1. 企業情報
北興化学工業は、農薬を主力とする化学メーカーです。農薬事業に加え、医薬中間体、電子材料、樹脂などのファインケミカル事業も展開しています。全農系企業であり、安定した事業基盤を持っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
農薬分野では大手の一角を占めています。ファインケミカル分野も手掛けることで、事業ポートフォリオを多様化し、農薬市場の変動リスクを軽減しています。
競争優位性: 全農系であることによる安定した取引基盤、農薬とファインケミカルのバランスの取れた事業ポートフォリオ。
課題: 農薬市場は競合が多く、価格競争に巻き込まれる可能性。
3. 経営戦略と重点分野
経営ビジョン: 第2次3ヶ年経営計画(2nd Stage)を推進し、収益基盤・生産基盤の強化を目指しています。農薬事業とファインケミカル事業を両輪とした経営をさらに進化させる方針です。
中期経営計画:
- 収益基盤と生産基盤の強化
- 農薬事業とファインケミカル事業の成長戦略の実行
- 次世代の成長領域への投資
4. 事業モデルの持続可能性
農薬事業は、食料生産における不可欠な要素であり、安定した需要が見込めます。ファインケミカル事業は、高付加価値製品を提供することで、収益性の向上を図っています。
収益モデル: 農薬の販売、ファインケミカル製品の販売。
市場ニーズへの適応力: 農薬市場のニーズ変化に対応するため、新製品の開発や、ファインケミカル分野の強化を図っています。
5. 技術革新と主力製品
技術開発: 農薬分野における新製品開発、ファインケミカル分野における高機能製品の開発。
主力製品: 農薬製品、医薬中間体、電子材料、樹脂。
6. 株価の評価
- 株価: 1,355.0円
- PER（会社予想）: 9.30倍（業界平均: 15.9）
- PBR（実績）: 0.72倍（業界平均: 0.7）
- EPS（会社予想）: 145.71円
- BPS（実績）: 1,875.05円
PERは業界平均よりも低く、割安感があります。PBRは業界平均と同程度です。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、1300円台から1400円台で推移しており、やや上昇傾向にあります。年初来高値（1,482円）には近づいていますが、まだ高値圏とまでは言えません。50日移動平均線（1265.88円）と200日移動平均線（1299.22円）を上回っており、上昇トレンドを示唆しています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去5年間で増加傾向にあり、2024年11月期は461億9500万円。
- 営業利益: 2024年11月期は45億4000万円と、過去5年間で高い水準。
- 当期純利益: 2024年11月期は40億600万円と、過去5年間で高い水準。
- ROE（実績）: 8.62%
- ROA（過去12か月）: 3.87%
- 自己資本比率（実績）: 70.7%
売上高、利益ともに堅調に推移しており、財務体質も良好です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 2.95%
- 1株配当（会社予想）: 40.00円
- 配当性向: 21.60%
- 自社株買い: 2025年4月10日に1,500,000株を消却。
安定した配当を実施しており、株主還元にも積極的です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は上昇傾向にあり、モメンタムは良好です。信用買残は減少、信用売残は増加しており、需給はやや悪化しています。
株価への影響要因:
- 農薬市場の動向
- ファインケミカル事業の業績
- 為替レートの変動
- 世界的な食料需要の動向
11. 総評
北興化学工業は、農薬とファインケミカル事業を両輪とする安定した事業基盤を持つ企業です。財務状況も良好で、株主還元にも積極的です。株価は割安感があり、テクニカル的にも上昇トレンドを示唆しています。今後の業績拡大と株価上昇に期待できます。
注意点:
- 農薬市場の競争激化
- 原材料価格の変動リスク
- 世界経済の動向
本レポートは、情報提供を目的としており、投資助言を行うものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。
企業情報
| 銘柄コード | 4992 |
| 企業名 | 北興化学工業 |
| URL | http://www.hokkochem.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 化学 |
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