1. 企業情報
事業内容
カワチ薬品は、主に北関東・東北地方を中心にドラッグストアチェーンを展開しています。売場面積1,300平方メートル以上の超大型店を特徴とし、医薬品（18%）、化粧品（8%）、雑貨（28%）、一般食品（46%）を取り扱っています。調剤薬局機能や食品販売に強みを持ち、日用品や健康食品、介護用品、保険事業も展開しています。栃木県小山市に本社を置き、従業員数は2,733名です。
2. 業界のポジションと市場シェア
業界内の位置付け
カワチ薬品は、北関東・東北エリアに強い地盤を持つドラッグストアチェーンです。超大型店への注力と食品売上比率の高さが特徴です。
競争優位性
- 地域密着型の店舗展開
- 食品・日用品の高い取り扱い比率による集客力
- 調剤薬局併設によるワンストップサービス
課題
- ドラッグストア業界全体で競争が激化しており、価格競争や新規出店競争が続いています。
- 地域密着型のため、エリア拡大や全国展開とのバランスが課題となる可能性があります。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣のビジョン・戦略
- 超大型店舗による集客力の強化
- 調剤・食品分野への注力
- 地域密着型サービスの深化
中期経営計画
- 公式な中期経営計画の詳細は未開示ですが、業績予想では売上・利益ともに堅調な成長を見込んでいます（2026年3月期 売上高2,920億円、営業利益78億円）。
4. 事業モデルの持続可能性
収益モデル
- 医薬品・食品・日用品の販売が主軸。食品比率が高く、来店頻度の向上に寄与。
- 調剤薬局併設による安定収益
- 地域密着型でリピーター獲得
市場ニーズへの適応力
- 高齢化社会への対応（介護・健康関連商品）
- 消費者の節約志向に合わせた低価格商品の拡充
5. 技術革新と主力製品
技術開発の動向・独自性
- 特筆すべき独自技術の開示はありませんが、調剤機能の拡充やIT活用による業務効率化が進められている模様。
主力製品・サービス
- 医薬品、調剤、一般食品、日用品
- 超大型店舗によるワンストップショッピング体験
6. 株価の評価
- 株価：2,757円
- EPS（会社予想）：219.39円
- PER（会社予想）：12.57倍（業界平均21.3倍）
- BPS（実績）：5,120.32円
- PBR（実績）：0.54倍（業界平均1.8倍）
評価
- PER・PBRともに業界平均を大きく下回る水準。
- 株価はBPS（純資産価値）の約半分程度で推移しているため、資産面からは割安感が示唆されます。
7. テクニカル分析
- 年初来高値：3,035円
- 年初来安値：2,501円
- 直近株価：2,757円
- 50日移動平均：2,810円
- 200日移動平均：2,676円
分析
- 現在の株価は年初来高値からやや下落し、50日移動平均をやや下回る水準。
- 200日移動平均を上回っており、中長期的には底堅い推移。
- 直近10日間は2,740～2,790円のレンジで推移し、方向感に乏しい状況。
8. 財務諸表分析
売上・利益の推移（過去3年）
| 期末 | 売上高（百万円） | 営業利益（百万円） | 純利益（百万円） |
|---|---|---|---|
| 2023/3 | 281,871 | 6,612 | 4,177 |
| 2024/3 | 285,960 | 7,601 | 4,713 |
| 2025/3 | 287,816 | 7,461 | 4,884 |
- 売上高は緩やかに増加傾向
- 営業利益はやや減少（2025/3期は前年比-1.8%）
- 純利益は増加（2025/3期は前年比+3.6%）
キャッシュフロー・財務健全性
- 営業CF：7,481百万円（増加傾向）
- 自己資本比率：57.3%（高水準）
- 総資産・純資産ともに増加
- 有利子負債比率低く、財務体質は良好
収益性指標
- ROE：4.33%
- ROA：2.34%
- 営業利益率：2.6%
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績・予想：年間80円（配当利回り2.9%）
- 配当性向：36.62%
- 自社株買い：自己株式保有比率9.15%
- 5年平均配当利回り：2.41%（現状はやや高め）
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近の株価推移：安定したレンジ相場（2,740～2,790円）
- 出来高：直近10日平均で約35,000株、流動性は標準的
- 信用取引動向：信用買残は減少傾向、信用倍率は1.99倍と過熱感は見られない
- 投資家構成：インサイダー保有比率が高く、安定株主が多い
11. 総評
カワチ薬品は、北関東・東北エリアに特化したドラッグストアチェーンとして、超大型店舗や食品販売の強みを活かし、安定した業績を維持しています。財務体質は健全で、自己資本比率も高水準です。株価指標（PER・PBR）は業界平均を下回り、資産価値から見て割安感が見られます。配当利回りも2.9%と安定しており、株主還元にも積極的です。直近の株価はレンジ内で推移し、方向感に乏しいものの、大きな下落リスクは限定的と考えられます。
一方で、業界全体の競争激化や地域密着型ゆえの成長余地の課題も存在します。今後も食品・調剤分野の強化や効率経営の推進が重要となるでしょう。
企業情報
| 銘柄コード | 2664 |
| 企業名 | カワチ薬品 |
| URL | http://www.cawachi.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 小売 – 小売業 |
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