1. 企業情報

  • 事業内容: エイチワンは、ホンダ系の車体骨格部品メーカーです。自動車フレーム(フロントバルクヘッド、フロントサイドフレームなど)やドアビームなどの車体骨格部品を主力としています。加工・溶接技術に強みを持ち、ホンダ向けが売上の大部分を占めています。インド、タイなど海外展開も行っています。
  • 特徴: 車体骨格部品の製造に特化しており、ホンダとの強固な関係が特徴です。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 業界内でのポジション: 自動車部品業界に属し、特に車体骨格部品に強みを持っています。ホンダのサプライヤーとしての地位は安定していますが、自動車業界全体の動向に業績が左右されやすい側面があります。
  • 競争優位性: ホンダとの長年の取引による信頼関係、高い加工・溶接技術が強みです。
  • 課題: 特定の顧客への依存度が高く、自動車業界全体の需要変動や、競合他社の台頭による影響を受ける可能性があります。

3. 経営戦略と重点分野

  • 経営ビジョン: 2024年5月に新中期経営計画「Change 2027」を策定し、「ビジネスポートフォリオと事業構造の転換・組み換え」を企図しています。
  • 重点分野:
    • グループ経営管理の強化
    • 既存事業の採算性改善
    • 利益率の高い製品への選択と集中
    • 技術・開発への資源シフト

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル: ホンダ向けの車体骨格部品の製造・販売が中心です。
  • 市場ニーズへの適応力: 電気自動車(EV)シフトに対応するため、軽量化技術や新素材への対応が求められます。中期経営計画では、事業構造の転換を掲げており、EV関連部品へのシフトや、新たな技術開発への投資が重要になります。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発の動向: 軽量化技術、高強度鋼板の採用、溶接技術の高度化などが重要です。
  • 主力製品: 自動車フレーム、ドアビームなどの車体骨格部品。

6. 株価の評価

  • PER(会社予想): 3.53倍 (業界平均: 17.5)
  • PBR(実績): 0.55倍 (業界平均: 0.7)
  • EPS(会社予想): 356.45円
  • BPS(実績): 2,281.30円

    現在のPERは業界平均と比較して低く、割安感があります。PBRも1倍を大きく下回っており、割安と判断できます。

    7. テクニカル分析

    • 株価推移:
    • 直近10日間の株価は1229円から1264円の間を推移しており、やや上昇傾向にあります。
    • 年初来高値は1310円、年初来安値は871円です。
    • 50日移動平均線は1187円、200日移動平均線は1062.15円であり、両移動平均線を上回って推移しています。
    • 判断: 株価は年初来高値に近づいており、上昇トレンドにあると考えられます。

8. 財務諸表分析

  • 売上高: 2025年3月期は2281.45億円で、前期比2.0%減。
  • 営業利益: 2025年3月期は118.6億円。
  • 当期利益: 2025年3月期は107.28億円。
  • ROE(実績): 18.00%
  • 自己資本比率(実績): 35.8%

    2025年3月期は売上高が減少しましたが、営業利益、当期利益は増加しています。ROEは高く、効率的な経営が行われていることを示唆しています。自己資本比率も35.8%と、財務基盤は安定しています。

    9. 株主還元と配当方針

    • 配当利回り(会社予想): 5.08%
    • 1株配当(会社予想): 64.00円
    • 配当性向: 31.33%
    • 株主還元策: 年間配当は50円。高い配当利回りは、投資家にとって魅力的な要素です。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 株価の変動: 直近10日間の株価は上昇傾向にあり、モメンタムは良好です。
  • 信用取引: 信用買残は増加、信用売残は減少しており、買い優勢の状況です。信用倍率は27.32倍と非常に高く、今後の株価変動に注意が必要です。
  • 株価への影響要因: 自動車業界の動向、ホンダの業績、新中期経営計画の進捗、EVシフトへの対応などが株価に影響を与える可能性があります。

11. 総評

エイチワンは、ホンダ向けの車体骨格部品を主力とするメーカーであり、高い技術力と安定した顧客基盤を持っています。現在の株価は割安感があり、高い配当利回りも魅力的です。直近の業績は回復傾向にあり、ROEも高い水準を維持しています。
* ポジティブな点: 割安な株価、高い配当利回り、ROEの高さ、株価の上昇トレンド。
* 懸念点: ホンダへの依存度が高いこと、自動車業界全体の需要変動の影響を受けやすいこと、EVシフトへの対応。

総合的な見解:

現時点では、割安感と高い配当利回りから、投資妙味のある銘柄と考えられます。ただし、自動車業界の動向や、中期経営計画の進捗状況、EVシフトへの対応などを注視し、リスク管理を徹底することが重要です。


企業情報

銘柄コード 5989
企業名 エイチワン
URL http://www.h1-co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 建設・資材 – 金属製品

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