1. 企業情報

  • 概要: 千葉銀行は、千葉県を中心とする地域金融機関(地銀)大手で、個人・法人向けに銀行業務を展開。預金・貸出を主軸とし、証券、投資運用、IT業務受託、リース、M&Aアドバイザリー、信用保証、債権管理・回収など多岐にわたる金融サービスを提供。武蔵野銀行・横浜銀行との連携や、地銀広域連携にも積極的。千葉興業銀行の筆頭株主。
  • 設立: 1943年3月31日
  • 本社所在地: 千葉市中央区千葉港1-2
  • 従業員数: 4,280人
  • 平均年齢/年収: 38.6歳/7,940千円

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 業界内ポジション: 千葉県内で圧倒的なシェアを持つ地銀最大手。首都圏(東京含む)への展開も強化中。
  • 競争優位性: 地域密着型の顧客基盤、他地銀との提携による広域ネットワークが強み。
  • 課題: 地銀業界全体の人口減少・低金利環境・デジタル化の進展による収益源多様化の必要性。

3. 経営戦略と重点分野

  • 経営ビジョン: 「地域社会・お客さま・行員の未来をともに創る」ことを掲げ、地域経済の発展と顧客サービスの高度化を目指す。
  • 重点分野:
    • 首都圏進出の強化
    • デジタルバンキング・IT活用による業務効率化
    • 法人・個人向けコンサルティングサービス拡充
    • 地銀連携によるスケールメリット追求
  • 中期経営計画: 具体的な施策の詳細は未記載だが、収益力強化・経営基盤安定化・DX推進が主軸。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル: 貸出金利息収入が主軸。中小企業向け融資比率が高く、地域経済との連動性が強い。
  • 市場ニーズ適応力: デジタル化や他行連携を進めることで、新たな金融サービス需要に対応。非金利収入(手数料ビジネス等)の拡大も模索。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術動向: IT・デジタルサービスの強化、AI・フィンテック活用。IT・金融技術の調査・研究部門も保有。
  • 主力商品・サービス: 個人・法人向け融資、預金、投資信託・保険、M&Aアドバイザリー、リース、IT受託業務など。

6. 株価の評価

  • 株価: 1,326円(2025年6月27日終値)
  • PER(予想): 11.04倍(業界平均10.7倍とほぼ同水準)
  • PBR(実績): 0.82倍(業界平均0.4倍より高い)
  • EPS(予想): 120.16円
  • BPS(実績): 1,618.89円
  • 株価と指標の比較:
    • PBRは業界平均を上回っており、資本効率や成長性への一定の評価が示唆される。
    • PERは業界平均並み。
    • 株価はBPSに対して0.82倍と、解散価値(簿価)割れの水準。

7. テクニカル分析

  • 直近株価推移: 1,000円(年初来安値)~1,531円(年初来高値)のレンジ内で推移。
  • 直近10日間の動き: 1,300円台前半でのもみ合いが続く。50日移動平均(1,273円)、200日移動平均(1,253円)を上回る水準。
  • 現在の位置づけ: 年初来高値圏からは下落しているが、移動平均線より上に位置し、やや高値圏。

8. 財務諸表分析

  • 売上高: 362,179百万円(2025年3月期、前年比増加)
  • 経常利益: 107,506百万円(前年比増加)
  • 当期純利益: 74,259百万円(前年比増加)
  • ROE: 6.38%(地銀としては標準的)
  • ROA: 0.35%
  • 自己資本比率: 5.2%(銀行業としてはやや低め)
  • キャッシュフロー: 営業キャッシュフローはマイナス(-3,940億円)、資金運用上の特殊性あり
  • 過去数年の傾向: 売上・利益ともに増加傾向。EPSも増加。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り: 3.62%(予想)、過去5年平均2.88%より高い水準
  • 配当性向: 38.4%
  • 自社株買い: 自己株式保有比率12.18%と高い
  • 配当実績: 2024年3月期40円→2026年3月期予想48円と増配傾向

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 直近の株価モメンタム: 1,300円台前半での揉み合い。年初来高値からは下落傾向だが、移動平均線上で下支えあり。
  • 出来高: 直近10日で平均200万株超と流動性高い。
  • 信用取引: 信用買残減少、信用倍率3.54倍とやや買い優勢。
  • 投資家構成: 機関投資家・信託銀行の保有比率が高い。

11. 総評

千葉銀行は、千葉県を中心とした地銀最大手として、地域密着型の強固な顧客基盤と首都圏展開による成長余地を持つ企業です。直近の業績は増収増益基調で、配当も増配傾向にあり、株主還元姿勢が強化されています。PBRは業界平均を上回り、資本効率や成長期待が一定程度織り込まれています。一方で、自己資本比率はやや低めであり、地銀業界共通の構造課題(人口減少、低金利、デジタル化対応等)への対応が今後の焦点です。株価は移動平均線上に位置し、流動性も高い状況です。
本レポートは情報提供を目的としており、投資判断を推奨・助言するものではありません。


企業情報

銘柄コード 8331
企業名 千葉銀行
URL http://www.chibabank.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 銀行 – 銀行業

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By シャーロット

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