1. 企業情報
豊和工業は、工作機械、火器、特装車両、建材などを製造・販売する企業です。特に、工作機械は主力製品であり、防衛省向けの火器や防音サッシなども手掛けています。路面清掃車でも高いシェアを誇っています。1907年創業の老舗企業です。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内でのポジション: 工作機械分野では一定の地位を確立していると考えられます。また、防衛関連製品においても、一定のシェアを占めている可能性があります。路面清掃車では首位とのことです。
- 競争優位性: 老舗としての技術力と、防衛省向け製品という安定した需要が強みと考えられます。
- 課題: 工作機械市場の競争激化、景気変動による需要の波、防衛関連製品の需要変動などが課題として挙げられます。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン: 第5期中期経営計画の最終年度を終え、第6期中期経営計画を策定中です。
- 重点分野: 決算短信からは、営業活動の強化と生産性の向上による採算性改善、事業環境の変化への適応、防衛省向け装備品の納入増加による増収などが重点分野として読み取れます。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 工作機械、火器、特装車両、建材など多角的な事業展開を行っており、リスク分散に繋がっていると考えられます。防衛関連製品は安定した需要が見込めます。
- 市場ニーズへの適応力: 中期経営計画に基づき、事業基盤の構築に取り組んでいます。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の動向: 工作機械分野における技術開発が重要と考えられます。
- 主力製品: 工作機械、火器、特装車両、建材などが収益を牽引しています。特に、火器は防衛省向け納入が増加し、増収に貢献しています。
6. 株価の評価
- PER（会社予想）: 13.46倍
- PBR（実績）: 0.67倍
- EPS（会社予想）: 77.11円
- BPS（実績）: 1,553.55円
現在の株価1038円は、EPSから計算するとPER13.46倍となり、業界平均PER10.7と比較するとやや割高な水準です。PBR0.67倍は、割安感を示唆しています。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2025年6月30日の終値は1038円であり、年初来高値1412円からは下落しています。50日移動平均線1056.52円を下回っており、200日移動平均線1103.51円からも乖離していることから、やや弱気なトレンドと見られます。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2025年3月期は248.27億円（前年同期比25.5%増）と大幅な増収。
- 営業利益: 2025年3月期は12.53億円（前年同期比222.9%増）と大幅な増益。
- 経常利益: 2025年3月期は14.13億円（前年同期比203.2%増）と大幅な増益。
- 当期純利益: 2025年3月期は7.49億円（前年同期は8.73億円の損失）と黒字転換。
- ROE: 4.15%
- 自己資本比率: 55.0%
2025年3月期は、火器の好調や特装車両、建材の収益性改善により、大幅な増収増益を達成しました。自己資本比率も高く、財務体質は良好です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 1.93%
- 1株配当（会社予想）: 20.00円
- 配当性向: 89.53%
配当利回りは、現時点では平均的な水準です。配当性向は高めです。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価の変動: 直近の株価は、高値圏から下落傾向にあります。
- 株価への影響要因: 業績の動向、特に火器関連の受注状況や、工作機械市場の動向、防衛関連の政策などが影響を与える可能性があります。
11. 総評
豊和工業は、工作機械、火器、特装車両、建材などを手掛ける老舗企業であり、防衛省向け製品という安定した需要を強みとしています。2025年3月期は、火器の好調などにより大幅な増収増益を達成し、財務体質も良好です。株価は、PERではやや割高感がありますが、PBRでは割安感があります。直近の株価は下落傾向にあり、今後の業績動向や市場環境、特に防衛関連の政策や工作機械市場の動向に注目が必要です。
企業情報
| 銘柄コード | 6203 |
| 企業名 | 豊和工業 |
| URL | http://www.howa.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 機械 – 機械 |
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