1. 企業情報
- 事業内容: パチンコホール向け貸金業、不動産賃貸を主力とする企業です。設備機器販売、M&A仲介・コンサルティング事業も展開しています。具体的には、アミューズメント施設等の不動産賃貸・売買、M&Aコンサルティング事業の2本柱で経営しています。貸金業も行っています。
- 市場区分: 東京証券取引所スタンダード市場
- 設立: 2011年10月3日
- 従業員数: 15人（少数精鋭）
- 特徴: 貸金業と不動産事業を組み合わせたユニークなビジネスモデルを展開しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界: 不動産業界に属し、パチンコホール向けの貸金業も行っているため、アミューズメント関連市場にも関わっています。
- 競争優位性: 貸金業と不動産事業を組み合わせたビジネスモデルは、他の不動産会社や金融機関との差別化要因となり得ます。また、パチンコホール向けというニッチな市場に特化することで、一定の顧客基盤を築いている可能性があります。
- 課題: 業界全体として、少子高齢化によるパチンコ人口の減少や、不動産市況の変動といった外部環境の影響を受けやすいと考えられます。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン: 決算短信からは具体的なビジョンは読み取れませんでしたが、長期・安定的な収益貢献が見込める不動産の取得、M&Aコンサルティング事業の推進、貸金事業の収益性向上を目指していると考えられます。
- 中期経営計画: 2025年3月期の決算短信によると、不動産事業における長期・安定的な収益貢献が見込める案件への投資、M&Aコンサルティング事業における新しい形態の事業展開、貸金事業における収益性向上に注力しています。
- 重点分野:
- 不動産事業：長期・安定的な収益が見込める物件への投資、物流施設用不動産等の開発案件への取り組み。
- M&Aコンサルティング事業：新しい形態のM&Aコンサルティング事業の展開。
- 貸金事業：収益性及び担保価値等を吟味し、回収可能性等を慎重に検討。ソーシャルレンディング事業も絡めて収益及び利益の増加に努める。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 不動産賃貸収入、貸金業からの利息収入、M&Aコンサルティング手数料が主な収益源です。
- 市場ニーズへの適応力: パチンコ業界の縮小傾向や、不動産市況の変動に対応するため、事業ポートフォリオの見直しや、新たな収益源の開拓が重要になります。M&Aコンサルティング事業の強化や、物流施設への投資などは、その一環と考えられます。
5. 技術革新と主力製品
- 技術革新: 企業規模から見て、大規模な技術開発は行われていないと考えられます。
- 主力製品/サービス: 不動産賃貸、貸金、M&Aコンサルティングサービスが主力です。
6. 株価の評価
- 株価: 301.0円（2025年7月1日終値）
- PER（会社予想）: 36.09倍（業界平均：11.3倍）
- PBR（実績）: 1.75倍（業界平均：0.9倍）
- EPS（会社予想）: 8.34円
- BPS（実績）: 172.18円
- 評価: PER、PBRともに業界平均を上回っており、割高感があります。ただし、今後の業績回復を見込んでの評価である可能性もあります。
7. テクニカル分析
- 株価推移: 直近10日間の株価は、300円～317円の範囲で推移しており、やや下落傾向にあります。
- 年初来高値: 379円
- 年初来安値: 202円
- 50日移動平均: 302.42円
- 200日移動平均: 337.01円
- 判断: 現在の株価は、年初来高値からは大きく下落しており、50日移動平均線を下回っています。200日移動平均線も下回っており、弱気相場を示唆しています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2025年3月期は68.59億円と、前期の127.39億円から大きく減少しました。
- 営業利益: 2025年3月期は2.53億円と、前期の6.36億円から大きく減少しました。
- 純利益: 2025年3月期は0.66億円と、前期の4.16億円から大きく減少しました。
- ROE（実績）: 0.34%
- ROA（過去12か月）: 2.11%
- 自己資本比率: 24.5%
- 分析: 2025年3月期は、売上高、利益ともに大幅な減少となりました。これは、不動産事業における販売用不動産の売却が予定通りに進まなかったこと、大型不動産取得による減価償却費の増加などが要因です。自己資本比率は24.5%と、財務体質はやや脆弱です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 5.98%
- 1株配当（会社予想）: 18.00円
- 配当性向: 2,950.82%
- 自社株買い: 決算短信からは自社株買いに関する情報は得られませんでした。
- 分析: 配当利回りは高い水準ですが、配当性向も非常に高いことから、業績悪化による減配リスクに注意が必要です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価変動: 直近10日間の株価は下落傾向にあり、モメンタムは弱いです。
- 出来高: 出来高は、平均よりも低い水準で推移しています。
- 信用取引: 信用買残は増加傾向にあり、信用倍率は7.52倍と高い水準です。
- 株価への影響要因:
- 業績の回復状況
- 不動産市況の動向
- パチンコ業界の動向
- M&Aコンサルティング案件の成約状況
- 投資家関心: 52週安値圏にあり、投資家の関心は低いと考えられます。
11. 総評
ＪＡＬＣＯホールディングスは、貸金業と不動産事業を組み合わせたユニークなビジネスモデルを展開していますが、2025年3月期は業績が大きく悪化しました。株価は割高感があり、テクニカル的にも弱気相場を示唆しています。配当利回りは高いものの、配当性向も高く、減配リスクに注意が必要です。今後の業績回復、特に不動産事業の進捗、M&Aコンサルティング事業の拡大が重要となります。投資を検討する際には、これらの点を注視し、リスクを十分に理解した上で判断する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 6625 |
| 企業名 | JALCOホールディングス |
| URL | http://www.jalco-hd.com/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 不動産 – 不動産業 |
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