1. 企業情報
アンジェス（4563）は、大阪大学の教授が創業した創薬ベンチャー企業です。遺伝子医薬品の開発に注力しており、虚血性疾患に対するHGF遺伝子治療薬、慢性腰痛に対するNF-κBデコイオリゴDNA、高血圧や子宮頸部異形成に対するDNAワクチンの開発などを行っています。また、COVID-19ワクチン（鼻腔内投与製剤）の開発も手掛けています。2024年12月期には、売上高の大半を医薬品事業が占めています。
2. 業界のポジションと市場シェア
アンジェスは、遺伝子治療薬というニッチな分野に特化しており、競合他社との差別化を図っています。しかし、医薬品開発には多額の資金と長い年月が必要であり、開発の遅延や承認の可否が業績に大きく影響するリスクがあります。また、市場シェアについては、まだ開発段階の製品が多く、具体的な数値は開示されていません。
3. 経営戦略と重点分野
アンジェスの経営陣は、遺伝子治療薬の研究開発を推進し、未だ満たされていない医療ニーズに応えることを目指しています。具体的な中期経営計画は開示されていませんが、重点分野としては、開発中の医薬品の早期承認取得、パイプラインの拡充、技術力の向上などが考えられます。
4. 事業モデルの持続可能性
アンジェスの収益モデルは、開発した医薬品の販売によるものです。遺伝子治療薬は、従来の医薬品とは異なる革新的な治療法として期待されていますが、市場ニーズの変化や競合の出現、法規制の変更など、事業環境の変化に柔軟に対応していく必要があります。
5. 技術革新と主力製品
アンジェスは、遺伝子治療技術を基盤としています。主力製品は、開発中の遺伝子治療薬やDNAワクチンです。2025年12月期第1四半期には、ゾキンヴィの販売開始による商品売上高の計上、ACRLでの拡大新生児スクリーニングの受託増加が売上高に貢献しています。
6. 株価の評価
| 指標 | 値 |
|---|---|
| 株価 | 62.0円 |
| EPS（会社予想） | (連)-18.68 |
| BPS（実績） | (連)9.39 |
| PER（会社予想） | — |
| PBR（実績） | (連)6.60倍 |
EPSがマイナスであり、PERは算出できません。PBRは6.60倍と、割高感があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、59円から67円の間を変動しており、6月27日の終値は62円でした。年初来安値は46円、年初来高値は80円です。200日移動平均線は59.44円であり、現在の株価はこれを上回っています。50日移動平均線は67.80円です。
直近の株価は、50日移動平均線を下回っており、下落傾向にあると考えられます。
8. 財務諸表分析
| 指標 | 過去12か月 | 12/31/2024 | 12/31/2023 | 12/31/2022 | 12/31/2021 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 643,638 | 643,638 | 152,985 | 67,060 | 64,147 |
| 営業損失 | -9,109,445 | -9,109,445 | -11,967,504 | -16,316,803 | -15,632,085 |
| 当期純損失 | -28,128,983 | -28,128,983 | -7,437,607 | -14,714,772 | -13,675,587 |
| ROE（実績） | (連)-200.48% | ||||
| 自己資本比率（実績） | (連)44.0% |
売上高は増加傾向にありますが、営業損失、当期純損失が大きく、赤字が継続しています。ROEはマイナスであり、収益性が低い状態です。自己資本比率は44.0%と、財務基盤は安定しているとは言えません。
9. 株主還元と配当方針
配当は実施されていません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近10日間の株価は下落傾向にあり、モメンタムは弱いです。信用買残は増加傾向にあり、信用倍率は31.32倍と非常に高い水準です。
11. 総評
アンジェスは、遺伝子治療薬の開発に注力する創薬ベンチャー企業です。売上高は増加傾向にあるものの、赤字が継続しており、財務状況は厳しい状況です。株価は低迷しており、テクニカル的にも下落傾向にあります。
今後の業績は、開発中の医薬品の進捗や承認の可否に大きく左右されます。
現時点では、リスクの高い銘柄であり、投資には慎重な判断が必要です。
企業情報
| 銘柄コード | 4563 |
| 企業名 | アンジェス |
| URL | https://www.anges.co.jp/ |
| 市場区分 | グロース市場 |
| 業種 | 医薬品 – 医薬品 |
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