1. 企業情報
- 企業名: MIRARTHホールディングス株式会社
- 設立: 1972年9月21日
- 所在地: 東京都千代田区丸の内1-8-2 鉄鋼ビルディング
- 代表者: 島田 和一
- 従業員数: 1,506人（平均年齢38.2歳、平均年収7,660千円）
- 市場区分: 東証プライム
- 主な事業内容:
- 首都圏を中心とした新築分譲マンション（「レーベン」「ネベル」ブランド）の企画・開発・販売
- 不動産賃貸・管理
- 再生可能エネルギー（主に太陽光発電）事業
- アセットマネジメント（不動産運用・管理）
- 建設請負、ホテル（「Hotel the Leben」）、介護事業
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界区分: 不動産業（開発・分譲）
- 市場シェア・ポジション:
- 2024年新築分譲マンション売主グループ別供給戸数ランキングで全国7位
- 首都圏を基盤としつつ、地方都市にも進出
- 競争優位性:
- 1次取得者向けのマンション供給に強み
- 再生可能エネルギー事業も展開し、事業多角化を進めている
- 課題:
- 新築マンション市場全体の発売戸数減少傾向
- エネルギー事業の収益性低下（発電施設の売却見送りやコスト増）
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン:
- 「2030年3月期に向けた長期ビジョン」を策定
- 中期経営計画の主な施策:
- 配当性向30～35%程度を目途に株主還元
- 不動産事業：新築分譲マンション供給強化
- エネルギー事業：太陽光に加え、陸上風力・バイオマス等の推進
- アセットマネジメント事業：グループシナジー活用と運用資産拡大
- 重点分野:
- 不動産開発・分譲、再生可能エネルギー、アセットマネジメント
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:
- 主力は不動産分譲（売上高の約9割）、加えて賃貸・管理収入、再エネ発電収入
- 市場ニーズへの適応力:
- マンション価格上昇傾向を受けた供給強化
- エネルギー事業の多角化（太陽光→風力・バイオマス）
- リスク:
- 不動産市況の変動、資材高騰、金利上昇等
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発動向・独自性:
- 省エネ・環境配慮型マンションの開発
- 再生可能エネルギー発電所の運営ノウハウ
- 主力製品・サービス:
- 「レーベン」「ネベル」ブランドのマンション
- 太陽光発電所運営
- アセットマネジメントサービス
6. 株価の評価
- 株価: 371円（2025/7/1終値）
- EPS（2025年3月期実績）: 62.69円
- BPS（2025年3月期末）: 613.00円
- PER: 371 ÷ 62.69 ≒ 5.9倍（業界平均13.6倍）
- PBR: 371 ÷ 613.00 ≒ 0.61倍（業界平均1.6倍）
- 評価: 業界平均と比較してPER・PBRともに低水準
7. テクニカル分析
- 直近株価推移:
- 52週高値: 552円
- 52週安値: 370円（直近で到達）
- 50日移動平均: 423.64円
- 200日移動平均: 484.69円
- 直近10日間で下落傾向、安値圏で推移
- 出来高: 直近も増加傾向
- 信用取引動向: 信用買残が大きく増加（信用倍率105倍超）
8. 財務諸表分析
- 売上・利益推移:
- 売上高: 2023年153,472百万円 → 2024年185,194百万円 → 2025年196,523百万円（増加傾向）
- 営業利益: 2023年7,031百万円 → 2024年15,457百万円 → 2025年14,364百万円（2025年は減少）
- 純利益: 2023年4,584百万円 → 2024年8,178百万円 → 2025年8,207百万円（横ばい）
- キャッシュフロー:
- 営業CF: 2024年36,777百万円 → 2025年7,877百万円（減少）
- 投資CF: マイナス幅継続（積極投資）
- 財務CF: 2025年はプラス（資金調達増）
- ROE: 10.32%
- ROA: 2.53%
- 自己資本比率: 22.3%（前年19.5%から改善）
- 有利子負債比率: 高水準（Debt/Equity 254.76%）
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績・予想:
- 2024年: 年間24円
- 2025年: 年間30円
- 2026年（予想）: 年間21円
- 配当性向: 2025年は47.9%、中期計画では30～35%目標
- 配当利回り: 直近実績で約7.98%、予想で5.59%
- 自社株買い: 自己株式保有比率3.17%
- 還元方針: 配当性向の維持・向上を掲げている
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価モメンタム: 直近で安値圏、下落基調が続く
- 投資家関心:
- 信用買残の増加から個人投資家の注目度が高い
- 直近の業績横ばい・配当減配予想が株価下落要因の一つ
- 流動性: 出来高は安定して多い
11. 総評
MIRARTHホールディングスは、不動産分譲を主軸に再生可能エネルギーやアセットマネジメントなど事業多角化を進める企業です。首都圏を中心に全国7位の分譲戸数を誇り、安定した売上成長を維持していますが、2025年3月期は営業利益が減少し、エネルギー事業の収益性も課題となっています。財務面では自己資本比率が改善している一方、有利子負債比率は高めです。
株価は業界平均と比較してPER・PBRともに低水準で推移し、配当利回りも高い水準ですが、直近では減配予想や業績横ばいを背景に株価が安値圏にあります。信用買残の増加から個人投資家の注目も集まっています。中長期的には新築分譲マンションの供給強化や再エネ分野の拡大が成長ドライバーとなる一方、不動産市況やエネルギー事業の外部環境変化には注意が必要です。
企業情報
| 銘柄コード | 8897 |
| 企業名 | MIRARTHホールディングス |
| URL | https://mirarth.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 不動産 – 不動産業 |
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