1. 企業情報
- 企業名：株式会社オープンドア
- 主な事業内容：
旅行比較サイト「トラベルコ（Travelko）」の運営が主力。国内外の旅行商品（航空券、ホテル、ツアー等）を一括比較できるサービスを提供。加えて、伝統工芸品紹介サイト「GALLERY JAPAN」や、Webシステムの開発・提供も行う。利用者は若年層女性が多い傾向。
– 設立：1997年4月21日
– 本社所在地：東京都港区赤坂2-17-7 赤坂溜池タワー
– 従業員数：185人（平均年齢37.4歳、平均年収484万円）
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内ポジション：
オンライン旅行比較サイト分野で高い認知度を持つ。国内では「トラベルコ」が主要な比較サイトの一つであり、楽天トラベルやじゃらんnet、一休.comなど大手OTA（オンライン旅行代理店）と競合。
– 競争優位性：
幅広い旅行商品を網羅し、比較機能の利便性が高い点が強み。多言語対応などで訪日外国人向けにも展開。
– 課題：
旅行市場全体の回復の遅れ（円安・物価高の影響）、大手OTAとの競争激化、広告宣伝費の増加が収益圧迫要因。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・戦略：
既存の旅行比較サイトの競争力強化に加え、システム開発力を活かした新規分野への展開を推進。新たな市場領域の拡大も目指す。
– 中期経営計画の施策：
– 旅行関連サービスの機能拡充とUI/UX改善
– マーケティング強化による利用者層の拡大
– 伝統工芸品紹介など非旅行分野への事業多角化
– システム開発の外販・BtoB展開
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル：
主に旅行事業者からの広告収入・送客手数料。市場の旅行需要に大きく依存。
– 市場ニーズへの適応力：
コロナ禍以降の旅行需要回復が鈍く、円安等のマクロ要因も逆風。新たな収益源の開拓や、既存サービスの付加価値向上が課題。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発：
比較システムの自社開発を継続。多言語対応やAI活用によるレコメンド機能強化など、ユーザビリティ向上を図る。
– 主力サービス：
旅行比較サイト「トラベルコ」が収益の柱。伝統工芸品紹介サイト等は現時点で収益貢献は限定的。
6. 株価の評価
- PBR（実績）：3.59倍（業界平均2.3倍より高い）
- PER（会社予想）：赤字のため算出不可
- BPS（実績）：139.53円
- 株価/BPS：501円 ÷ 139.53円 ≒ 3.59倍
- EPS（会社予想）：赤字（-3.89円/株）
- 評価：現状は赤字のためPERによる評価は困難。PBRは業界平均より高い水準。
7. テクニカル分析
- 株価推移：
- 直近10日間は480～510円のレンジで推移し、ボラティリティは低め。
- 年初来高値694円、安値430円。現在値501円はレンジの中間やや下。
- 50日移動平均527.72円、200日移動平均612.37円を下回る水準。
- 位置づけ：
直近は安値圏に近い水準で推移。
8. 財務諸表分析
- 売上高：2,405百万円（前期比-6.1%）
- 営業利益：-102百万円（赤字継続）
- 純利益：-121百万円（赤字継続）
- ROE：-2.55%、ROA：-1.22%
- 自己資本比率：90.1%（財務安全性は高い）
- キャッシュフロー：営業CF-4百万円、投資CF-413百万円、財務CF0百万円
- 過去数年の傾向：
コロナ禍以降、売上は回復傾向だが赤字基調が続く。財務体質は健全。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り：0.00%（無配）
- 配当性向：0.00%
- 自社株買い：自己株式保有は0.79%（特段の自社株買い実施なし）
- 方針：業績回復優先のため、株主還元は抑制的。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価モメンタム：
52週高値からは大きく下落（-23.04%）。直近はレンジ内で小動き。
– 投資家関心：
インサイダー保有率が高く、流動性はやや低い。信用買残は減少傾向で売残なし。
11. 総評
オープンドアは旅行比較サイト「トラベルコ」を主力とし、比較システム開発力を強みに持つ企業です。コロナ禍以降、旅行需要の回復が鈍化し、円安や物価高の影響もあり業績は赤字が継続しています。財務体質は自己資本比率90%超と健全ですが、収益回復が課題です。株価は年初来安値圏に近く推移し、配当は無配。今後は既存サービスの競争力強化と新規分野への展開がカギとなります。不確実性が高いため、業績見通しや市場動向の注視が必要です。
企業情報
| 銘柄コード | 3926 |
| 企業名 | オープンドア |
| URL | http://www.opendoor.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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