1. 企業情報

概要

株式会社テレビ朝日ホールディングス(TV Asahi Holdings Corporation)は、主にテレビ放送事業を中心に、インターネット事業、ショッピング事業、その他(音楽出版、イベント、機器販売・リース、映画投資など)を展開する総合メディア企業です。朝日新聞社を筆頭株主とし、在京キー局の一角を占めます。高齢者層への強みを持ちつつ、ネット放送「ABEMA」への出資や番組制作も手掛け、伝統的な放送と新興メディアの両輪で事業を推進しています。

2. 業界のポジションと市場シェア

テレビ朝日は日本の民放キー局の中で視聴率上位を維持しており、特に高齢者層に強いブランド力があります。
業界内では、フジテレビ、日本テレビ、TBS、テレビ東京などと並び、広告収入や番組制作力で競争しています。
課題としては、若年層のテレビ離れや広告主のデジタルシフト、動画配信サービスとの競争激化が挙げられます。

3. 経営戦略と重点分野

  • 経営ビジョン:「経営計画2023-2025」に基づき、収益基盤の多様化と成長領域の拡大を目指しています。
  • 重点施策
    • テレビ放送事業:視聴率向上、タイム・スポット広告収入の拡大
    • インターネット事業:ABEMA、TVerなど動画配信の成長、コアファン事業の拡大
    • ショッピング事業:レギュラー番組との連携強化
    • その他事業:音楽出版、イベント、映画投資等の拡大
  • 中期計画:2026年3月期までに売上高3330億円、営業利益200億円、純利益260億円を目標

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:主力はテレビ広告収入ですが、インターネット広告、EC、コンテンツ販売など多角化を進めています。
  • 市場ニーズへの対応:ABEMAやTVerを通じて若年層・ネットユーザーへのアプローチを強化。既存のテレビ放送と新興メディアの両立を図っています。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発:ABEMAへの積極投資、TVer等での広告モデル強化、コンテンツ制作力の向上など、デジタル分野での技術革新を推進。
  • 主力サービス:地上波放送番組、ABEMA、TVer、ECサイト、音楽出版、イベント事業などが収益を牽引。

6. 株価の評価

  • EPS(予想):255.84円
  • BPS(実績):4,385.14円
  • PER(予想):10.84倍(業界平均23.2倍)
  • PBR(実績):0.63倍(業界平均2.3倍)
  • 株価:2,774円

評価:PER・PBRともに業界平均を大きく下回っており、株価は利益・資産価値に対して割安な水準に位置しています。

7. テクニカル分析

  • 年初来高値:2,799円
  • 年初来安値:2,071円
  • 現在株価:2,774円(6/27終値)
  • 50日移動平均:2,624.18円
  • 200日移動平均:2,362.06円

推移:株価は年初来高値圏にあり、直近10日間も上昇基調が続いています。短期的には高値圏に位置します。

8. 財務諸表分析

  • 売上高:324,056百万円(2025/3期)、前年比増加傾向
  • 営業利益:19,704百万円(2025/3期)、前年12,338百万円から増加
  • 純利益:25,816百万円(2025/3期)、前年17,138百万円から増加
  • ROE:5.95%(2025/3期)
  • ROA:2.28%(2025/3期)
  • 自己資本比率:79.6%(2025/3期末)
  • 営業キャッシュフロー:26,520百万円(2025/3期)、安定したキャッシュ創出
  • フリーキャッシュフロー:-5,660百万円(2025/3期、投資活動増加によるマイナス)

傾向:売上・利益ともに増加傾向。自己資本比率も高く、財務の健全性が高い一方、投資活動によるキャッシュ流出が見られます。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(予想):2.16%
  • 1株配当(予想):60円(2026/3期)
  • 配当性向:19.68%
  • 過去の配当:2025/3期は特別配当を含む50円
  • 自社株買い:自己株式取得の実施あり

方針:安定配当を基本としつつ、業績や特別利益に応じて特別配当や自社株買いも実施。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 直近の株価動向:6月中旬以降、上昇基調が続き、年初来高値圏に到達。出来高も増加傾向。
  • 信用取引動向:信用買残はやや減少、信用倍率7.36倍と買い長。
  • 投資家関心:業績の回復とデジタル事業の成長期待が株価に反映されていると考えられます。

11. 総評

テレビ朝日ホールディングスは、伝統的なテレビ放送事業の強みを維持しつつ、インターネット事業や多角化戦略を推進しています。業績は増収増益基調で、財務の健全性も高い状況です。株価は業界平均に比べて割安な水準にあり、直近では高値圏に位置しています。配当や自社株買いなど株主還元にも積極的です。今後は、デジタル領域での競争力強化と、安定的な収益基盤の維持が注目されます。


企業情報

銘柄コード 9409
企業名 テレビ朝日ホールディングス
URL http://www.tv-asahihd.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

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By シャーロット

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