1. 企業情報
- 企業名: 株式会社日阪製作所（Hisaka Works, Ltd.）
- 設立: 1942年5月5日
- 所在地: 大阪市北区曽根崎2-12-7 清和梅田ビル
- 従業員数: 1,032人（平均年齢40.6歳、平均年収688万円）
- 事業内容:
- 熱交換器事業（売上比率42%）: プレート式熱交換器を中心に、産業・インフラ・食品・医薬・化学など多岐にわたる分野で使用される加熱・冷却装置を製造・販売。
- プロセスエンジニアリング事業（売上比率45%）: 食品機械（レトルト殺菌装置等）、医薬品滅菌装置、染色仕上機器などを提供。
- バルブ事業（売上比率13%）: ボールバルブ、ダイヤフラムバルブなど特殊バルブを製造。
- その他: 太陽光発電事業など。
- 特徴: プレート式熱交換器と染色機械で国内トップシェア。生活産業機器分野への注力と特殊バルブでの存在感。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内ポジション:
- プレート式熱交換器と染色機械で国内首位。
- 食品・医薬・化学・インフラなど幅広い分野で顧客基盤を持つ。
- 競争優位性:
- 高い技術力と多様な製品群、メンテナンスサービス体制。
- 生活産業機器分野の強化による安定した需要。
- 課題:
- 一部セグメント（バルブ等）で利益率が低下。
- 原材料費や物流費の上昇、為替・地政学リスクなど外部環境の変動。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン:
- 「省エネ」「省人化」など社会課題解決型の製品・サービス開発を推進。
- 中期経営計画「G-23」:
- 新製品開発、サービス事業の拡充、生産体制の強化。
- 生活産業機器分野（食品・医薬・染色等）へのリソース集中。
- グローバル展開の強化と海外売上比率の拡大（海外売上比率24%）。
- 重点施策:
- 省エネ・省人化対応の新商品投入。
- メンテナンス・サービス事業の拡充。
- 生産効率化によるコスト競争力強化。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:
- 装置販売＋メンテナンス・サービス収入の二本柱。
- 市場ニーズ適応力:
- 省エネ・環境対応、食品・医薬など安定需要分野への対応力。
- 産業構造変化や環境規制強化に伴う新規需要の取り込み。
- リスク要因:
- 原材料費・物流費の上昇、為替変動、地政学リスクなど外部要因。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発動向:
- 省エネ・省人化対応のプレート式熱交換器、食品・医薬向けの高機能滅菌装置など。
- 独自性:
- プレート式熱交換器の高効率化・多用途化、染色機械の自動化技術。
- 主力製品・サービス:
- プレート式熱交換器、食品殺菌装置、医薬品滅菌装置、染色仕上機器、特殊バルブ。
6. 株価の評価
- 株価: 1,357円（2025年6月29日終値）
- 予想EPS: 98.69円
- 予想PER: 13.75倍（業界平均16.6倍）
- 実績BPS: 2,188.25円
- 実績PBR: 0.62倍（業界平均1.4倍）
- 評価:
- 業界平均と比較してPER・PBRともに割安な水準。
- 配当利回り（会社予想）4.05%と高水準。
7. テクニカル分析
- 株価推移:
- 年初来高値: 1,430円、年初来安値: 852円
- 直近10日間は1,300円台後半で推移し、直近高値圏に位置。
- 50日移動平均：1,217.62円、200日移動平均：1,071.20円
- 現状:
- 短中期的には高値圏にあるが、直近はやや調整気味。
- 出来高も安定して推移。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益推移:
- 売上高（2025/3期）: 38,353百万円（前年比12.2%増）
- 営業利益（2025/3期）: 2,930百万円（前年比19.3%増）
- 当期純利益（2025/3期）: 3,782百万円（前年比56.2%増）
- 利益率:
- 営業利益率: 7.6%、純利益率: 9.9%
- ROE/ROA:
- ROE: 6.32%（実績）、ROA: 2.20%
- キャッシュフロー:
- 営業CF: 4,720百万円（安定的）
- 投資CF: -3,299百万円（積極投資傾向）
- 財務CF: -2,396百万円（配当・自社株買い等）
- 財務安全性:
- 自己資本比率: 72.1%（高水準）
- 有利子負債比率: 8.33%（低水準）
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績・予想:
- 2024年3月期: 42円
- 2025年3月期: 45円
- 2026年3月期（予想）: 55円
- 配当利回り: 4.05%（会社予想）、5年平均3.58%
- 配当性向: 45.9%
- その他株主還元策:
- 自社株買い実施（自己株式比率14.77%）
- 方針: 安定配当と総還元性向の向上を重視。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価モメンタム:
- 52週で約28%上昇と堅調。
- 直近は高値圏で推移しつつも、やや調整局面。
- 投資家関心:
- 配当利回りの高さや安定した財務基盤により、個人・機関投資家の関心が継続。
- 信用倍率0.82倍と、売り残が買い残を上回る状況。
11. 総評
日阪製作所は、プレート式熱交換器と染色機械で国内トップシェアを持ち、食品・医薬・インフラ分野など安定需要を背景に事業を拡大しています。直近ではプロセスエンジニアリング事業の好調が全体業績を牽引し、利益率も改善傾向です。財務基盤は極めて健全で、自己資本比率も高く、配当利回りも高水準を維持しています。株価は業界平均と比べて割安感があり、株主還元策も積極的です。中期経営計画では省エネ・省人化など社会課題への対応を強化しており、今後も安定成長が期待される状況です。
企業情報
| 銘柄コード | 6247 |
| 企業名 | 日阪製作所 |
| URL | http://www.hisaka.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 機械 – 機械 |
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