1. 企業情報
- 企業名: 名古屋鉄道株式会社（Nagoya Railroad Co., Ltd.）
- 設立: 1921年6月13日
- 本社所在地: 愛知県名古屋市中村区名駅4-8-26
- 代表者: 高崎 裕樹
- 従業員数: 31,013人
- 平均年齢・年収: 44.6歳、6,330千円
- 概要: 中部地方最大の私鉄で、鉄道、バス、タクシーなどの交通事業を中心に、不動産、ホテル、レジャー、百貨店、航空関連サービスなど多角的に展開。グループ全体で幅広い事業ポートフォリオを持つ。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内ポジション: 中部エリア最大の私鉄であり、名古屋市と愛知・岐阜両県を結ぶ444.2kmの鉄道ネットワークを展開。地域密着型の強みを持つ。
- 競争優位性・課題: 地域独占性が高い一方、人口減少やコロナ禍を経た移動需要の変化、インフラ維持コスト、少子高齢化による利用者減少などが課題。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・戦略: 交通インフラの安定運営とともに、非交通分野（不動産、ホテル、レジャー等）の拡大による収益多様化を推進。
- 中期経営計画の施策:
- 鉄道ネットワークの安全・利便性向上
- 駅周辺開発・不動産事業の強化
- ホテル・レジャー施設の再活性化
- デジタル化・省力化投資による効率化
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 交通事業の安定収益に加え、不動産・ホテル・レジャー・流通・航空関連など多角化によるリスク分散。
- 市場ニーズへの適応力: コロナ禍からの回復傾向が続く一方、人口減少や働き方の変化への対応が今後の持続性の鍵。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の動向・独自性: 鉄道運行の安全性向上、ICカード導入、駅ナカ商業施設の充実など、利便性・サービス向上に注力。
- 収益を牽引する主力事業: 交通事業（鉄道・バス）、不動産（駅周辺開発）、ホテル・レジャー施設（明治村など）。
6. 株価の評価
- EPS（1株当たり利益）: 167.67円（過去12か月）
- BPS（1株当たり純資産）: 2,354.77円
- 株価（2025/6/23終値）: 1,595円
- PER（株価収益率）: 1,595円 ÷ 167.67円 ≒ 9.51倍（業界平均13.9倍と比較し低水準）
- PBR（株価純資産倍率）: 1,595円 ÷ 2,354.77円 ≒ 0.68倍（業界平均1.0倍と比較し低水準）
7. テクニカル分析
- 直近株価推移: 10日間で1,595円～1,644円のレンジで推移し、直近は下落基調。
- 52週高値/安値: 高値1,851円、安値1,595円（本日安値で下値接近）。
- 移動平均線: 50日: 1,681.41円、200日: 1,719.92円。現株価は両移動平均を下回り、安値圏に位置。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2021年 4,816億円 → 2024年 6,011億円（回復基調）
- 営業利益: 2021年 -163億円 → 2024年 347億円（黒字転換・大幅増益）
- 純利益: 2021年 -287億円 → 2024年 244億円
- ROE: 7.80%
- ROA: 1.91%
- 営業キャッシュフロー: 787億円（過去12か月）
- フリーキャッシュフロー: -661億円（投資負担大きい）
- 自己資本比率: データ未記載だが、Debt/Equity 117.5%とやや高め
- 流動比率: 0.72（短期の支払い能力はやや低い）
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り: 予想配当利回り 4.89%（78.5円/株）、実績2.40%（38.5円/株）
- 配当性向: 22.96%（利益の2割強を配当に回す）
- 自社株買い: 自己株式保有は0.02%と限定的
- 5年平均配当利回り: 0.97%（近年増配傾向）
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近の株価変動: 52週で-7.47%と下落傾向。直近10日でも下値を試す展開。
- 信用取引動向: 信用買残増加、信用倍率16.98倍と買いが積み上がる一方、売残もやや増加。
- 出来高: 直近10日平均で50万株超、流動性は高い。
- 投資家構成: 機関投資家32.73%、インサイダー1.6%、安定株主が多い。
11. 総評
名古屋鉄道は、中部地方最大の私鉄グループとして、交通インフラを基盤に不動産やホテル、レジャーなど多角化を進めている企業です。コロナ禍からの回復を受けて業績は大きく改善し、売上・利益ともに堅調な成長を示しています。財務面では営業キャッシュフローが潤沢な一方、設備投資負担も大きく、フリーキャッシュフローはマイナスとなっています。株価は業界平均と比較して割安な水準にあり、配当利回りも高い傾向です。直近では株価が安値圏にあるものの、信用買い残が積み上がっており、需給面での動向に注視が必要です。今後は人口動態や地域経済の動向、非交通分野の収益拡大策が持続的成長のカギとなります。
企業情報
| 銘柄コード | 9048 |
| 企業名 | 名古屋鉄道 |
| URL | http://www.meitetsu.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 運輸・物流 – 陸運業 |
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