1. 企業情報

日本航空株式会社(JAL)は、日本を代表する航空会社の一つで、国内線・国際線の定期・不定期航空運送サービスを中心に事業を展開しています。

主力はフルサービスキャリア(FSC)事業(JALブランド)、傘下にLCC(ZIPAIRなど)、マイレージ事業、金融・コマース事業も展開。アジア、オセアニア、北米、欧州など広範なネットワークを有し、2023年3月末時点で224機の航空機を保有。設立は1951年、本社は東京都品川区。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 国内・国際線ともにANA(全日本空輸)に次ぐ2位の規模。
  • LCC事業(ZIPAIR等)も強化中で、グループとして多様な顧客層に対応。
  • マイレージや金融・コマースなど非航空分野の収益拡大にも注力。
  • 競争優位性: ブランド力、ネットワーク、サービス品質で高い評価。
  • 課題: 燃料費・人件費等のコスト増、国際情勢や為替・インフレ等外部リスクの影響を受けやすい点。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン: 「世界で一番選ばれるエアライングループ」を掲げ、持続可能な成長と企業価値向上を目指す。
  • 中期経営計画(2021-2025年度):
    • 2025年度EBIT目標2,000億円
    • LCC事業の拡大(ZIPAIRの国際線ネットワーク強化)
    • マイル/金融・コマース事業の拡大(マイルの利便性向上、提携強化)
    • 事業構造改革による収益性向上
  • 重点分野: LCC・マイレージ/金融・コマース事業の成長、ESG(環境・社会・ガバナンス)対応

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル: 航空運送収入が主軸だが、マイレージや金融・コマース事業の比率を拡大。
  • 市場ニーズ対応: インバウンド需要やビジネス需要の回復、LCC市場の拡大に適応。
  • リスク対応: 災害・感染症・為替など外部リスクへの備え、コスト管理強化。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発: 燃費効率の高い新型機導入、ITサービス(予約・マイレージ・顧客管理)強化。
  • 主力サービス: JALブランドのフルサービス、ZIPAIR等LCC、JALマイレージバンク。
  • 独自性: サービス品質・安全性・ネットワークの広さ、マイレージプログラムの利便性。

6. 株価の評価

  • 株価: 2,939.5円(2025/6/27終値)
  • EPS(会社予想): 263.42円
  • BPS(実績): 2,233.52円
  • PER(会社予想): 11.16倍(業界平均10.1倍)
  • PBR(実績): 1.32倍(業界平均1.3倍)
  • 評価: 業界平均と同程度の水準。収益成長が続けばPERは妥当圏内。

7. テクニカル分析

  • 年初来高値: 2,998円
  • 年初来安値: 2,205円
  • 直近株価: 2,939.5円(高値圏に接近)
  • 移動平均: 50日=2,789.19円、200日=2,573.16円
  • 直近10日間: 上昇基調(2,780円台→2,940円台)、出来高も増加傾向

8. 財務諸表分析

  • 売上高推移:
    • 2022/3:6,827億円
    • 2023/3:1兆3,755億円
    • 2024/3:1兆6,519億円
    • 2025/3:1兆8,441億円(前年比+11.6%)
  • 営業利益推移:
    • 2022/3:▲2,347億円(赤字)
    • 2023/3:650億円
    • 2024/3:1,409億円
    • 2025/3:1,686億円
  • 純利益推移:
    • 2022/3:▲1,775億円(赤字)
    • 2023/3:344億円
    • 2024/3:955億円
    • 2025/3:1,070億円
  • ROE(実績): 11.36%
  • ROA(実績): 3.65%
  • 自己資本比率: 34.9%(財務健全性は一定水準)
  • 営業CF: 3,815億円(2025/3)
  • フリーCF: 329.9億円(2025/3)
  • 財務レバレッジ: 総負債/資本比率 88.13%(適度な水準)

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(予想): 3.13%
  • 1株配当(予想): 92円
  • 配当性向(予想): 35.09%
  • 5年平均配当利回り: 3.17%
  • 自社株買い: 自己株式保有あり(0.13%)、大規模な自社株買いは見られない
  • 方針: 安定的・継続的な配当を基本方針

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 直近の株価推移: 直近10日間で上昇トレンド、年初来高値圏に接近
  • 信用取引動向: 信用買残減少、信用倍率3.04倍(やや買い長)
  • 出来高: 増加傾向、投資家の関心高い
  • 影響要因: インバウンド需要回復、業績の増益基調、配当利回りの高さ等

11. 総評

  • 日本航空は国内外で高いブランド力とネットワークを持つ大手航空会社であり、LCCやマイレージ事業など多角化も進展しています。
  • 2025年3月期は売上・利益ともに大幅増加、財務も健全化傾向。ROEや配当性向も一定水準を維持。
  • 株価は年初来高値圏にあり、業績回復やインバウンド需要の追い風を受けて投資家の注目度も高い状況です。
  • 一方で、外部リスク(燃料費、為替、国際情勢等)やコスト増加への対応が今後も重要となります。
  • 配当方針は安定的で、株主還元にも配慮した経営が継続されています。

本レポートは公開情報に基づき、個人投資家向けに企業の現状を整理したものです。投資判断はご自身でご検討ください。


企業情報

銘柄コード 9201
企業名 日本航空
URL http://www.jal.com/
市場区分 プライム市場
業種 運輸・物流 – 空運業

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By シャーロット

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