1. 企業情報

  • 企業名: JCRファーマ株式会社
  • 設立: 1975年9月13日
  • 所在地: 兵庫県芦屋市春日町3-19
  • 従業員数: 987人
  • 事業内容: 主に医薬品の研究開発・製造・販売を行うバイオ医薬品企業。成長ホルモン製剤「グロウジェクト」や希少疾病治療薬「イズカーゴ」、ファブリー病治療薬「アガルシダーゼ ベータBS」などを展開。再生医療やバイオ後続品(バイオシミラー)にも注力。国内外の企業と共同研究・開発を進めている。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 業界区分: 医薬品(プライム市場上場)
  • 競争優位性: バイオ医薬品分野での技術力と希少疾病領域での製品ラインナップが特徴。特に成長ホルモン製剤や希少疾病治療薬で一定のシェアを持つ。国内バイオ後続品市場でも存在感を発揮。
  • 課題: 近年は腎性貧血治療薬の減収や、研究開発費の増加による収益性低下が課題。競争激化や新薬開発のリスクも存在。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン・戦略: 希少疾病領域やバイオシミラー、再生医療分野での成長を目指す。グローバル展開やオープンイノベーション(外部企業との提携・共同開発)を推進。
  • 中期経営計画: 積極的な研究開発投資と新製品上市、海外展開の拡大。2026年3月期までに売上高・利益の回復を目指す。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル: 主力医薬品の継続販売と新規バイオ医薬品の上市による収益確保。希少疾病領域は競争が限定的で高収益が見込めるが、市場規模は限定的。
  • 市場ニーズへの適応力: バイオ医薬品・再生医療分野の成長期待は高いが、研究開発リスクや薬価改定リスクが存在。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発動向: ペプチドリームとのキャリアペプチド創製や、Angelini Pharma、Modalis Therapeuticsとの共同開発により、独自技術の強化を図る。
  • 主力製品:
    • 「グロウジェクト」(成長ホルモン製剤)
    • 「イズカーゴ」(ムコ多糖症II型治療薬)
    • 「アガルシダーゼ ベータBS」(ファブリー病治療薬)
    • 「TEMCELL HS Inj」(急性移植片対宿主病治療薬)

6. 株価の評価

  • 株価: 515円(2025/6/27終値)
  • PER(会社予想): 20.92倍(2026年3月期予想EPS24.62円)
  • PBR(実績): 1.34倍(BPS 385.50円)
  • 業界平均: PER 27.8倍、PBR 1.4倍
  • 評価: 2025年3月期は赤字だが、2026年3月期は黒字転換予想。PER・PBRともに業界平均と同水準。

7. テクニカル分析

  • 年初来高値/安値: 641円 / 386円
  • 直近10日間の株価推移: 6月中旬以降は下落基調から横ばい~やや下落傾向。50日移動平均(504.92円)付近で推移しており、200日移動平均(571.90円)を下回る。
  • 評価: 年初来安値からは回復基調だが、高値圏とは言い難い水準。

8. 財務諸表分析

  • 売上高: 2025年3月期 33,072百万円(前年比22.9%減)
  • 営業利益: △6,650百万円(赤字転落)
  • 当期純利益: △4,759百万円(赤字転落)
  • ROE: -9.30%
  • ROA: -4.13%
  • 自己資本比率: 44.8%(前年54.2%から低下)
  • キャッシュフロー:
    • 営業CF: △5,486百万円(マイナス転換)
    • 投資CF: △9,874百万円(積極投資継続)
    • 財務CF: 9,736百万円(資金調達増加)
  • 傾向: 2025年3月期は大幅減収・赤字転落。研究開発費増加や一時的な損失が影響。2026年3月期は黒字回復見通し。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(予想): 3.88%
  • 1株配当: 20.00円(2024・2025・2026年3月期予想)
  • 配当性向: 61.2%(予想)
  • 自社株買い: 自己株式保有あり(5.86%)
  • 方針: 安定配当を継続。特別配当はなし。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 株価モメンタム: 2025年3月期の赤字転落を受けて株価は下落傾向だったが、直近は下げ止まり~横ばい。信用倍率10.92倍と買い残が多い状況。
  • 投資家関心: インサイダー保有率が高く、機関投資家比率は低め。出来高は安定しており、一定の関心が維持されている。

11. 総評

  • JCRファーマは、バイオ医薬品・希少疾病領域で独自の強みを持つ企業。2025年3月期は研究開発費増加や一時的損失により赤字転落したが、2026年3月期には黒字転換を見込む。株価指標は業界平均並みで、配当利回りも高い水準を維持。財務面では自己資本比率の低下やキャッシュフローの悪化が見られるが、積極的な研究開発投資を継続している。今後は新製品の上市や海外展開の進捗が業績回復の鍵となる。

企業情報

銘柄コード 4552
企業名 JCRファーマ
URL http://www.jcrpharm.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 医薬品 – 医薬品

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By シャーロット

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