1. 企業情報

大成建設は、非同族系の総合建設会社であり、東京証券取引所プライム市場に上場しています。国内事業に集中しており、市街地再開発に強みを持っています。事業内容は、土木、建築、不動産開発など多岐にわたります。

2. 業界のポジションと市場シェア

大成建設は、大手ゼネコンの一角を占めており、高い技術力と豊富な実績を有しています。首都圏の再開発プロジェクトから、大型土木工事まで幅広く手掛けています。建設業界は競争が激しいですが、大成建設は、長年の実績と技術力、そして市街地再開発における強みを活かして、競争優位性を確立しています。

3. 経営戦略と重点分野

大成建設は、中期経営計画において、売上高、営業利益、純利益、ROEなどの数値目標を掲げています。2024-2026の中期経営計画の最終年度(2026年度)における目標は、グループ売上高1兆9600億円、グループ営業利益1010億円、グループ純利益800億円、ROE9.5%程度、配当性向30%以上です。重点分野としては、都市開発、環境配慮型技術、海外事業などが挙げられます。

4. 事業モデルの持続可能性

大成建設の事業モデルは、公共事業と民間事業の両方に依存しており、景気変動の影響を受けやすい側面があります。しかし、都市開発やインフラ整備に対する需要は安定しており、長期的な視点で見れば、持続可能性は高いと考えられます。また、環境配慮型技術への投資や、海外事業の展開など、新たな収益源の確保にも取り組んでいます。

5. 技術革新と主力製品

大成建設は、建設技術の研究開発に積極的に取り組んでいます。具体的な技術としては、免震・制震技術、省エネ技術、BIM(Building Information Modeling)を活用した設計・施工技術などが挙げられます。これらの技術は、高品質な建築物の実現や、建設コストの削減に貢献しています。

6. 株価の評価

指標
株価 8,320.0円
PER(会社予想) 17.87倍
PBR(実績) 1.65倍
EPS(会社予想) 465.62円
BPS(実績) 5,041.43円
配当利回り 1.80%
業界平均PER 14.0
業界平均PBR 1.1

PERは17.87倍であり、業界平均の14.0と比較するとやや割高です。PBRは1.65倍であり、業界平均の1.1と比較すると割高です。

7. テクニカル分析

直近10日間の株価は、8,000円~8,485円の範囲で変動しており、2025年6月20日の終値は8,320円でした。年初来高値は8,485円、年初来安値は5,793円です。50日移動平均線は7,739.04円、200日移動平均線は6,848.16円です。

8. 財務諸表分析

指標 2025/3 (百万円) 2024/3 (百万円) 2023/3 (百万円)
売上高 2,154,223 1,765,023 1,642,712
営業利益 120,161 26,481 54,742
経常利益 134,500 38,900 68,094
当期純利益 123,824 40,272 47,124
ROE 13.79%
ROA 3.00%
自己資本比率 35.7%

売上高は増加傾向にあり、2025年3月期には2兆1542億円となりました。営業利益、経常利益、当期純利益も大幅に増加しており、業績は好調です。ROEは13.79%と高い水準にあります。

9. 株主還元と配当方針

指標
配当利回り(会社予想) 1.80%
1株配当(会社予想) 150.00円
配当性向 30.8%

大成建設は、株主還元として配当を実施しています。2025年3月期の年間配当は150円を予定しており、配当性向は30.8%です。

10. 株価モメンタムと投資家関心

直近の株価は上昇傾向にあり、好調な業績を反映していると考えられます。信用買残は増加、信用売残は減少しており、買い優勢の状況です。

11. 総評

大成建設は、大手ゼネコンとして高い技術力と実績を有し、市街地再開発に強みを持っています。直近の業績は好調であり、売上高、利益ともに増加しています。株価は、PER、PBRともに業界平均より割高ですが、今後の成長期待を反映している可能性があります。ただし、建設業界は景気変動の影響を受けやすいため、今後の動向を注視する必要があります。


企業情報

銘柄コード 1801
企業名 大成建設
URL http://www.taisei.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 建設・資材 – 建設業

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