1. 企業情報
株式会社松屋アールアンドディ（7317）は、自動車安全装置縫合システム、レーザー裁断機の開発・製造・販売を主な事業とする企業です。また、エアバッグや自動車用シート、血圧計腕帯などの縫製品の製造も行っています。事業は、メディカルヘルスケア、セイフティシステム、その他の3つのセグメントに分かれています。
2. 業界のポジションと市場シェア
松屋アールアンドディは、自動車安全装置縫合システムやレーザー裁断機といったニッチな分野で事業を展開しており、特定の技術力と顧客基盤を有していると考えられます。
競合他社の情報が限られているため、具体的な市場シェアの評価は難しいですが、ニッチ市場における技術力と、自動車業界や医療機器業界との取引実績が、競争優位性につながっている可能性があります。
課題としては、自動車業界の動向や、原材料価格の変動、為替レートの影響を受けやすい点が挙げられます。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、増収増益を達成し、過去最高の業績を更新しています。
具体的な中期経営計画は開示されていませんが、決算短信からは、以下の点が重点分野と考えられます。
* メディカルヘルスケア事業の拡大: 血圧計腕帯や医療機器販売の強化。
* セイフティシステム事業の強化: 既存取引の拡大、ベトナムでの取引拡大。
* その他事業の成長: 人手不足を背景とした自動化・省人化ニーズへの対応。
4. 事業モデルの持続可能性
松屋アールアンドディの事業モデルは、自動車業界や医療機器業界の需要に依存しており、これらの市場の成長や変化に柔軟に対応できるかが重要です。
縫製自動機やレーザー裁断機は、省力化・効率化ニーズに対応しており、技術革新や市場ニーズの変化への適応力も求められます。
メディカルヘルスケア事業は、高齢化社会の進展に伴い、需要が拡大する可能性があります。
5. 技術革新と主力製品
松屋アールアンドディは、自動車安全装置縫合システムやレーザー裁断機といった、特定の分野に特化した技術を有しています。
主力製品は、自動車安全部品（エアバッグ、シートなど）や血圧計腕帯であり、これらの製品は、同社の収益を牽引しています。
技術開発の動向としては、自動化・省人化ニーズに対応した製品開発が重要と考えられます。
6. 株価の評価
- 株価: 698.0円
- PER（会社予想）: 9.29倍 (業界平均: 12.4)
- PBR（実績）: 2.15倍 (業界平均: 1.8)
- EPS（会社予想）: 75.12円
- BPS（実績）: 324.88円
PERは業界平均を下回っており、割安感があります。PBRは業界平均をやや上回っています。
EPSとBPSを考慮すると、現在の株価は割安と判断できます。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、672円から703円の間を変動しており、698円で取引されています。
年初来高値768円、年初来安値528円であり、現在の株価は年初来安値から上昇し、高値圏に近づいている状況です。
50日移動平均線（656.68円）と200日移動平均線（688.77円）を上回っており、上昇トレンドにあると見られます。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去12ヶ月で95.67億円と、前期比で増加しています。
- 営業利益: 過去12ヶ月で19.54億円と、前期比で増加しています。営業利益率は20.66%と高い水準です。
- 当期純利益: 過去12ヶ月で15.60億円と、前期比で増加しています。
- ROE（実績）: 25.73%と高い水準です。
- 自己資本比率（実績）: 63.6%と財務体質は良好です。
過去数年間の業績は、増収増益基調で推移しており、収益性が向上しています。
特に、2025年3月期は、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益が上場来過去最高を更新しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 1.43%
- 1株配当（会社予想）: 10.00円
- 配当性向: 13.78%
配当利回りは、現時点ではそれほど高くありません。
配当性向は低く、今後の増配余地があると考えられます。
自社株買いに関する情報は開示されていません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は上昇傾向にあり、モメンタムは良好です。
信用買残は増加傾向にあり、個人投資家の関心も高まっている可能性があります。
株価に影響を与える要因としては、業績動向、業界の動向、為替レートの変動、原材料価格の変動などが挙げられます。
11. 総評
松屋アールアンドディは、自動車安全装置縫合システムやレーザー裁断機といったニッチ分野で高い技術力を有し、業績も好調に推移しています。
財務体質も良好で、ROEも高い水準を維持しています。
株価は、PERが業界平均を下回っており、割安感があります。
テクニカル的にも上昇トレンドにあり、今後の成長も期待できます。
ただし、自動車業界の動向や、原材料価格の変動、為替レートの影響を受けやすい点には注意が必要です。
企業情報
| 銘柄コード | 7317 |
| 企業名 | 松屋アールアンドディ |
| URL | https://www.matsuyard.co.jp/ |
| 市場区分 | グロース市場 |
| 業種 | 自動車・輸送機 – 輸送用機器 |
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