1. 企業情報
株式会社エスイー（3423）は、建設用資機材の製造・販売を主軸とする企業です。具体的には、落橋防止装置などの環境・防災関連設備、PC（プレストレストコンクリート）用定着工法、建築・土木用の金属製品などを手掛けています。また、建設コンサルタント業務や補修・補強工事も行っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
エスイーは、落橋防止装置分野で高いシェアを誇っています。PC用定着工法においても実績があり、技術力に強みを持っています。建設業界は、公共事業や民間需要に左右されやすく、競争も激しい業界です。同社の課題としては、原材料価格の高騰や労働力不足といった問題が挙げられます。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、中期経営計画2023-2025を推進しています。重点分野としては、高速道路リニューアル関連への対応、首都圏の再開発工事への対応、社会インフラの老朽化対策などが挙げられます。また、アフリカ諸国など海外での事業展開も目指しています。
4. 事業モデルの持続可能性
エスイーの収益モデルは、建設需要に大きく依存しています。インフラの老朽化対策や、防災・減災へのニーズの高まりは、同社にとって追い風となる可能性があります。しかし、建設業界全体が抱える課題（人手不足、原材料価格の高騰など）は、事業の持続可能性に影響を与える可能性があります。
5. 技術革新と主力製品
エスイーは、PC用定着工法など、独自の技術を有しています。主力製品としては、落橋防止装置、PCケーブル、建築・土木用の金属製品などが挙げられます。これらの製品は、インフラ整備や改修において重要な役割を果たしています。
6. 株価の評価
- 株価: 262.0円（2025年6月24日終値）
- EPS（会社予想）: 1.89円
- PER（会社予想）: 139.15倍 (業界平均: 11.3)
- BPS（実績）: 370.67円
- PBR（実績）: 0.71倍 (業界平均: 0.5)
EPSとPERから、現在の株価は割高と判断できます。PBRは1倍を下回っており、割安感があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は260円～264円のレンジで推移しており、方向感に乏しい状況です。50日移動平均線（261.26円）と200日移動平均線（269.83円）を下回っており、短期的なトレンドは弱気と見られます。年初来高値は285円、年初来安値は238円です。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2025年3月期は258.87億円で、前期比2.2%減。
- 営業利益: 2025年3月期は8.49億円で、前期比37.7%減。
- 当期純利益: 2025年3月期は5.43億円で、前期比43.9%減。
- ROE（実績）: 4.90%
- ROA（過去12か月）: 2.05%
- 自己資本比率（実績）: 44.0%
売上高は減少、利益も大幅に減少しており、業績は低調です。自己資本比率は44.0%と、財務体質は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 4.94%
- 1株配当（会社予想）: 13.00円
- 配当性向: 46.43%
配当利回りは約5%と、高い水準です。2026年3月期も1株当たり13.00円の配当が予想されています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、方向感に乏しい状況です。信用倍率は12.89倍と、買残が売残を大きく上回っており、需給はやや悪化しています。
11. 総評
エスイーは、建設用資機材の製造・販売を主軸とし、落橋防止装置などで高いシェアを持つ企業です。しかし、2025年3月期の業績は減収減益となっており、今後の業績回復が課題です。株価はPERが高く、割高感がありますが、PBRは低く、割安感もあります。配当利回りは高いものの、業績悪化を受けて、今後の株価動向には注意が必要です。
テクニカル面では、短期的なトレンドは弱気です。
企業情報
| 銘柄コード | 3423 |
| 企業名 | エスイー |
| URL | http://www.se-corp.com/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 金属製品 |
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