1. 企業情報
企業名: グローリー（GLORY Ltd.）
本社所在地: 兵庫県姫路市下手野1-3-1
設立: 1944年11月27日
従業員数: 11,392人
事業内容:
グローリーは、現金処理機器（紙幣・硬貨の計数機、両替機、現金リサイクラー等）や決済システムの開発・製造・販売・保守を行っています。主な顧客は金融機関、小売業、交通機関、遊技場（パチンコホール等）、警備輸送会社など。国内外で事業展開しており、海外では小売・飲食分野にも注力しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内ポジション: 国内の金融機関向け現金処理機器で高いシェアを持つ大手企業です。海外展開も積極的で、グローバル市場でのプレゼンスを拡大中です。
- 競争優位性: 長年培った技術力と国内金融機関との強固な取引関係が強みです。海外では現地ニーズへの適応やサポート体制の強化が課題となっています。
- 課題: キャッシュレス化の進展や、海外市場での競争激化が今後のリスク要因と考えられます。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営陣のビジョン: 「現金とデジタルが共存する社会の実現」を掲げ、現金処理機器の高度化とデジタル決済関連ソリューションの拡充を進めています。
- 中期経営計画: 具体的な進捗や施策は公開情報に記載がありませんが、海外市場の拡大、流通・交通市場でのシェア拡大、サービス・保守事業の強化が重点分野とみられます。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 機器の販売・設置に加え、保守・サービス収入が安定収益源となっています。
- 市場ニーズへの適応力: キャッシュレス化の進展により市場環境は変化していますが、現金管理の効率化需要や新興国での現金流通増加により一定の需要が見込まれます。デジタル決済関連サービスの拡充も進めています。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発動向: 現金リサイクラーや自動釣銭機、セルフレジ用機器などの開発が進められています。ソフトウェアによる現金管理・データ分析サービスも強化中です。
- 主力製品・サービス: 金融機関向け現金リサイクラー、流通・交通向けの現金処理機器、海外向け現金管理システム、保守・メンテナンスサービスなどが収益を牽引しています。
6. 株価の評価
- EPS（会社予想）: 173.02円
- BPS（実績）: 4,214.94円
- PER（会社予想）: 18.74倍（業界平均16.6倍よりやや高い水準）
- PBR（実績）: 0.77倍（業界平均1.4倍より割安圏）
- 株価: 3,243円
- 理論株価目安:
- BPS×業界平均PBR = 4,214.94円 × 1.4 = 約5,901円
- EPS×業界平均PER = 173.02円 × 16.6 = 約2,872円
- 現在の株価はBPS基準では割安、EPS基準ではやや割高な水準といえます。
7. テクニカル分析
- 年初来高値: 3,313円
- 年初来安値: 2,136円
- 直近株価推移: 直近10日間は3,200円台で推移し、年初来高値圏に位置しています。
- 移動平均線: 50日移動平均3,864円、200日移動平均2,653円より上回っており、上昇トレンドが継続しています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 369,017百万円（前年比-0.9%）
- 営業利益: 35,173百万円（前年比-31.2%）
- 純利益: 16,053百万円（前年比-45.7%）
- ROE: 6.93%
- ROA: 4.84%
- 自己資本比率: 53.3%
- キャッシュフロー: 営業CF 45,750百万円、フリーCF 46,820百万円
- 財務安全性: 自己資本比率50%超、流動比率2.01と健全
- 利益率: 営業利益率6.55%、純利益率4.35%
- 傾向: 直近年度は減益傾向（特に純利益・営業利益の減少が目立つ）。売上は横ばい～微減。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（予想）: 3.45%
- 1株配当（予想）: 112円
- 配当性向: 37.53%
- 自社株買い: 自己株式保有あり（保有割合1.94%）
- 過去平均配当利回り: 5年平均3.20%と安定した配当政策を維持
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価モメンタム: 直近1年で14.29%上昇、年初来高値圏で推移
- 出来高: 直近10日平均18万株台、流動性は安定
- 信用取引動向: 信用買残は減少傾向、信用倍率1.31倍と需給は安定
- 投資家構成: 機関投資家・信託銀行の保有が多く、安定株主比率が高い
11. 総評
グローリーは現金処理機器分野で国内トップクラスのシェアを持ち、海外展開も積極的に進めています。財務基盤は安定しており、配当利回りも比較的高い水準を維持しています。一方、直近の業績は減益傾向にあり、キャッシュレス化や海外市場での競争激化が今後の事業リスクとなります。株価は年初来高値圏にあり、PBRでは割安感がある一方、PERは業界平均をやや上回っています。今後の成長戦略や市場環境の変化に注目が必要です。
> ※本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資判断を目的としたものではありません。
企業情報
| 銘柄コード | 6457 |
| 企業名 | グローリー |
| URL | http://www.glory.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 機械 – 機械 |
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