1. 企業情報
- 事業内容: 共同紙販ホールディングスは、洋紙の卸売を主な事業としています。印刷・情報用紙が主力であり、日本製紙の持分会社です。その他、不動産賃貸、物流事業も展開しています。
- 特徴: 1947年創業の老舗企業であり、日本製紙との関係性が深いことが特徴です。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界: 卸売業、特に紙製品を扱う企業として、市場の縮小傾向やデジタル化の進展といった課題に直面しています。
- 競争優位性: 日本製紙との連携による安定した仕入れ、長年の事業運営で培われた顧客基盤が強みと考えられます。
- 課題: 紙需要の減少、競合他社との価格競争、デジタル化への対応が課題です。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営戦略: 決算短信からは具体的な経営戦略は読み取れませんでしたが、洋紙卸売事業を基盤としつつ、不動産賃貸や物流事業など、多角的な事業展開を図っていると考えられます。
- 重点分野: 洋紙卸売事業の収益性改善、不動産賃貸・物流事業の強化が重要と考えられます。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 洋紙卸売が中心であり、紙需要の減少という構造的な課題に直面しています。
- 市場ニーズへの適応力: デジタル化への対応、新たな付加価値の創出が求められます。
5. 技術革新と主力製品
- 技術革新: 紙卸売という事業特性上、技術革新への直接的な影響は限定的です。
- 主力製品: 印刷・情報用紙が主力であり、日本製紙からの仕入れが中心です。
6. 株価の評価
- PER（会社予想）: 62.19倍
- PBR（実績）: 0.80倍
- EPS（会社予想）: 73.97円
- BPS（実績）: 5,766.96円
- 評価: PERは業界平均（10.1）と比較して非常に高く、割高感があります。PBRは業界平均（0.7）と同程度であり、割安感はありません。
7. テクニカル分析
- 株価推移: 直近10日間の株価は4,600円近辺で推移しており、50日移動平均線（4610.40円）を下回っています。年初来高値は5,250円、年初来安値は4,520円です。
- 判断: 株価は、52週高値（5300円）から下落しており、200日移動平均線（4786.42円）も下回っていることから、弱気トレンドにあると判断できます。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去12ヶ月で16,888百万円であり、前期比1.0%増と微増です。
- 営業利益: 過去12ヶ月で△10百万円と赤字です。
- 経常利益: 27百万円（前期比77.5%減）と大幅減益です。
- 当期純利益: 28百万円（前期比52.4%減）と大幅減益です。
- ROE: 0.71%と低い水準です。
- 自己資本比率: 40.9%と、財務基盤は安定しています。
- 分析: 仕入コストの高騰により利益率が低下し、業績が悪化しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 1.09%
- 1株配当（会社予想）: 50.00円
- 配当性向: 304.69%と非常に高い水準であり、業績悪化の中で無理な配当を行っている可能性があります。
- 株主還元策: 現状は配当のみです。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価の変動: 直近の株価は低調であり、下降トレンドにあると判断できます。
- 出来高: 出来高は少なく、投資家の関心は低いと考えられます。
- 信用取引: 信用倍率は0.00倍と、売り残がありません。
11. 総評
共同紙販ホールディングスは、洋紙卸売を主力とする企業であり、紙需要の減少という構造的な課題に直面しています。直近の業績は、仕入コストの高騰により悪化しており、利益の大幅な減少が見られます。株価は割高感があり、テクニカル的にも弱気トレンドです。配当利回りは低いものの、配当性向は非常に高く、業績悪化の中で無理な配当を行っている可能性があります。
投資にあたっては、今後の業績回復の見通し、事業構造改革の進捗、デジタル化への対応などを注視する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 9849 |
| 企業名 | 共同紙販ホールディングス |
| URL | http://www.kyodopaper.com |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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