1. 企業情報
大平洋金属は、フェロニッケル（ステンレス鋼の原料）の製造・販売を主力とする企業です。国内首位であり、世界でも上位に位置しています。その他、ガス事業やリサイクル事業も展開しています。日本製鉄グループの一員であり、ニッケル価格の変動が業績に大きく影響します。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 競争優位性: フェロニッケル分野での高い国内シェアと、世界的な競争力を持つ点が強みです。
- 課題: ニッケル価格の変動リスク、ステンレス鋼需要の動向に業績が左右される点です。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン: 「PAMCOvision2031」に基づき、事業ポートフォリオの再構築とサステナビリティへの対応を推進しています。
- 中期経営計画: 収益性重視の販売体制再構築、新規事業開発（海底資源からの電池用金属材料製造、ベリリウム事業、LIB関連開発など）に注力しています。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: フェロニッケル販売が中心であり、ニッケル価格とステンレス鋼需要に大きく依存します。
- 市場ニーズへの適応力: 新規事業への取り組みを通じて、事業ポートフォリオの多様化を図っています。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発: フェロニッケル製錬技術を基盤とし、リサイクル技術や新規事業開発にも取り組んでいます。
- 主力製品: ステンレス鋼の原料となるフェロニッケルが収益の柱です。
6. 株価の評価
- PER: 会社予想EPSがマイナスのため、PERは算出できません。
- PBR: 0.50倍（実績）であり、業界平均0.6倍を下回っています。
- EPS: (連)-75.28円（会社予想）
- BPS: (連)3,455.68円（実績）
7. テクニカル分析
- 株価推移: 直近10日間の株価は上昇傾向にあり、200日移動平均線を上回っています。年初来高値1,949円に対し、現在の株価は1,744円であり、高値圏に近い状況です。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去12ヶ月で131.75億円と、前期155.21億円から減少しています。
- 利益: 営業損失が73.68億円、当期純損失が16.67億円と、赤字決算となっています。
- ROE: -2.45%と低調です。
- 自己資本比率: 93.9%と高く、財務基盤は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り: 6.88%（会社予想）と高い水準です。
- 配当性向: 算出できません（EPSがマイナスのため）。
- 自社株買い: 過去のデータからは確認できません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価の変動: 直近10日間の株価は上昇傾向にあり、モメンタムは強くなっています。
- 株価への影響要因: ニッケル価格、ステンレス鋼需要、業績予想、配当などが影響を与える可能性があります。
11. 総評
大平洋金属は、フェロニッケル分野で高い競争力を持つ一方、ニッケル価格やステンレス鋼需要の変動リスクに直面しています。2025年3月期は赤字決算となりましたが、高い配当利回りは魅力です。財務基盤は安定しており、新規事業への取り組みにも注目できます。株価は高値圏に近づいており、今後の業績動向と、ニッケル価格の動向を注視する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 5541 |
| 企業名 | 大平洋金属 |
| URL | http://www.pacific-metals.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 鉄鋼・非鉄 – 鉄鋼 |
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