1. 企業情報
協和キリンは、キリンホールディングス傘下の製薬会社で、医薬品の研究開発、製造、販売をグローバルに展開しています。バイオテクノロジー分野に強みを持ち、抗体医薬などの新薬開発に注力しています。富士フイルムとの提携も行っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
協和キリンは、国内の製薬業界において、研究開発型の企業として一定のプレゼンスを有しています。特に、バイオ医薬品分野での技術力に強みを持っています。競合他社との差別化を図り、ニッチ市場や新薬開発に注力することで、競争優位性を確立しようとしています。
課題: 医薬品業界は、新薬開発の成功が業績を大きく左右するため、研究開発の進捗や承認状況が重要となります。また、後発医薬品との競争や、薬価制度の変更など、外部環境の変化にも対応していく必要があります。
3. 経営戦略と重点分野
協和キリンは、2021-2025年中期経営計画において、CAGR10%以上、研究開発費率18~20%目処、コア営業利益率25%以上、配当性向40%目処、ROE10%以上を目標としています。
重点分野:
- 新薬開発の加速
- グローバル市場での販売拡大
- バイオテクノロジー技術の活用
4. 事業モデルの持続可能性
協和キリンの収益モデルは、新薬の開発・販売に依存しています。新薬の特許期間中は高い収益性が見込めますが、特許切れ後は後発医薬品との競争に直面します。
市場ニーズへの適応力:
- 未だ満たされていない医療ニーズに対応する新薬の開発
- グローバル市場への展開
5. 技術革新と主力製品
協和キリンは、独自の抗体高活性化技術に強みを持っています。
主力製品:
- Crysvita/クリースビータ (遺伝性低リン血症治療薬)
- Poteligeo/ポテリジオ (抗CCR4抗体)
- その他、様々な新薬候補を開発中
6. 株価の評価
- 株価: 2,487.5円 (2025年6月25日)
- EPS（会社予想）: 108.91円
- PER（会社予想）: 22.81倍 (業界平均: 27.8)
- BPS（実績）: 1,588.59円
- PBR（実績）: 1.56倍 (業界平均: 1.4)
PERは業界平均を下回っており、割安感がある可能性があります。PBRは業界平均をやや上回っています。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、2465円から2504円の間を推移しており、比較的安定した動きを見せています。年初来高値は2504円であり、現在の株価は高値圏に位置しています。50日移動平均線は2293.37円、200日移動平均線は2376.43円です。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去12ヶ月で495,558百万円と、増加傾向にあります。
- 営業利益: 過去12ヶ月で91,866百万円と、安定しています。
- 当期純利益: 2024年12月期は59,870百万円、2023年12月期は81,188百万円と、変動が見られます。
- ROE（実績）: 7.10%
- 自己資本比率（実績）: 79.7%
売上高は増加傾向にあり、財務体質は良好です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 2.41%
- 1株配当（会社予想）: 60.00円
- 配当性向: 59.44%
- Ex-Dividend Date: June 27, 2025
安定した配当を実施しており、株主還元にも積極的な姿勢を示しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、比較的安定した推移を見せています。信用買い残は減少傾向にあり、信用倍率は1.49倍です。
株価への影響要因:
- 新薬開発の進捗状況
- グローバル市場での販売実績
- 競合他社の動向
- 医薬品業界全体の動向
11. 総評
協和キリンは、バイオテクノロジー分野に強みを持つ製薬会社であり、安定した財務基盤と株主還元を行っています。新薬開発の進捗が今後の成長を左右する重要な要素となります。現在の株価は、PERで見て割安感がある可能性があります。投資判断にあたっては、新薬開発の進捗や、グローバル市場での販売戦略などを注視する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 4151 |
| 企業名 | 協和キリン |
| URL | https://www.kyowakirin.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 医薬品 – 医薬品 |
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