1. 企業情報

概要

住友理工株式会社は、主に自動車用防振ゴムやホース、遮音・断熱材などの自動車部品を製造・販売する企業です。トヨタ自動車をはじめとする国内外自動車メーカーへの納入比率が高く、世界的な自動車部品サプライヤーとしての地位を確立しています。加えて、建機・鉄道・住宅・事務機器分野向けの産業用品や、医療・ヘルスケア関連製品も展開しています。住友電気工業の連結子会社です。

2. 業界のポジションと市場シェア

業界内ポジション

住友理工は自動車用防振ゴム分野で世界有数のメーカーです。特にトヨタ向けの比率が高いことが特徴ですが、他の自動車メーカーや産業分野にも納入実績があります。

競争優位性・課題

  • 高い技術力と品質管理力により、大手自動車メーカーからの信頼を獲得。
  • 住友電工グループとしての資本力・ネットワークも強み。
  • 一方で、自動車業界のEV化やグローバル競争激化、原材料価格変動、為替リスクなどが課題です。

3. 経営戦略と重点分野

経営ビジョン・戦略

  • 「2025年 住友理工グループ中期経営計画(2025P)」を推進。
  • 収益力強化、グローバル展開、非自動車分野の拡大を重点施策としています。
  • ESG対応や新技術(CASE/EV関連)への積極投資も進めています。

中期経営計画の具体策

  • 事業利益・ROIC・ROEの数値目標を上方修正。
  • 自動車用品の高付加価値化、産業用品の新規市場開拓。
  • 生産性向上・コスト競争力の強化。

4. 事業モデルの持続可能性

収益モデル

  • 主力は自動車部品(売上比率91%)で、安定した納入先(トヨタ等)を持つ。
  • 一般産業用品(売上比率9%)も成長中。

市場ニーズへの適応力

  • CASE/EV化やカーボンニュートラル対応など自動車業界の変化に対し、技術開発や新分野開拓で対応中。
  • 産業用品・ヘルスケアなど非自動車分野の拡大も推進。

5. 技術革新と主力製品

技術開発の動向・独自性

  • 高耐熱・軽量化・高機能化などのゴム・樹脂技術に強み。
  • 防振ゴム、ホース、遮音材、FC(燃料電池)部材、センサー等の新技術開発。

主力製品・サービス

  • 自動車用防振ゴム、各種ホース、遮音・断熱材、燃料電池用ガスケット。
  • 産業用高圧ホース、橋梁用防振ゴム、住宅用制震システム、医療用センサー等。

6. 株価の評価

  • 株価:1,668円(2025年6月30日終値)
  • EPS(会社予想):187.82円
  • BPS(実績):2,068.57円
  • PER(会社予想):8.88倍(業界平均10.3倍より低い)
  • PBR(実績):0.81倍(業界平均0.9倍より低い)

→ 業界平均と比較して、PER・PBRともにやや割安圏。

7. テクニカル分析

  • 年初来高値:1,910円
  • 年初来安値:1,180円
  • 50日移動平均:1,641.02円
  • 200日移動平均:1,609.43円
  • 直近株価(1,668円)は50日・200日移動平均をやや上回る水準
  • 直近10日間の株価推移:1,600円台半ば~1,670円台で推移し、やや上昇傾向

→ 現在は高値圏ではないが、直近でやや強含み。

8. 財務諸表分析

  • 売上高(2025年3月期):633,331百万円(前年比2.9%増)
  • 営業利益:41,573百万円(前年比22.4%増)
  • 当期純利益:27,419百万円(前年比47.1%増)
  • 営業利益率:6.6%
  • ROE:13.34%
  • ROA:5.95%
  • 自己資本比率:47.7%(前年44.4%から改善)
  • 営業キャッシュフロー:66,051百万円(安定的)
  • 有利子負債比率:32.87%(財務健全性良好)
  • 過去数年比較:売上・利益ともに増加基調、利益率も改善傾向

9. 株主還元と配当方針

  • 配当実績:2024年3月期36円→2025年3月期66円→2026年3月期予想57円
  • 配当利回り(会社予想):3.42%
  • 配当性向:24.99%(無理のない水準)
  • 自社株買い:自己株式保有あり(0.21%)
  • 株主構成:住友電工が筆頭株主(49.53%)

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 直近の株価変動:1,600円台前半から1,600円台後半へ上昇傾向
  • 出来高:直近10日間で平均20万株超と流動性は十分
  • 信用倍率:21.00倍(買い残多め、やや需給偏りあり)
  • 投資家関心:配当利回り上昇や業績回復を背景に関心高まる傾向

11. 総評

住友理工は、自動車用防振ゴムを中心に高い技術力と安定した顧客基盤を持つ部品メーカーです。近年は自動車業界の変化に対応しつつ、非自動車分野の拡大や新技術開発にも注力しています。財務体質は健全で、業績・利益率ともに改善傾向が見られます。株価指標は業界平均と比較してやや割安であり、配当利回りも一定水準を維持しています。今後は自動車業界の動向や新規事業の成長が注目されます。


企業情報

銘柄コード 5191
企業名 住友理工
URL http://www.sumitomoriko.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 自動車・輸送機 – ゴム製品

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By シャーロット

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