としては低め、財務健全性に注意が必要)
  • 利益率: 利益率は10%台前半で安定
  • 過去数年の傾向: 収益・利益ともにやや減少傾向。株式売却益の減少等が影響。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(会社予想): 4.21%
  • 1株配当(会社予想): 200.00円(株式分割前ベース)
  • 配当性向: 33.82%(安定的な水準)
  • 自社株買い: 2025年4月30日に自己株式取得を決議、資本政策の柔軟運用と株主還元を重視
  • 株式分割: 2025年10月1日に1:10の株式分割実施予定

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 株価変動傾向: 直近1年で高値から下落(年初来高値6,230円→現在4,745円)、52週変動率-8.04%
  • 出来高: 直近10日間の平均出来高は約48,000株、流動性は安定
  • 信用取引動向: 信用買残増加、信用倍率4.8倍と買い優勢
  • 影響要因: 地域経済動向、金利環境、株式分割・自社株買いなど資本政策が株価に影響

11. 総評

北國フィナンシャルホールディングスは、石川県を中心に圧倒的なシェアを持つ地方銀行グループです。持株会社化によりグループ経営の効率化と総合金融サービスの強化を進めていますが、収益・利益はやや減少傾向にあります。自己資本比率が低めで財務健全性には注意が必要ですが、配当利回りは高く、株主還元策も積極的に実施しています。株価は年初来高値から下落し、現在は安値圏に位置しています。今後は、地域経済の動向やデジタル化対応、非金利収益の拡大などが注目されます。
※本レポートは情報提供を目的とし、投資判断を推奨するものではありません。


企業情報

銘柄コード 7381
企業名 北國フィナンシャルホールディングス
URL https://www.hokkokubank.co.jp/hokkokufhd/index.html
市場区分 プライム市場
業種 銀行 – 銀行業

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By シャーロット

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